宮古教会を後ろに
広瀬牧師、黒田議長、大田牧師
ひかり幼稚園問安 《後列》広瀬・YMCA大塚
現地ボランティア堀田
《前列》黒田・森分・
森分和基(宮古)・大田
宮古教会の支援とボランティアの派遣につい
八幡浜教会 森分 望
   
 3.11東日本大震災から11か月が経ちました。四国教区の皆さまの祈りとお支えによりボランティアの派遣が続けられておりますこと感謝です。
 さて、この2月には、エマオ四国から宮古教会へボランティアの先遣隊が派遣されました。配慮あって宮古教会の森分和基牧師と昔から交友のある大田健悟牧師と廣瀬満和牧師が宮古に派遣されました。心に残ったのは、「教会を思って働く人がそこにいるだけで、教会はぐっと教会らしくなる。」という宮古の方たちの言葉です。
 宮古教会は被災直後から現在までYMCAとボランティアの活動を受け入れ続けています。
 被災した地域の悲しみと共に歩もうとすることによって、教会はさらに忍耐を必要としました。自身の復旧は後回しになり、教会には全国から来た教会を知らない方たちが入れ替わり365日寝泊まりし食事をし、暮らしているという状況が続いてきました。そのような中で、宮古教会は、苦しみながら思いもよらなかった新しい形で被災地の教会としての役目を担って過ごされて来たのだと思います。YMCAとボランティアの方たちとの協同の働きによって、被災して多くの問題を抱えている人たちが教会に受け入れられ、礼拝に集うようになり、今までキリスト教に触れることのなかった方たちが教会の礼拝に出席されるようになりました。しかし、一方で、教会を教会として大切にすること、被災した教会自身の痛みや思い、決意を知り大切にされるという点においては、理解されないできたことも多いと感じます。また、教会自身すぐに支援側に立ったこと、混乱の中を進んで来たことによって、自分たちの抱えた状況や問題、傷みを受け止める間もなく進んで来ています。

 被災したひとり一人や、地域や産業が支援を必要としていると同じように、教会自身に対する支援も必要だと感じます。被災した教会の状況を知り、共に過ごし教会の声を聞いて支える力、それは他でなく私たちキリストの体として共にある教会に出来ることだと感じています。

 宮古市は、集落ごと流されてしまった地域が多く、家が残っていなかったこともあって瓦礫の撤去などのボランティアは比較的早い時期に終わっています。そのような地域の問題は目に見えにくくなっただけで深刻です。今もまだ瓦礫の撤去や清掃などの作業のある地域もすぐに同じ状態が来ると思います。一見したところでは、わかりにくく、受けとめにくい、しかし、助けを必要としている状態です。そのところをどう共に歩むかを今問われているように感じます。
 現地に行って過ごしてみると、被災した地での生活は、心身共に過酷です。日々の生活では、浸水地域に教会があるために大きな地震が来る度に、いつまた津波に襲われるかわからない危険や緊張と隣り合わせです。町の多くの人が家族や友人、家、仕事を失った悲しみの中にあり、それぞれの問題や悲しみを十分に受け止められない中で、仕事や生活を営んでいます。被災によって、日常生活に至るまでに幾重にも障害が起こります。
 全国の教会が被災した教会や被災地のために祈り捧げております。けれども、現地教会の声や顔はとても見えにくいというのがこの震災の特徴ではないかと思います。遠い東北の沿岸で被災した小さな教会の置かれている状況は、過酷で複雑なために、声にならない混乱の中をまだ、歩んでいるのです。そして心身ともに疲れています。1年経った今もなかなか外へ発信する余力もまとまった要請もできない現状であることが大きな要因ではないかと感じます。

  今求められている支援は、こちらがどう思うか、何ができるかということではなくて、相手の側・表現もできなくなっている教会や牧師の現実を知り祈ってそっと寄り添うことだと感じます。
 四国教区から2人の牧師と教区議長が、宮古教会の声を聞くべく訪ねてくださったことによって、宮古教会の方自身が教会と向き合う機会になったと話されました。これからも、この教会のために祈り、つながりの深い宮古教会の状況を知り支えることで、他の被災地や被災教会の状況を知り支援していくことにも繋がることを望みます。
 震災から1年、ほとんど休む間もなく毎日、昼夜の食事を作り、掃除をしている教会の方がいます。食事を作るのが得意な方が来てくださったら、宮古教会の方・地元の方は、少しの間、休むことができます。掃除や草取り、訪問、一緒に祈ること、礼拝すること、幼稚園を訪問し、四国の祈りを伝えること、教会を思って被災地を知り過ごすこと、何か出来ることがあると思うのです。震災から1年経った今、これからも四国のみんなで共に祈り粘り強く支援し続けていきたいと望み願います。
宮古市魚菜市場でお買い物支援 2011323日赤前地区 201229日赤前地区
沿岸地域被災状況の視察

「エマオへの道・四国」
〒791-8031 松山市北斎院町58-3 日本キリスト教団さや教会内
emaoshikoku@gmail.com