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2019年2月5・12日

 ミラーレス一眼の大きな特徴は、フランジバックが短いから各種アダプターを介せば過去のさまざまなレンズが使えることだと力説していたら、写真仲間から、もうひとつあるよといわれたのです。 それは何かというと、顔認識と瞳認識のAFなのです。確かに一眼レフカメラにはなかったのですが、コンパクトカメラがデジタルになった頃から、顔認識AFはありましたし、認識能力が高まり複数の人が可能になり、笑うとシャッターが切れるなどといろいろでしたが、ポートレイトを本格的に撮るカメラマンにとっては、瞳にピントを合わせるのはプロの腕であり、一眼レフの時代から至難の業だったのです。 先日も学校写真を撮っている女性カメラマンの方が「これからはやはりミラーレスですよね?というのです。よく聞くと人物を撮っていると、顔認識や瞳認識AFが戦力になるのではというわけです。確かにそうかもしれませんね、特定の人物だけにピントを合わせるように記憶もできるようですし、顔だと認識したらその部分だけ美肌効果が働く機種もあるようですよ、と答えましたが彼女は真剣でした。  ミラーレス一眼も第2ラウンドを迎えたなと思わせたのは、昨年9月のフォトキナの時点でソニーは瞳AFの対象をペットの犬・猫・鳥、さらにはライオンのような大動物にまで広げるために開発中と予告したのです。このあたりはプロを含めて希望が多かったというのですから、カメラに対するユーザーの要求も徐々に細分化したきたのです。  ところが、その時期フルサイズミラーレスに参戦した、ニコンZ7・Z6は瞳認証はなく、キャノンEOS Rにはあったのです。どうしてないのかなと考えたくらいで あまり気にしてませんでしたが、一部のユーザーは購買意欲を大きく削がれたかもしれません。ところが1月8日にラスベガスで開かれたコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)で、ニコンはZ7・Z6をファームウエアアップで瞳AFに対応させると発表したのです。なぜ最初からアナウンスしなかったのだろうかと思いましたがあきらめていた機能が後から入るということは、大いに歓迎すべきことです。まさにデジタルならではのカメラの進化なのです。  そこで、フルサイズミラーレスとして先行していたソニーα7RHと、新しく加わったキャノンEOS Rの顔認識と瞳認識AFを使ってみました。人物撮影には大変便利な機能で、どちらがいいということではありませんが、ソニーとキャノンでは瞳をとらえる範囲が異なり、その動作も違うのです。動物の瞳を認識することなどを含めて、まだまだカメラの画像認識技術は進化するでしょう。  冒頭に戻りますが、実はミラーレスになって一番変わったのは、画像認識異能が加わり、露出、AF、測色などすべてが撮像素子依存になったことです。ゆくゆくはシャッターも全面的に撮像素子に依存するようになるはずです。                 (週刊カメラタイムズ 筆者・日本カメラ博物館)

 

2018年9月6日

 キャノンは5日、ミラーレス一眼カメラの新製品「EOS R」を発表した。同社のミラーレスとして初の高級機種となり、10月下旬に売り出す。主に上級者に対し、画質の良さをアピールする。小型、軽量で高性能なミラーレスは市場が拡大しており、販売を強化する動きが相次いでいる。  新製品は「フルサイズ」と呼ばれる大型の画像センサーを内蔵したほか、新開発の専用レンズを用意した。店頭価格は税抜きで23万7500円前後を想定している。  東京都内で開いた発表会で、真栄田雅也社長兼最高執行責任者(COO)は「フルラインアップの品ぞろえで消費者に応えたいと語った。         一眼レフを得意とする同社は2012年にミラーレス市場に後発で参入。これまでは需要の食い合いを恐れ、入門機種を中心に発売してきた。  ただ最近は一眼レフの需要が収縮する一方、ミラーレスの好調ぶりが目立ち国内出荷台数は18年に一眼レフを上回る可能性も出ている。このためニコンが今秋、3年ぶりにミラーレス市場に再参入するほか、ソニーなども高価格帯の品ぞろえを拡充しており、競争が激化している。(四国新聞 経済)

