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グローリーステーションが音響学の基礎の基礎を解説させていただきます

< 音 響 学 > 

音とは?

 「音とは振動です」。例えば、ギターを例にとって説明してみましょう。ギターを弾くと、弦が振動します。この振動は、周期的な往復運動です。その弦の振動が、空気を震わせ、空気の密度の高いところと低いところを作り出します。その空気密度の疎密の繰り返しが、次々に伝わっていくのです。そして、その空気の振動が、耳に届き、鼓膜を振動させ、私たちが音として感じているのです。
 また、プールに潜っても音が聞こえたり、壁に直接耳をつけても音が聞こえるように、音が伝わるのは、何も空気だけではありません。糸電話では、音が糸を伝わって届くのです。このように、音を伝えるもののことを、「媒質」と言います。だから、ものが振動しても、それを伝えるものがなければ、音は聞こえません。真空の空間では音は一切聞こえないはずなのです。
 音(振動)の伝わる速さは、媒質によって変わります。
空気中での速さのことを音速と言って、気温15℃の時の音速は、約 340m/秒です。
これは時速にすると、1224km/時です。
また雷は、稲光が光ってから、音が聞こえるまで時間がかかるのを経験されていると思いますけれども、これも、音の遅さによるものなのです。
 また、音が聞こえるという事は、ものが振動しているという事です。スネアを叩けば、ドラム・ヘッド(皮)が振動しているのが見えますが、机を叩いても振動は見えません。でも音が聞こえるという事は、目には見えないけれど、振動しているということなのです。この音の振動の周期が、
1秒間で繰り返す数を「周波数」といい、記号では主に「f」が用いられ、単位は「Hz」で表します。

 

★音の伝わる速さ

音は物質の中を伝わるので、伝える物質によって音の速さはちがいます。

・気体よりも液体、液体よりも固体の方が、伝わる速さが速い
  固体の中でも特に金属やガラスは伝わる速さが速い

・空気中の音速(空気が標準状態1気圧のとき)
 V〔m/s〕=331.5+0.6* 温度(気温)
  (気温0度のときには331.5m/sになります)
  {1気圧の場合だいたい15度の気温で音速340m/s}

 ここではそれ以外の媒質についても触れてみよう。
音速は体積弾性率(=丈夫さみたいな物)の平方根に比例し、密度の平方根に反比例する。

乾燥した空気(温度0℃) 0.331km/s
水蒸気(温度0℃) 0.401km/s
水(温度8℃) 0.401km/s
水素(温度0℃) 1.26km/s
銅(温度20℃) 3.97km/s
鋼(温度20℃) 5.0km/s
硝子(温度20℃) 5.0〜5.3km/s

また、液体・固体中を伝わる縦波の速さは、一般にv=√(体積弾性率/密度)で与えられることが知られている。
 水は 体積弾性率=2.22×109[N/m2],密度=103[kg/m3] であるから、v≒ 1490[m/s] となる。

・波長を求める
 λ(m) = C(3×10の8乗)/f(Hz)

 

基礎電気知識

●オームの法則
 
V=I*R
 V:電圧(V) I:電流(A) R:抵抗(Ω)

●電力
 P=V*I

●抵抗の接続
 ・直列 RS =R1+R2+R3+ … Rn
 ・並列 RP =1/{(1/R1)+(1/R2)+(1/R3)+ …(1/Rn)}

●電流の特性
 ・ 熱 :導線(導体)を通る電流の流れが原因で発生する。
 ・電磁気:電流が針金のコイルを流れると、そのコイルは磁石の働きをする。
      
これは、磁界が針金のまわりに生じるためである。

 

