Written by Tetsu
彼の紅き血は通わず厳冬の闇に花開く白椿かな
幾千の眼差し集めて一瞬を満天の月と祈り置きたり
花鏡散り往く時の前に立ち花を映せる吾ならまほし
朱雀さん作『独口』への返歌
種子なきことのみ散りて老い往きし花の根色を誰そ知るらむ
朱雀さん作『竹想花伝』への返歌
仄かなる天河を渡る花筏おもひ添へゆく風の形象
☆彡
残し置く身もあるまじとおもひしが蜥蜴も花もそこにあるらし
朱雀さん作『曲水』への返歌
あじさいの花を訪ぬる蝸牛失せにし後を色にこそ見よ
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とこしへの和に降り来る言読の風賑わしきやまとし思ほゆ
早苗立つ畔に宿りて色を移しやがて風待つ柔らかき魂
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雲底に虹を抱えて湧き立つる大氣と吾は共振して在り
☆彡
朝顔の影に迫り来る雲の影うつつの事象を写す壁かな
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この年をななとせ先に伝え置き時雨れて夏に落ちる蝉
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遥々と老魚の墓を尋ね来て吾知る汝知る海こそ詩なれ
大路より入りて雲立つ香に踏み迷い「何処へ」と立つ鳥の羽音 ☆彡
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