エマオへの道・四国  第7次派遣報告(抄)

 
香川分区・丸亀教会 岡田恵子
    

前回(第3次派遣:201112月)エマオへ行かせていただいてから約8か月がたちました。当時荒浜で見た光景はテレビで見る印象と実際に行ってみて感じた印象とは全く違っており、一面に土台だけが残った家の跡が広がっている場所に身を置いて、被害に遭われた方々の恐怖がいかに大きなものだったか、とても言葉では言い表すことはできないであろう、と思いを巡らせていました。しかしその後香川に帰り、日常生活を繰り返す中で荒浜の光景を忘れてしまっている自分の姿がありました。もう一度胸に刻みなおしたい、と思い今回参加を希望しました。皆様の貴い祈りと献金によって再びエマオへ送り出していただいたことを心から感謝します。

 

ワークの内容

 

8/2(木)

8/3(金)

8/4(土)

8/6(月)

8/7(火)

午前

畑での細かい瓦礫の撤去作業(12名)

畑での細かい瓦礫の撤去作業(20名程)

ワークの拠点となる「いこいの郷」の小石除去作業・やぐらの拭き掃除(3名)

畑での細かい瓦礫の撤去作業(20名程)

Kさん宅の庭の草むしり・剪定した松の枝の撤去作業

(5名)

午後

畑での細かい瓦礫の撤去作業(25名程)

畑での細かい瓦礫の撤去作業(20名程)

「いこいの郷」の草むしり

(3名)

雨のため、エマオで夕食作りの手伝い

Kさん宅の庭の草むしり・カリフラワーの苗の植え付け(5名)

 

 真夏の炎天下の中自転車で向かうこと、作業をすることに少し不安はありましたが、大勢の仲間と共に汗を流し、語り合うことによってずいぶんエネルギーをいただき、7日間を終えてそれほど疲労感は残っていませんでした。むしろこの滞在中に得たことがありすぎて、10日たった今でも気持ちの整理がつかないまま、興奮状態の中にあります。

毎日かわるがわる全国から、中高生・大学生や社会人が、また海外からも大勢の方がこのエマオに来られていました。台湾からは20名程が2週間単位でこの夏に合計4回にわたって来られていました。他にアメリカ各地から、イギリス・スウェーデン・スイスなど、様々な国からワーカーが集まっていることに驚き深く感動しました。毎日朝夕のミーティングの最後に手をつないで一つの輪になって祈りが合せられるとき、国や立場を超えてみんなの思いが一つになっていくのを感じました。ミーティング後の佐藤真史伝道師の祈りの中に「この思いが混ざり合いとけあいますように」という言葉がありました。一人一人の思いは具体的なことは違うかもしれませんが、方向は同じところに、被災された方に向けられています。たった一人だと小さなものかもしれませんが、手をつなぎ大きな円の一部になるとその思いはこれほど大きな力になるのだと勇気を得ました。この滞在中、ともに汗を流す喜びも、悲惨な現場を目にしたときの悲しみも、多くのことを体全体で感じ、受け止めることが大切だと思いました。

 

 今回は仙台だけでなく、8/5(日)に仙台から北に車で1時間ほどの涌谷教会の礼拝出席後、石巻・女川町・雄勝町を訪れました。まだまだ瓦礫の山が高く積み上げられ、炎上した門脇小学校や児童104名のうち74名が犠牲となった大川小学校を目にしたとき、その悲惨さに胸が締め付けられるようでした。改めてこの震災の被害の甚大さを思い知らされましたが、私が訪れた場所はそのごく一部に過ぎず、まだまだ広範囲に渡って被害を受けた地域があること、被害に遭われた方々が数多くいらっしゃることを思います。一方でこのような大きな被害にあってなお、たくましく生活されている方の力強さに励まされることもありました。忘れてはならない。このような経験をさせていただいたことに感謝するとともに、今後自分に課せられていることは何か、問い続けていきたいと思います。

二度にわたり大変貴重な時間を過ごさせていただきました。本当にありがとうございました。

「エマオへの道・四国」-東日本大震災救援ボランティアを送る会-
〒791-8031 松山市北斎院町58-3 日本キリスト教団さや教会内
emaoshikoku@gmail.com