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スカボロフェア 正確な和訳、解説。 高知市の学習塾 高知学芸塾です。

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"スカボロフェア" - 映画 "卒業"サウンドトラックより 

サイモン&ガーファンクルの世界へようこそーその2


前回、その1では「サウンドオブサイレンス」 を紹介しました。今回はサイモンとガーファンクルを語るときに避けて通れない曲、「スカボロフェア」を勉強します。
スカボロとはScarboroughという英国の土地の名前で、フェアはマーケット、市(イチ)という意味で、スカボロで年1回夏に約1か月半にわたって行われる大規模な市のことです。中世から続く市で、昔は英国だけでなく周辺国から商人が集まりにぎわったそうです。
 この曲スカボロフェアは中世から歌い継がれてきた民謡なので、歌詞はたくさんのバージョンがあるそうです。
サイモンとガーファンクルのスカボロフェアは彼らが作ったひとつのバージョンであり、原曲ではありません。
民謡やマザーグースなどの童話によくありがちですが、歌詞を読んでも意味がよくわからないかと思います。
この曲には男女が掛け合うデュエットバージョンもあります。
男が女に対して、針を使わないで薄手のシャツを作り、それを水のない枯れた井戸で洗ってくれと無理なことを頼みます。それができればお前は俺の本当の恋人だといいます。
すると女は、それじゃあ、海辺の波と陸地の間に広い土地を見つけて、そこにコショウの種をまいて革の鎌で収穫してくれと無理難題を返します。それができればあなたは私の本当の恋人よ、と言います。
このかけ合いの構成には納得がいきます。
 一方、サイモンとガーファンクル版では、原曲といわれるエルフィン・ナイトの意味が色濃く出ています。
エルフィン elfinとは妖精、ナイトはknight 騎士です。つまり「妖精の騎士」というタイトルで、死んで悪霊となった騎士という意味です。
妖精というと日本人はかわいい、森の精なんかを連想しますが、本来、妖精は恐ろしい霊なのです。会話すると向こうの世界へ魂を持っていかれると言われています。
ハロウィンだって日本ではかわいいイメージに変えられていますが(そうしないと関連商品が売れないから)本来は恐ろしい悪霊を退散させる魔除けのお祭りなんですよ。

妖精の騎士は会話をして魂を取るためにへんてこな無理難題を旅人に語りかけます。
中世の戦争で死んでしまった騎士はスカボロに残した恋人を偲んで旅人に無理難題な伝言を頼もうとします。旅人は、話にのってしまうと命をとられるので、関係のない香草の名前を唱えます「パセリ、セージ、ローズマリー、タイム」と。
日本語で言う、クワバラ、クワバラとか、南無妙法蓮華経(ナムミョウホウレンゲキョウ)みたいなまじないの言葉なのでしょう。
 吸血鬼がニンニクのにおいが嫌いなように悪霊はきついにおいが嫌いだと考えられています。だからハーブの名前を唱えて悪霊を退散させようとしているらしいです。というような説もあるし、
もともと全く別の言葉だったが発音の似た、市(イチ)に関係のあるハーブの名前に置き換わってしまったもので意味はまったくない、という説もあります。
あるいは、それぞれのハーブにある花言葉のような、かくされた意味をもって男女の恋が成就することを願っているという説もあります。
「かごめかごめ」という童謡が遊郭を足抜けしようとする男女の話だったり、かぐや姫が無理難題を言ったり、ギリシャ神話でも無理難題を解決するために冒険の旅に出る話があるように、なぜだ、どういう意味だと深く追求しても結論はないのかもしれません。かるく流しましょう。

 サイモンとガーファンクル版のスカボロフェアにもどります。
途中から伏線のように別の歌詞がかぶせられ輪唱のように歌われ、なおいっそう何とも言われぬ幻想的な雰囲気を醸し出しています。
このかぶせられた曲はポールサイモンの別の曲A side of a hillから少し歌詞を変えて使われています。この歌詞の意味とエルフィンナイトの歌詞意味をかぶせて男女の恋と反戦を融合させています。
このかぶせられたサイド オブ ア ヒルの歌詞の部分はコンサートでは歌われませんが、映画「卒業」のサウンドトラック盤には入っています。
このCDに収められたスカボロフェアはギターの旋律がそれは美しく、いつの間にか美しい音につつまれていて、弦からはじけ飛んだ一音一音が宝石となって天井からキラキラと降り注いでいるような錯覚を覚えます。









