2009年10月31日(土)13:00〜

所 在 地  徳島県那賀郡那賀町坂州字広瀬32 
神社名称  坂州八幡神社
建築規模  間口12m、奥行き2.9m、面積49.8u
建築年月  1791(寛政3)年上棟。1898年改築。

舞台形式  平舞台式人形舞台


徳島市と高知市を結ぶ国道195号線を車で約2時間。出合トンネルを抜けて国道193号線に入り那賀町役場木沢支所から5分。坂州八幡神社境内に目的の「坂州農村舞台」があります。

江戸時代に建築された舞台として、1998年に国の重要有形民俗文化財に指定されています。江戸時代の建築手法や人形芝居を今に伝える建築物です。
赤い屋根がモダンな坂州農村舞台 御祭神は品陀和気命
(ハンダワケノミコト)
坂州農村舞台の特徴
人形芝居をするときには、舞台全面の蔀帳(ぶちょう)と呼ぶ長さ8.5m、高さ1.2mの板戸を倒して舞台を拡張し、先端に雨戸を並べて手摺とします。

阿波系平舞台式人形舞台の代表で、内部には二つの囲炉裏と一対の大臣柱を設け集会やカラクリの襖立てに利用します。

上手に突き出した太夫座は舞台と客席を同時に見られるように工夫された独自の構造を持ち、長尺の蔀帳と共に地域的な特徴となっています。

なお、この舞台は、軒を支える構造に社寺建築の手法が見られたり、両妻の柱筋にオトシコミ工法と呼ばれる特殊な工法が用いられたりするなど、建築学的にも注目されています。

◎恵比須舞: 木沢芸能振興会
明治末期に設立された振興会は、過疎高齢化により、休眠状態が続いていましたが、3人の若者の加入により、活気を取り戻し、活動を再開しました。

「消えかけた郷土芸能の火を消すまい」との情熱に観客も懸命の拍手を送る、心温まるシーンでした。
◎千畳敷:坂州若連中
坂州では20〜40代の男性氏子が「若連中}を組織し、お祭りの準備と運営を取り仕切ります。
30枚程のふすま絵を使い、千畳敷にも変化させるカラクリ機構の仕掛け作り14〜15人
がかりで6〜7時間はかかる難しい作業だそうです。
◎傾城阿波の鳴門:鳴門座 
◎恋女房染分手綱:鳴門座 

鳴門座は、昭和57年設立の座員11名のグループです。
「傾城阿波の鳴門」のほか、「恋女房染分手綱」「艶容女舞衣」を得意演目としています。

今回使用の「お弓」「おつる」の首(かしら)は日本を代表する文楽人形師、四代目大江巳之介さんの作だそうです。

文楽人形の首の9割が巳之介さん作だと言われる中で阿波木偶は珍しいのでは・・・。

・・・品のある美しいお弓がそこにありました・・・

「恋女房染分手綱」の首は現在徳島で活躍する人形洋こと、甘利洋一郎さんの作品だそうです。

徳島県には、全国で最も多くの人形浄瑠璃の団体が活躍しています。また、人形をつくる人形師は、徳島以外にはほとんどいないのが現状です。さらに、人形芝居用の農村舞台が全国一多く残っているのも徳島です。

一口に農村舞台といっても舞台ごとに周辺環境が異なり、森の中にひっそりと佇む舞台もあれば、坂州のように集落のすぐそばにあって、コミュニティスペース色の強い舞台もあります。

また、同じ舞台であっても、季節によって様々な表情を見せてくれることも、大きな魅力の一つといえます。

好天に恵まれ紅葉真っ盛りの那賀奥で、地元の皆さんが準備してくれた山の幸満載の遊山箱を広げての浄瑠璃鑑賞。身も心も癒された一日でした。


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