悪い情報を伝えるということ私のデスクは1Fの患者サポートセンターにある。同センターは昨年、地域医療連携室と医療相談室が統合してできた。外来待合室から見え気軽に立ち寄れるところに受付カウンターを設置し、従来から行っている地域医療連携や医療福祉相談に限らず、患者さんやご家族からの相談全般をまずは何でもお聞きするという姿勢で業務を行っている。
先日、入院中の患者さんのご家族が当センターを訪ねて来られた。聞くと、前日、主治医から病状説明を受けたと言う。やっかいな病巣があり、今後の経過によっては致命的で、処置のしようがなくなる可能性があると説明を受けた。話は理解したものの、その後だんだんと不安が募り、どうしたら良いか分からなくなってここへ来たんだ、と…。すぐさま病棟に連絡し、担当者につないだ。あとでカルテを読むと、この後ご家族の話を傾聴し、ご不安はもっともだと、共感と精神的支援を含むご支援の姿勢を示し、いつでも相談を受けること、必要であれば再度病状説明を行うこと等を説明したと書いてあった。このケースでは、不安に苛まれるご家族をしかるべき担当者による支援へとつなげる役割を当センターがたまたま果たすことができた。患者サポートセンター開設の値打ちを実感した一例である。
だが、一方で思うのだ。今回の例のように、患者さんやご家族に悪い情報を伝えねばならないとき、その「伝え方の質」って、当院はどうなんだろう。高いんだろうか、それとも低いのか? 医師や病棟、スタッフによるばらつきはどうなのか? 「技法」としてある種の「標準化」ができているんだろうか? 伝え方がまずいと、患者さんやご家族は不安の中に無防備のまま投げ出されてしまう。また、たとえきちんと説明し、患者さん側はひとまず論理的に理解し、事態を受容しても、(おそらくは今回のケースもそうだったかもしれないが、)徐々に不安が募ってきて、感情的に受け止めきれなくなってしまうこともある。そのようなことをはじめから想定し、不安になったときはいつでも相談に来て良いと、病状説明とセットにして相手に伝えることは、おそらく必要なことだ。当院の「病状説明の質」について、あらためて振り返りを行ってみても良いかもしれない。
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