 

2018年8月24日

 ニコンは23日、ミラーレス一眼カメラの新製品2機種を3年ぶりに発表した。昨年に生産を中止したが、手軽に本格的な写真が撮れるミラーレスの人気が高まり、市場が拡大していることから再参入する。一眼レフに強いキャノンも今年から攻勢をかけており、競争が激しさを増しそうだ。  発売するのは「Z7」と「Z6」。大型画像センサーを搭載し、画質が優れている。主にプロや上級者向けの機種で、Z7の店頭価格は44万円前後を想定。9月下旬から売り出す。Z6は27万前後で、11月下旬に発売する。  都内で開催した発表会で、牛田一雄社長は「当社の優れた光学技術を生かし、(ミラーレスで)新たな価値を生み出したい」と話した同社は経営不振により一眼レフの開発に注力するため、ミラーレスの生産から撤退したいた。  ミラーレスはカメラの内部に反射鏡がなく、小型・軽量化できるのが特徴。一眼レフに比べて持ち運びやすいので、とくに女性に人気だ。コンパクトカメラがスマートフォンび押され低迷する一方で伸長が目立ち、販売強化の動きが相次ぐ。キャノンは3月に一眼レフの人気シリーズ「EOS Kiss」で初めてミラーレスを投入した。高い市場シェアを持つソニーなどとの競争は一段と激化しそうだ。(四国新聞 経済)

 

2018年4月15日

 スマートフォンで写真を撮って会員制交流サイト(SMS)に投稿する人は多いだろう。一方、旅行やレジャーでの記念撮影には、小型・軽量で高画質の写真を撮れるコンパクトデジタルカメラが根強い人気だ。メーカーは高機能で特徴ある商品を売り出している。  パナソニックが3月発売した「ルミックスDC-TX2」は幅広い範囲を撮れる広角から、遠くの被写体を大きく写せる望遠までカバーする15倍の高倍率ズームレンズを搭載している。広角では被写体に3㌢まで近づいて撮影できるので、小さな草花などの細かい部分も鮮明に映せる。店頭想定価格10万8千円前後。  キャノンが2017年11月発売した『パワーショットG1マークⅢ」は、一眼レフに使われているのと同じ画像センサーを採用した。3倍のズームレンズを搭載。風景などの背景をぼかした写真を撮影できるという。従来機種に比べ重量を27%軽量化し、体積を16%減らして持ち歩きやすくした。店頭想定価格12万円前後。   オリンパスの「タフTG-5」は防水性や衝撃に対する耐久性を高め、海や山のレジャーで安心して使える。レンズの性能を高め。水中の暗い場所でも動きのある被写体を鮮明に写すことができるという。衛星測位システム(GPS)や気圧温度などのセンサーを備えており、撮影時の状況を画像と一緒に記録できる。店頭想定価格5万5千円前後。                           (四国新聞 生活経済)

 

2018年3月2日

 カメラのメーカー各社がミラーレスカメラの新製品を相次いで投入し、競争が激化している。小型軽量と高画質を両立しているのが特徴で、写真共有アプリ「インスタグラム」にきれいな写真を投稿したい女性にも受けて完売は好調だ。スマートフォンの普及で縮小しているデジタルカメラ市場だが、ミラーレスがけん引して2017年の出荷台数は7年ぶりに前年比でプラスに転じた。            横浜市で1日から開かれた国内最大のカメラ展示会「CP+(シーピープラス)でもミラーレスをアピールするメーカーが目立った。キャノンは一眼レフカメラの主力ブランド「EOS Kiss」から、初めてミラーレスの新製品「EOS Kiss M」を打ち出した。撮影した写真を自動でスマホに転送する機能を搭載し「インスタ映え」にこだわるファミリー層をターゲットにする。キャノンマーケティングジャパンの坂田正弘社長は「シェア1位を取っていきたい」と意気込む。                 ソニーは高性能ミラーレス「α7Ⅲ」を23日に発売する。一眼レフと違ってシャッター音を消せるため静かな環境での撮影に向いており、「プロでもミラーレスを使う人が増えている」(担当者)という。富士フィルムも、手ブレ補正機能を強化しボディーの耐久性を高めた最上位機種「X-H1」を1日に発売した。一眼レフからの買い替え需要を取り込みたい考えだ。  カメラ映像機器工業会によると、校内メーカーの17年のデジカメ出荷台数は前年比3・3%増の2497万台となった。こうのうちミラーレスは29・2%増と大幅に伸びている。大きなシェアを握るオリンパスや出遅れたニコンを含め、成長分野を巡り各社のせめ合いが続きそうだ。(四国新聞 経済面)

