消えていったお菓子

エチオピア饅頭

 エチオピア饅頭は、高知県野市町の「近森大正堂」で作られていたお菓子です。高知県民には広く知られた お菓子でしたが、2013年に3代目が亡くなり製造中止となりました。(本プロジェクトが見つけたときには、 タッチの差で廃業していました。)

 名前の由来は、1930年代にイタリアがエチオピアに攻め込んだ第2次エチオピア戦争で、装備劣勢のエチオピア 軍がイタリアを撃退したことに感激した初代当主が、それまで作っていた「のいち饅頭」を「エチオピア饅頭」 に改名したのが始まりです。いかにも熱い「いごっそう」らしいエピソードではないでしょうか!?

 野市町は黒糖の産地で、「エチオピア饅頭」も生地が黒糖風味のお饅頭でした。野市町民のソウルフードとして 愛されていましたが、店主が亡くなり、奥さんが「将来にわたって味を守り続けるのは難しい」と閉店を決断しました。 閉店はテレビ・新聞も取り上げ、地元の一大ニュースになったようです。フェイスブック上では、「エチオピア饅頭 の復活を切望する会」のページもできており、今でも見ることができます。

バカヤローまんじゅう

 バカヤローまんじゅうは、高知県宿毛市にある「浦田菓子舗」さん(昭和22年創業)が作っていた黒ゴマ風味 のお菓子です。

 名前の由来は、バカヤロー解散で有名な吉田茂首相のお父さんが宿毛出身ということで、それに因んで名づけた そうです。先にご紹介したエチオピア饅頭といい、このバカヤローまんじゅうといい、思いついたら我が道を行く ネーミングは、高知の「いごっそう」の面目躍如ですね。

 ですが、浦田菓子舗さん、昨年4月に閉店。お子さんが跡を継がず、72歳の店主が元気なうちに店を閉める 決心をしたそうです。