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 今は昔の話だが、大学生の頃に小さな夢があった。
それは、当時熱を入れていた趣味のオーディオの話なのだが、メインシステムにJBL4344をマークレビンソンのアンプで鳴らし、サブシステムにRogers LS3/5AをQuardの小型セパレートアンプで、しかもサイモン&ガーファンクル専用ときどきカーペンターズも、て感じで鳴らすこと。いつか将来そういうことができればなあ、と夢を抱いていた。
当時、秋葉原のオーディオショップの視聴室を巡りハイエンドオーディオの音を聴くのが好きだった。そんなある日、懐かしい音が耳に入ってきた。
幼いころ聴いた真空管ラジオに似た感じ。とてつもなく懐かしく感じた。スピーカーを見るとLS3/5Aだった。
このスピーカーでサイモンとガーファンクルとかカーペンターズなんかを鳴らせば最高だろうなと思ってしまったわけです。
幼稚園のころ寝室に置いてあった真空管ラジオ。親から勝手にさわったらダメだと言われていたが、ラジオを聴きたいわけではなく、ただカチッとスイッチを入れる感触と、少し時間がたつと放熱用のスリットから真空管がほのかに光だし明るくなっていくのを見るのが好きだった。カチカチとスイッチを入れては切ってぼんやりと明るくなっていく光をながめていた。何度もやって壊すといけないからいつも3回ぐらいでやめていたのだが、、懐かしい思い出です。
LS3/5Aは決して帯域が広いわけでもなく、いい音だと思ったわけではなかった。ただただ懐かしい音だった、それだけの個人的な理由だった。
あれからずいぶんと時は流れ、メインシステムは4344から天国から音が降りそそぐかのようなB&W800へと変わり、それもサブスピーカーといっしょにこの前処分し、代わりに長年心にひっかかっていたLS3/5Aに置き換わった。ただ、RogersではなくStirling社のLS3/5Aだ。
LS3/5Aという型番はイギリスBBCモニタースピーカの規格を表す。開発元のRogersは今や中国資本となりオーディオ精神を失ってしまった。現在もNew LS3/5Aを作っているのだが、当然のことながら音は変わってしまった。中国人の作る英国スピーカーなど考えただけでもおぞましい。
ところが、スターリング社がベストの特性のものを選別し保管してあったオリジナルのLS3/5Aを現代の一流のユニットメーカーに解析依頼して再現させ、ネットワークもオリジナルの設計者が新しく設計しなおしてLS3/5Aを現代に復活させたのです。もうこれしかない!この毛並みの良さといったらこだわり派にとってはたまらないもの。
エンクロージャ(箱)の材質は何種類かあって、淡い色で木目に特徴があるメイプルウッドを選んだ。長く愛せそうな気がする。
ところが、このメイプルウッドはすでに完売で終了となっていた。輸入代理店に直に問い合わせても無いという返答。ふてくされてチェリーにするかウォールナットにするか迷ってところ、友達のように親しくしているオーディオメーカーのオーナーが見つけてきてくれた。しかも、設計者のサイン入りの金メッキ銘板がスピーカーの裏に張り付けられている限定品だという。聞くところによると、日本代理店が1セットだけ売り惜しむように隠し持っていたそうだ。それをもぎ取ってきてくれた。青天の霹靂のごとく突然の降ってわいた幸運に感謝感激!
LS3/5Aは小さなスピーカーなのでスタンドが必要。スタンドの良し悪しで音も変わってしまう。かといって金属製の無骨なスタンドではいくら制振性能が良くてもせっかくのメイプルウッドに合わない。興ざめだ。
なので、メイプルウッドを使った木製スタンドを特注した。それが3か月以上たつがまだ出来上がらない。久しぶりにいだく待ち遠しいという気持ちを楽しんでいる。
ちなみに、大きな音で聴かないから小さなスピーカーでいい、という人がいるがそれは間違いだ。大きなスピーカーは小さな音量でもリアリティーが保てるが小さなスピーカーでは音量を上げないとリアリティがでない。大きなSPなら低音が出るかというとそうでもなく、スピーカーよりも部屋の問題の方が大きい。低域の波長は長いので大きな部屋でないと音がでないのだ。職員室を出ると教室へ続く廊下があるが、職員室の入り口のドアを開けたままで音量を上げると廊下では低音がズンズン響いているが職員室へ入るとピタと聞こえなくなる。低域の波長が部屋の長さよりも長いから狭い部屋では音が出せないのだ。
