DTCPDigital Transmission Content Protectionの略

デジタル転送におけるコンテンツ保護技術である
日立,Intel、松下、ソニー、東芝で共同開発され1998年に発表。コピー制御情報CCI(Copy Control Informaition)をやり取りする機能も有。コンテンツプロバイダーが、【コピーフリー】、【コピーワンス】、【ネバーコピー】といった属性をコンテンツに付与出来る。〔コピーワンス属性〕のコンテンツをCOPYすると〔ノーモアコピー〕に属性が変更される。この他にもコンテンツストリームに適用された暗号化モードを示すEMI(Encryption Mode Indicator)が設置される。
DTCPはCCIとEMIの二種類のコピー制御情報を持つ。

保護されるデーターのやり取りに先立って受信側のリクエストにより送信側がDTCP対応の機器であるかどうかの認証を行う。非対応の場合はコピーできない。

認証には大別すると『完全な認証』と『限定された認証』がある
限定された認証ではコピーワンス、ノーモアコピー属性のコンテンツのみ扱える
D-VHS機(ハイビジョンデジタルレコーダー)が可能な認証はこの限定された認証のみである。
完全な認証が通ればネバーコピー属性のコンテンツも扱える。これはILINK付きTV等録画機能を持たない機器だけ可能である。限定された認証は6秒以内に完全な認証は30秒以内に認証されると想定されている。
完全な認証時、受信側は機器証明書を送り、送信側は証明書の検査とSRMの検査を行う、限定された認証時には、機器証明書の検査やSRMの検査は行われない。但し送信側がBSDチューナーなどの完全な認証をサポートしている場合には機器証明書の検査やSRMの検査は行われる。これをエンハンスド限定認証という

認証の具体例

機器 接続 機器 認証内容
BSDチューナー ilink付TV 完全認証、機器証明書、SRM検査有
BSDチューナー D-VHS機 エンハンスド限定認証、機器証明書,SRM検査有
D-VHS機 D-VHS機 限定認証、機器証明書、SRM検査なし

どの種類の認証も3種類の暗号化鍵の計算を抱合する
認証鍵ー交換鍵の暗号化に使用される
交換鍵ーコンテンツ保護の管理とセットアップに使用
コンテンツ鍵ー交換鍵から作成され、コンテンツの暗号化に使用
完全な認証の場合、公開鍵暗号の一種である楕円曲線暗号(160bit)を用いておりこれは1024bitのRSA暗号と同等の強度を誇る

DTCPの他にD-VHSが対応しているコピーコントロール技術にCGMS-A(Copy Generation Management System−Analog)がある。これはビデオ信号に複製制御情報を埋め込むものでデジタルWOWOWなどが採用している。CGMS-A対応のコピーワンスコンテンツの場合BSDチューナーのILINK出力でなくアナログ出力をD-VHSに接続して録画した場合ビデオ信号から複製制御情報を読み取りノーモアコピーの属性を付けてエンコードされテープに記録される。ilink接続のダビングは勿論アナログ接続でもダビングは出来ない。S-VHSなどのCGMS-A非対応機の場合はアナログダビングは可能

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