 

2017年5月21日

 写真家だけでなく、希望した場所にカメラマンが同行する出張サービスが人気だ。家族や恋人との何げない日常を良質な写真で残したいとの需要があるほか、活躍の場を求めるカメラマンが増えているいるため。スマートフォンで気軽に撮れる写真とは一味違う、思い出の一枚の残し方に今後も利用が広がりそうだ。  紹介サイトを運営する「アワーフォト」(東京)は、プロやアマチュアのカメラマン約200人が登録し、家族のお出かけや卒業式などの撮影で出張する。腕前が分かるように過去の作品や経歴をホームページ上で公開し、利用者は気に入った相手に連絡して日程を調節できる。価格は50分6480円から。キャノンマーケティングジャパンが「カメラの良さを再認識してもらう機会」と出資している。 出張サービスを手掛ける「ラブグラフ」(東京)が派遣を受け付けるのは若いカップルだ。国内のほか台湾やハワイなど海外のカメラマンも登録し、毎月計数百組の利用がある。観光案内をしながら写真を撮るサービスも検討中という。価格は交通費別で9800円から共同創業者の村田あつみさん(25)は「思い出のぜいたくな残し方として若者に定着すればうれしい」と話す。  家族写真などを撮る「ピクスタ」(東京)や婚礼写真に特化した「ファマリー」(同)といった会社もあり選択の幅が広がりそうだ。 (四国新聞 経済)

 

2016年12月15日 

 若手写真家の登竜門である賞を運営し、作品発表の貴重なスペースを提供してきた「コニカミノルタプラザ」(東京都新宿区)が来年1月23日に閉館する。関係者は、60年以上の歴史の灯が消えることを惜しんでいる。  小西六写真工業(後のコニカ)が1954年、東京・銀座で「小西六フォトギャラリー」を開設したのが始まり。93年にはJR新宿駅東口に移転、三つの独立したギャラリーを持つ現在の形となり、2003年にミノルタと経営統合で「コニカミノルタプラザ」となった。  1990年に始まった写真奨励賞(後にコニカミノルタフォト・プレミオと改称)は、年間12~18人の入選者で写真展を開き、大賞には100万円を贈るなど、若手写真家の目標となった。近年中国人留学生や英国、米国の若手写真家も入選した。  同プラザで最後の特別企画展を開催した水中写真家の中村征夫さんは「新宿東口のすぐ近くだし、新人、若手を発掘できる場だった。写真界にとって大きな痛手」と閉館を惜しむ。  「コニカミノルタプラザは間違いなく私の原点。フォト・プレミオを最初の目標として取材を進め、初めての個展を開いたのは大学卒業前だった」と語るのは、1987年生まれの写真家安田菜津紀さん。「自分よりも若い写真家や学生に『いい目標になる』と応募を勧めていた。私自身、もう一度ここで展覧会を開くことを夢見ていただけに、閉館は本当に残念」と話している。  コニカミノルタプラザは閉館決定について「2006年のカメラ・フォト事業修了から10年が経過し、文化・芸術への貢献の役割は十分に果たした」と説明している。                                 (四国新聞 文化・生活面)

 

