第2次震災ボランティア報告

中予分区・久万教会 西村大吉
   10月17日から21日までの5日間、皆さまの尊い捧げものによってボランティアに行かせていただき心から感謝いたします。

 私と岡田先生は石巻に行かせていただきました。

 石巻には最近「エマオ石巻」と言う拠点ができ、そこで寝泊まりしてワークに出かけます。
 スタッフの方々はみんな若い方々ですが使命感に燃えて、とてもしっかりとしています。自分達のスタッフとしての仕事のほかに、私達ワーカーと一緒になってワークします。そして私達ボランティアの寝ている時も、スタッフの人達は深夜まで仕事をしています。

 それでも疲れた様子を見せることなく、被災者の方々からのいろいろな要望等に笑顔を絶やさず、前向きに要望にこたえていく姿に接してとても感動を覚えました。
 さすがは他府県から石巻に住所を移して、ボランティアに励んでいるだけのことはあるな。と思わされました。

 最初の日のワークは一件の御宅にお邪魔し、家が浸水して使えなくなった家具類、電化製品等をワゴン車に積み込み、集積場まで捨てに行く作業でした。

 その途中、石巻の町の光景を見ながら、改めて地震と津波の破壊力とその恐ろしさを肌で感じると共に、被災された方々のことを思うとやり切れない思いでいっぱいです。

 家々はなくなり基礎だけが残っている、鉄筋の建物は残っていてもかなり破壊されている、灯台が海の中に沈んでいて地盤沈下が起きており、ゴミの集積場の山があちこちに出来ておりました。

 その後Aさん宅の敷地の清掃に行きました。そこには家は無くコンクリートの基礎だけが残っている状態です。ワーカー数名の人と共に石やゴミ、ガラスの破片等を拾いました。最初のうちは要領が分からなく、どの程度の石やゴミを拾ったらいいのか、私を含めみんな戸惑い気味のように感じました。しかしだんだんと綺麗になってくるにつれ、徐々にやる気が出てきて大胆になり、大きなコンクリート魂を数人で転がして移動させたりして、皆な一生懸命になって汗を流しました。そうなってくるとお互いに知らない者どうしでも意思の疎通が図れるようになってきて、冗談を言い合ったりして打ち解け合い、同じ目的のもとに1つとなることができ力が湧いてくると同時に、仲間と一緒にボランティアができる。と言う喜びを実感することができとても感謝でした。

 翌日はOさん宅に行かせていただきました。ここでの作業は畑の土が家の敷地内に流れ込まないようにコンクリートブロックで遮へいすることでした。

 作業をしていると家の人の差し入れがあったり、また近くのおばあちゃんが話しかけてくれたりしていろいろと話をして下さいました。
「孫が乗ったバスが津波に流され木に引かかって助かった。」また「ボランティアに来てくれた人達からハガキがきた。」
 と言って嬉しそうに見せてくれたりもしました。
 翌日会った時には「体は痛くないですか?」と言って声をかけて下さいました。
 ここは河口の近くなので3メートルくらいの浸水があったと思われます。家にくっきりと浸水した時の線が残っているからです。そんな中にあっても、人のことを心配してくれる優しさに恐縮しながらも大きな励ましを受けました。


 夜のミーティングの時、一人の若い大学生の女性がこんな話をしておりました。

 彼女は3回目のボランティアでめちゃくちゃに明るい子でした。彼女のワークは海苔の加工場でしたが震災で工場が浸水したために機械が使えなくなり、手作業で修復する作業だそうです。1日中そこの奥さんと御一緒しての単純作業です。
 そんな彼女の持ち前の明るさがあっても、話が途切れた時や悩み苦しみ等を打ち明けられた時、「なんと答えたらいいのか言葉がない。」と言って泣いておりました。

 見かけは街のどこにでもいるような女の子、しかし心は熱いものをしっかりと持っている。そのことを改めて教えていただきました。


 スタッフの人達の一番の要望はボランティアをとにかく送ってほしい。次に軽トラックがほしいとのことでした。

 今回、私がさせていただきましたボランティアは大河の一滴にすぎません。しかしみんなが同じ目的をもって、思いを1つにする。そのことの大切さを教えていただきました。被災地の一日も早い復興をお祈りします。

「エマオへの道・四国」
〒791-8031 松山市北斎院町58-3 日本キリスト教団さや教会内
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