第八次 震災ボランティアの報告

 
「ボランティアに参加して」
廣末早映(高知中央教会)
    
 宮古と石巻にボランティアに行ってきました。やる気満々の半面、不安と怖れがありました。活動内容に楽しさが含まれているような思いがあり、ただ“楽しかった”とならないか、被災された方に出会うことはともすれば癒されぬ傷や痛みに触れることになるために怖れていました。

 活動を始めると不安や怖れを感じないくらいでした。少々ハードスケジュールだったこともありますが、不安・恐れ・疲れを超える、出会った方々の笑顔を見させていただきました。石巻では途中からエコオーブンの担当になったことで、海外からのボランティア参加者、来場者からエコオーブンに興味をもっていただけました。特に来場者からは作り方の質問を受け、説明もしました。電気を使わなくていい、多様に応用できる、作り方が簡単とのことで「自分も作ってみよう」と言われる方がいました。

 宮古では幼稚園での活動後に森分牧師が市内を車で案内して下さいました。説明を受けながら被災の傷跡を見ていくうちにだんだんと自分の顔が強張っていくのがわかりました。被災のシンボルタワーとして保存されるという観光ホテルの最上階の一室で、襲ってくる津波を撮っていた映像を見て言葉が出ませんでした。自分がいるところのすぐ目の前で一年半前に起きたことと現在の風景のギャップと凄まじさを目の当たりにしました。また、自分の住む高知も海に面した街のため人事に思えません。終わらない、まだまだ続くつらい現実を見せられました。

 高知に帰ってからこのボランティアの報告をどうするか、どう伝えたらいいかが課題の大部分を占めていましたが、活動中に与えられた課題は“これからどのように被災された方とつながっていくか”です。活動を土台から支えて下さったのは被災された教会であり、教会の方々です。本当はずっと支え続けて下さっている教会の方々に寛いでいただきたいのですが、現実的に残念ながら難しいと思います。だからこそつながっていきたいのです。何ができるかわかりませんし、安易な答えを出して済むわけでもありません。でも、あきらめず丁寧に向き合っていくならば、いつかいいつながりができるでしょう。歩みはゆっくりですが、いいつながりを求めて歩きます。

「エマオへの道・四国」-東日本大震災救援ボランティアを送る会-
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