2016年5月30日

 かっては敬遠された遺影の生前撮影や、結婚式の前に新郎新婦を撮る「前撮り」。携帯電話の中のスナップや、ブログに投稿された「自撮り」。島原学「写真のなかの『わたし』」(ちくまプリーマー新書・994円)が取り上げるのは、身近にあるポートレートだ。  「プリクラ」もその一つ。近年は機械からソーシャルメディアで共有して楽しむ。写真が不特定多数の目に触れることで、プリクラはコミュニケーションツールから、画像修正によって理想の「私」を描き出す装置と化した。  美しくなった「私」は、写真のデジタル化とインターネットの普及がもたらしたものだ。写真は「撮る」「撮られる」「見る」の全てにおいて、誰もが参加できるメディアだ。その中心ともいえるポートレートは、技術の発展や社会状況と相まって、私たちの生活や振る舞い、アイデンティティーにまで影響を及ぼす。 中でも、デジタル化とネットの影響は大きい。SNSには膨大の数の写真が日々投稿されている。もしそれがデータでなく現物だったら?と子供っぽい想像をしたくなるほどの数字だ。  一方、現実のモノとしてのポートレートの存在意義を思い知らされたのは、東日本大震災の報道で見た家族写真だ。倒壊した家屋に残された見知らぬ他人の肖像に、家族というものの営みの歴史を読み取ったのは、私だけではないはずだ。  著者がポートレートへの関心を深めたきっかけも震災だった。被災地での写真修復に大勢のボランティアが集まったのは、個人を超えた「現代社会の自画像」たるポートレートの役割を、人々が信じているからだろう。  ポートレートがいかに時代を物語ってきたかを深く知るには、2007年刊行の多木浩二「肖像写真」(岩波新書・756円)もお勧めだ。           (四国新聞 文化・生活面 ライター 近代ナリコ)

 

2015年7月14日

 コンパクトデジタルカメラの高級化が進んでいる。カメラ内蔵のスマートフォンと激しい競争をしているメーカー各社は、高画質や防水など「高機能化」で違いを打ち出すことに躍起で、販売価格も上昇している。 レンズ交換式カメラは写真愛好家から一定の需要が見込まれる一方、コンパクトは手軽に撮影できるスマホの普及に伴い、減少傾向が顕著だ。 カメラ映像機器工業会によると、コンパクトの国内外への出荷はピークの2008年に約1億1千万台で、2015年は2170万台減る見通し。一方、平均出荷価格は12年に底を打ち、その後は上昇傾向が続いている。 ソニーは7月末以来、動画機能を強化したサイバーショットの「RXシリーズ」2機種を発売。業務用ビデオカメラで培った技術を活用し、2秒の動きを80秒のスローモーション映像で記録できる。4K動画にも対応した。価格は13万~17万円程度を見込む。 キャノンは、雨やほこりに強い「PowerShot G3 X」を6月に発売。山や森などのアウトドアに最適で、光学25倍のレンズも搭載した。キャノン通販サイトでは11万5344円で販売している。 ニコンの牛田一雄社長は「毎日すごい数の映像がインターネットで共有されている。映像事業には未曾有の機会だ」と語り、デジタルカメラの再成長に期待している。           (四国新聞 経済面)

 