音の三要素
音には、三つの要素があります。それは、「高さ」「大きさ」「音色」です。
1.音の高さ

 音は振動の繰り返しですが、その状態をグラフで表すと、図・−1のようになります。この山と谷の繰り返しが、1秒間に何回あるかで、音の高さは決まっていきます。回数が多いほど高い音に、少ないほど低い音になります。簡単に言うと、速い振動は高い音、遅い振動は低い音ということです。
 山と谷1回分を1サイクルと言い、1秒間に繰り返される数を、「周波数」と言い、単位を「Hz」ヘルツで表します。
 人間が、音として聴くことのできる周波数の範囲を、「可聴周波数帯域」と言って、ふつう、20Hz〜 20kHzです。
ピアノの中央の「A」の音が 440Hz(ときには 441〜443Hzで調整されることもある)。テレビやラジオの時報では1kHzなどが使われています。
 周波数は、1オクターブ高くなるごとに2倍に、低くなるごとに半分になります。

 図・−1正弦波とバイオリンの波形

正弦波とバイオリンの波形

 

2.音の大きさ

 音の大きさを表すものにはいくつかあります。

音圧レベル
 前に書いたように、音は、空気の密度の高いところと低いところの繰り返し、つまり、空気振動の圧力の大きさで、これを、「音圧レベル」といい、単位はdB(デシベル)です。正常な人が聞くことのできる最低の音圧を基準音圧といい、この音圧を0dBとして測定値との比の形で表します。人の聴くことのできる音圧レベルの範囲は0〜 130dBくらいです。
  この音圧レベルは、実際の圧力を計測すると、最小と最大の比は、100万倍以上になっていて、感覚としてとらえにくいので、その数字の常用対数を取ることによって、人間の感覚に近い数字にして使います。

ラウンドネスレベル
 人間の耳には、同じ音圧でも、 周波数によって同じ大きさには聞こえません。そこで、1kHzの純音と聞き比べて、同じ大きさに聞こえるレベルを測り、1kHzの音圧レベルの数値で表したのが、ラウンドネスレベルです。単位は「フォン(Phon) 」。ラジカセやステレオに、ラウンドネス・コントロールというものが付いていますが、これは、小さな音量にしたときに、低音、高音が聞き取りにくくなるので、その部分の周波数帯域のレベルを上げるものです。つまり、低音と高音を強調しているわけです。人間の耳は、2kHzから5kHz付近の感度が高くなっています。レンジの音やガス警報機、体温計の音など日常使われている音はだいたいこの範囲のなかで使われています。

 

3.音色

 音色(おんしょく、ねいろ)を決めるものには、次のふたつです。

波形(倍音構成)
 単純な一つの周波数だけの音の波形は、図・−1のような、正弦波(サイン波)という波形ですが、実際の楽器の波形は、このような単純なものでなく、もっと複雑です。図・−1の下図は、バイオリンの波形ですが、かなり複雑になっているのが分かるでしょう。なぜこのようになるかというと、楽器の音には倍音というものが含まれているからなのです。もとの音(基音)の1オクターブ上、1オクターブと5度上、2オクターブ上・・といった様々な倍音が含まれています。そして、音によって倍音の含まれ方が違うので、音色も違ってくるわけです。アナログ・シンセサイザーでは、この倍音構成を変えることによって、いろいろな音色を作りだしています。

エンベロープ
 もう一つ重要なのが、エンベロープ。これは、音の鳴り始めから、消えるまでの音量の変化のパターンです。例えば、強く弾いたピアノ音と、弱く弾いたバイオリンの持続音とを想像してください。ピアノの音の始まり方は瞬時に立ち上がるが、バイオリンの方はゆっくりと立ち上がる。また、ピアノの音は自然と減衰していくけれども、バイオリンの方は弾くのをやめるまで同じくらいのレベルで延びたままである。
 このように、アコースティックな音はすべて固有の変化の仕方を持っている。ちなみに音程、音量、音色とも全く変えないで、ピアノとバイオリンの音の経時変化の具合を逆にしてみると、もはやピアノともバイオリンの音とも分からなくなってしまうであろう。このように、音量の変化というものは、音色決定の重要な要素なのです。
 初期のシンセサイザーなどでは、このエンベロープを、アタック・タイム、ディケイ・タイム、サスティン・レベル、リリース・タイムの4つに分けて考えています。




 

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