音量を上げて聴くLS3/5Aの音はというと、いい意味で期待を全く裏切られた。
ユニットの特性がそろっているのだろう、定位が良く、楽器があるべき位置にぶれることなく鎮座する。現代の音に通用する、なんて古臭い文句で表現できる音ではない。端正で、貴族のような血統の良さを感じさせる素晴らしいブリティッシュスピーカーだった。
ボーカルや弦楽器がリアルでいい。サックスもまあまあいい感じ。Take fiveをかけてみたらこれがまたなかなか良い感じでジャズもいける。
ただ、ウーハーが小口径なのでさすがに腹が震えるようなベース音は出ないが、上も下も必要十分に伸びている。おおきな不満はない。低音の量感についてはこのような小型SPには物理的に無いものねだりなので、すべてを望んではいけない。無理なところは目をつぶり、素敵なところに目を向けて愛してやらねばね。子供と同じだ。
音場は左右に大きく広がるタイプでなくコンパクトだ。エンクロージャが音の回り込みを考慮した最近のティアドロップ型でなく直方体型なので、後方に深く展開はしない。だから左右のSP間はできるだけ広く設置するのがよさそうだ。ジャズではさして気にならなかったがフルオーケストラは向かない。小編成ならとアイネ クライネ ナハト ムジークをかけてみた。許容範囲だが、ステージまでの距離が遠く感じられる。もっと音量を上げると解消されるかもしない。SPの間隔を広げたいが職員室は狭くて無理なのが残念。
そういえば、奈良でレストランを経営している友人が店にJBL4344と子供の背丈ほどある巨大なマークレビンソンアンプを正面に鎮座させ、普段はJBLの横に置いた古いLS3/5Aから音を出しているのだが、ほとんどのお客さんはそれに気づかず4344から音が出ているものだと思っている、アンプが良ければ驚くほどいい音が出る。と言っていたのを思い出した。
総合点でなら相当高得点をあげたい。この前まで職員室に置いていたVivid K1のような金属臭さは感じられず、相当に優秀なスピーカーだぞこれは。もうけものだった。
それからあれこれ試聴しているうちに気が付いた。
秋葉原で聴いた思い出のあの音はLS3/5Aの音ということではなくてモノラル録音の音だったのだ。ヘレンメリルのYou'd be so nice を聴いたときにそのことに気が付いた。真空管ラジオのころ、ステレオというもの自体存在してなくて、すべてがモノラルだったのだ。
LS3/5Aを聴くにつれて女性ボーカルが聴きたくなった。ただし、楽器は少なくアカペラに近い録音のもの。そこで、
手嶌葵(てしまあおい)の"The Rose" というタイトルのCDを買った。
今最高に気に入っているアルバムです。手嶌葵さんはジブリ映画のゲド戦記やコクリコ坂を歌った女性です。
"The Rose"では映画のテーマ曲を英語で歌ってます。楽器は数少なくギターやピアノ等だけで、左右のLS3/5Aの間にぞくっとするリアルさでボーカルが立ちます。日本人が英語を話したり歌ったりすると、顔を見なくても日本人だと声質や発音でわかるものですが、彼女の英語は日本人を意識させないところもいい。
 このThe Roseに収められているタイトルはThe Rose,ティファニーで朝食をからMoon River, 明日に向かって撃てからKeep Falling On My Head、オズの魔法使いからOver the Rainbow, 美女と野獣、ロミオとジュリエットからWhat Is A Youthなど全9曲。
1曲目はThe Rose。ピアノの鍵盤1つだけをゆっくりと叩き、コンコンコンコン・・・・・というイントロから始まり、突然ふわっと手島葵がスピーカーの間に幽霊のように立つ。おもわず鳥肌が立ちます。いい!とってもいいです。


See you!

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