2015年5月19日

 スタジアムの天井に設置したクレーンや、フィールドの端に置かれたロボットアーム。その先端に固定された一眼レフカメラが、アスリートの一挙一動を追う。会場内のカメラマンが追う選手に複数の無人カメラも連動し、ゴールの決定的瞬間にあらゆる角度からシャッターを切る。2020年東京五輪でメーン会場となる新国立競技場では、こんな光景が現実のものとなるかもしれない。  カメラ大手ニコンは、英ロボットメーカーのマーク・ロバーツモーションコントロール(MRMC)と共同で新たな撮影技術の開発を進めている。会場内のカメラマンが構えたカメラの動きと連動し、会場内に設置した10台程度の無人カメラがさまざまな角度から、被写体を追う。  フィールドを離れたカメラマンが、プレスルームから無人カメラをコントロールすることもできる。すでにテニスのウィンブルドン選手権などでは運用され始めている技術だ。  またキャノンは、一丸レフカメラで撮影したフルハイビジョンの4倍の解像度を持つ「4K」動画から、A3判サイズまで十分引き伸ばせる写真(最大役800万画素)を取り出す技術を持つ。さまざまなアングルで撮影した映像から、最高のシーンを取り出すことも可能。フィールド外における。因縁の対決は新たなステージに向かいつつある。               五輪やサッカーワールドカップ(W杯)、陸上世界選手権など国際的なスポーツイベントで、カメラブースにずらりと並ぶ白と黒の望遠レンズ。「白」のキャノンと「黒」のニコンによる日本勢2強のシェア争いは、「白黒戦争」と表され、世界の報道カメラマンから注目を集めてきた。  各国から数千人に及ぶスポーツ報道カメラマンが集まる過去の五輪では、双方が自社の優位を主張している。自社カメラのシェアについて、08年北京五輪ではキャノンが「60%弱」、ニコンは「ほぼ半分」と主張。12年ロンドン五輪ではキャノンが「60%前後」、ニコンは8競技64のカメラ席の報道陣を調べた結果、「平均で6割、会場によっては7割がニコン製だった」と双方が勝利宣言した。冬季五輪でも14年ソチ五輪ではキャノンが「約65%」、ニコンが「はぼ半数」と主張するなど、両社は熾烈なシェア争いを繰り広げている。  商品開発もこうした大舞台を視野に行われる。ニコンは北京五輪向けに高感度での撮影に強い「D3」を発売したほか、14年のブラジルW杯に向けて、焦点を合わせる時間を短縮し、画質を改善した最上位機種「D4S」を投入した。  キャノンもロンドン五輪前に、動きの激しい被写体を精密に補足する「EOS-1DX」を発売するなど、スポーツイベントは技術開発の原動力にもなっている。 数々の五輪取材を経験した報道カメラマンは「両社とも、五輪開催前に投入する戦略機種の技術革新には驚かされる。『白』にするか『黒』にするか、4年ごとに難しい判断に迫られる」と打ち明けた。 両社の技術競争は、カメラ本体だけなく、白黒を象徴する望遠レンズでも繰り広げらられる。    キャノンは、手狭な撮影スペースで協議中にレンズ交換する負担を減らそうと、ソチ五輪を前にした13年5月、簡単なレバー操作で望遠と超望遠を切り替えるレンズを世界で始めて開発した。  一方のニコンは望遠レンズを小型・軽量化し、カメラマンの身体的な負担を軽減する技術開発を急ぐ。今年1月には、これまでより約0.5キロ軽い焦点距離300ミリの望遠レンズを発売した。 「現状では1種類しかないが、ラインナップの追加やさらなる進化も検討中」(中山正・執行役員映像事業部マーケティング統括部長)といい、今秋はさらに焦点距離の長いレンズなども開発する考えだ。  売上高だけみれば、プロの報道カメラマンが使う最上位機種が全体に占める割合はわずかだ。ただ、こうしたプロの評価は、アマチュアカメラマンら消費者の購買行動に大きな影響を与える。日本の2大メーカーが世界市場で圧倒的な強さを誇るのは、プロの評価に磨かれた高いブランド力が背景だ。  キャノンイメージコミュニケーション事業本部の大原経昌副事業部長は「プロのカメラマンからは、オートフォーカス性能や画質などに優れ、少しでも多く、満足できる写真が撮れる機材を常に求められる。開発にゴールはない」と話す。  世界最大のスポーツの祭典は、自社の製品を全世界にアピールする絶好のチャンスだ。「白黒戦争」は、日本が誇るデジカメにさらに磨きをかける試金石でもある。           ( 産経新聞 総合面 那須慎一)

                

