この度は皆様からの尊い献金によって仙台へ行かせていただき、心よりお礼申し上げます。改めて、震災のことを忘れかけていた自分、知ろうとしていなかった自分を思い知らされました。現場に身を置くことで今回の地震の被害がどれほどすさまじいものだったのかを知りました。
12月5日(月)は丸亀からの移動のみ。9日(金)は午後から移動のため、ワークには行かず午前中は宿泊先の清掃とエマオ館内のトイレ掃除をさせていただきました。6日~8日の内容は下記の通りです。
日付
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12月6日(火)
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12月7日(水)
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12月8日(木)
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作業場所
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仙台市若林区七郷地区 Kさん宅
11月までは自転車での移動だったが、凍結などでの転倒防止のため12月から車で移動
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作業人数
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男性1名(エマオスタッフ)
女性2名(木下さん・岡田)
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男性1名(エマオスタッフ)
女性4名(エマオスタッフ・ 大学生・木下さん・岡田)
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男性1名(エマオスタッフ)
女性2名(木下さん・岡田)
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作業内容
10:00~
15:00
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机・テーブルの拭き掃除
台所の壁紙の拭き掃除
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台所壁紙の拭き掃除続き
ソファの泥落とし
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ソファの泥落とし・拭き掃除
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作業終了後、被害の大きかった荒浜地区へ連れて行ってもらう
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宿泊
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仙台青葉荘教会(エマオの隣)
朝食・昼食は各自で用意(コンビニ)
夕食:仙台市内の教会の婦人会の方が用意して下さっています。感謝。
風呂:銭湯(自転車で15分くらい)
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農業をされているKさんはご自宅とビニールハウス・畑が津波の被害を受けました。ご自宅には1メートル50センチくらいのところに津波の際の泥の跡がまだ残っていました。エマオスタッフのお話によると、その上をさらに水が覆っていたということなので、実際にはもっと高いところまで水に浸かったようです。私たちが行った時にはすでに床板が張られて家具が運べる状態にはなっていましたが、戸外にざっと泥をはらっただけの家具がたくさん置かれていました。特にソファは足の部分に泥が入り込んでいてなかなか汚れが取れません。1つのソファをきれいにするのに1時間以上かかりました。ビニールハウスと畑はエマオスタッフの方とボランティアワーカーが、夏ぐらいまでかけて野菜が育つ状態にまでしたそうです。昼食に畑で取れた野菜を振舞って下さいました。Kさんは、近所のアパートの借上げ仮設住宅で生活をされており、まだ大変な状況の中にいらっしゃるにも関わらずいつも私たちにねぎらいの言葉をかけて下さったり、温かい食事や飲み物を用意して下さったり、こちらの方が励まされました。
ワークに行く前、エマオでのミーティングで3つの注意事項が告げられます。①写真撮影は行わないこと。②作業はゆっくりでもよいので丁寧に行うこと。③災害当時の話を聞かないこと、相手からお話をしてくださる場合はじっくりと耳を傾けること。また、ワークから帰ってくるとシェアリングの時間が設けられ、ワークを通して感じたこと、考えたことを思いのままに話し合う場があります。そこでのルールは「人の意見を批判しないこと」。初めて参加された方、何度か来られている方、それぞれの思いを分かち合います。何人かの方が「私にできるだろうか」と抱いていた不安が「私にもできることがある」という思いに変わる、とおっしゃっていました。私もそのうちの一人です。また、仙台に行くまで「思いに寄り添うことができれば」という漠然とした気持ちはありましたが、実際にどうすればよいのかわからずにいました。エマオのスタッフの皆さんの姿勢を見ていて、じっくりと話を聞き、丁寧に作業をすることで少しずつ家がきれいになっていくことをともに喜び、信頼関係が築かれ、絆が生まれていることを感じ、「思いに寄り添う」具体的な姿を見ることが出来ました。3日間という短い時間ではありましたが、とても大きなものを得ることができました。言葉に出来ない思いがたくさんあります。またぜひ訪れたいと思っています。そして四国から多くの方がエマオに派遣されることを願っています。
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