2015年2月7日

 キャノンは6日、デジタルカメラ13機種を19日から6月にかけて売り出すと発表した。同社が同時に発表する機種数として最多となる。初心者向けから高性能機種まで幅広い品ぞろえを強調し、コンパクトカメラを中心に影響を受けているスマートフォンに対抗する。  商品を販売するキャノンマーケティングジャパンの川崎正己社長は東京都内で開いた発表会で「良い写真を撮りたい需要はある」と、カメラの復権に意欲を見せた。  高画質デジタル一眼レフカメラ「EOS 5DS」は約5060万の画素数を備える。6月の発売で、キャノン通販サイトの価格はボディーのみで46万8千円(税抜き)となる。   ピントの機能が向上したミラーレスカメラ「EOS M3」は3月下旬発売で5万6800円(レンズ別)。動画撮影の手ぶれ補正を強化したコンパクトカメラ「PowerShot SX710 HS」は2月19日発売で3万8800円。  メーカーで構成するカメラ映像機器工業会(東京)によると、2014年のデジタルカメラの国内外出荷台数は前年比30.9%減の4343万台だった。                      (四国新聞 経済面より) 

 

2014年12月22日

 もうすぐクリスマス。家族や友人と過ごす特別な夜。キャンドルライトをその場の雰囲気通りに撮るテクニックを紹介したい。最大のコツは「ストロボを使わないこと」だ。 ロウソクや灯篭の明かりだけを頼りに取材することは少なくない。天災や事故の追悼行事などが多く、現場では、明かりに込められた「思い」が読者に伝わるよう心掛けている。 光源が暗い場所の撮影で注意するのは露出。ロウソクに合わせると周囲が暗くなるので。プラス2段前後の補正が必要になる。ISO感度は、暗さに強い高めの設定で。最近はISO3200以上の高感度撮影も可能なデジタルカメラが多い。しかし、高感度では画質が落ちるので注意が必要だ。 ホワイトバランスは「オート」や「太陽光」「日陰」など、設定を変えて試すのも効果的。暗い部屋ではシャッター速度が遅くなるので、三脚を使ってブレを防ぐのが理想だ。手持ち撮影でブラさないためには30分の1くらいが下限で、望遠撮影は避けたい。広角を使って連射機能を使うことが、きれいな写真への近道になる。                 (産経新聞 写真報道局 奈須稔より)

 

2014年12月22日

 時代とともにカメラは、フィルム式からカメラとフィルムが一体となった使い切りへ。そして、現在のデジタルカメラが登場した。今では撮った写真をすぐに見るのが当たり前だが、ひと昔前は画期的だった。 オートフォーカスとデジタル化が当然の時代だ。そして、今やカメラは携帯電話だ。特に、スマートフォンのカメラ機能は際立って良くなった。画素数も多く、オートフォーカスや手振れ防止機能も普通のデジカメに負けていない。「ゴメン、この写真良くない。もう一枚撮ろうか」 シャッターを押した僕は、謝りながら友人にスマホを返した。光の確度のせいか全体的に暗い写真を見ながら、何度かスマホのボタンを押して僕に見せた。 なんと、暗かった写真が明るくなっている。「補正機能が付いてるんだよ」。ボタンを押すと、写真は明るくなったり暗くなったり、色合いを変えていく。 「逆光の写真も少しは補正できる」という。「そんな機能、僕のスマホには付いてないぞ」。友人は「ちょっと貸して」と、スマホを取ると、写真のアプリを押した。現れた写真の「編集」を押すと、下にいくつかの記号が並ぶ。 確度を変える。自動補正。フィルターを選択、赤目補正。トリミング。僕にはちょっと難しい機能だ。(中略)「このほかに、いろんな無料アプリがあるんだ。写真の色調を変えるだけだけなく、加工することもできるし、数枚の写真を組み合わせることもできる」 極めつきは、写真に吹きだしを付けて文字を書き込むこともできるという。「笑って」。突然、僕にスマホを向けてパチリ。「送っておくよ」。友人の言葉と同時に僕のスマホが鳴った。メールの着信。メールには僕のにやけ顔の写真が添付されている。 フィルム時代では考えられないカメラ機能を備えたスマホは、まさにハリー・ポッターの魔法の杖だ。 年の瀬、写真付き年賀状を作る人も多いだろう。お正月には写真を撮る機会も増える。自分独自の写真を撮って、最高の状態に加工する。そして、これはと思う人に贈るのも、ただ送るのも、楽しい。何かが生まれるかもしれない。まさに、新しい年と夢を運んでくれる。(産経新聞 デジタル音痴の電脳生活 高嶋哲夫より)

 

2014年12月11日

 結婚式や職場の歓送迎会、子どもの入学式に卒業式。数えてみると、記念写真を撮る機会って意外と多いですよね。仕上がりを見てがっかりしたことも、これまた結構多いのではないでしょうか。「私こんなに太かったかしら?」「なんだか疲れ顔だわ」って。そこで、記念写真で失敗しないためのキレイに写るコツをご紹介します。名付けて「フォトジェニックヘア」です! ポイントは二つ一つは小顔に見せること。もう一つはスッキリ明るい印象を与えることです。 まとめ髪ですが、まとめ上げたトップ(頭頂部)にボリュームがあることで錯覚効果が生じ、顔が小さく見えます。少し顎をひくことも小顔に写るポイントです。 トップのボリュームが小さいと、その分顔の下半分がワイドに感じます。さらに顔周りの後れ毛が疲れた印象を与えてしまいます。顔を隠そうとして後れ毛を垂らすと影ができ、写真では寂しい印象を強めてしまいます。 無造作なヘアスタイルは時間がたつと崩れがちで、いざ写真を撮るときにはボサボサなんてことも。 顔にかかるようなルーズなヘアスタイルより。スッキリ顔を出すほうが断然お勧めです。 また、黒系の服より白やベージュなど明るめの色の方がレフ板効果で肌写りが良くなり、明るい雰囲気に見えます。最後にヘアスタイリングのポイントです。まとめ髪などをする際、スタイリング剤を襟足ともみ上げにしっかり付けることが重要です。襟足ともみ上げがルーズだと、やつれた印象を与えてしまうので注意が必要です。                  (四国新聞 資生堂ヘア&メーキャップアーティスト・神宮司芳子より)

 

2014年12月2日

 自分の人生をより良く締めくくるため、準備しておく「終活」の一つとして、プロカメラマンによる「遺影」の撮影会が人気を呼んでいる。遺影はその人の人生を表すもの。「自分らしい一枚を残したい」と願う人が増えているようだ。 葬儀の際、生前親しかったりお世話になった人たちを迎える遺影写真。葬儀の後は仏壇などに飾られ、家族が故人をしのぶ大切な一枚となる。しかし、突然亡くなった場合などは、遺族が急いで探し出したものを葬儀社が遺影用に加工することも多い。 「父親が急に亡くなったとき、遺影用の写真を探す荷が大変だった。自分のときは子供に迷惑をかけたくないのいで」と生前に自分で遺影を用意する理由を語る。 女性はお気に入りの服でいつもより華やかに男性はジャケット姿で撮影することが多いという。「遺影はその人の姿として長く残るもの。その人らしさが出る装いをお勧めするようにしています。 積極的に終活に取り組む人が増える中、遺影のトレンドにも変化がみられるようになってきた。かっては礼服姿が定番だったが、最近では和服でもきれいな色が選ばれたり、背景を華やかにしたいという人が増えてきている。「残される家族に迷惑をかけないようにするためのも、事前に撮影する人は増えるのではないか」と分析している。            (産経新聞 油原聡子より)

 

2014年11月10日

東京都、神奈川県の複数の写真館によると、ホームページの証明写真の画像データがダウンロードされて、運転免許証の偽造(顔写真の張替え)に使われているとのこと。金融機関の口座開設や携帯電話の購入契約に悪用されていることが、警察署からの連絡で判明しました。こうした悪用は全国に広がっているそうです。(写真館協会会報より一部抜粋)