IZ-News 06年05月号より
処方箋の書式変更(後発医薬品への変更可欄)

昨年8月(No.44)の本欄で、ジェネリック医薬品(後発医薬品)の使用促進の動きについて述べた。この流れを受け、ご存知の通り、本年4月から院外処方箋の書式が変わって、「後発医薬品への変更可」という欄ができた。患者がジェネリック医薬品の処方を希望した場合、医師がこの欄にチェックを入れれば、処方箋に記載してある薬剤名が先発品であっても、調剤薬局はジェネリック医薬品を調剤することができるという仕組みである。これを代替調剤という。現在、ジェネリック医薬品メーカーはここぞとばかり、値段の安さを強調した宣伝をTVや新聞広告などで行っている。

さて、このような代替調剤導入の背景に政府の医療費抑制政策があるのは間違いない。また、ジェネリック医薬品には、安さという長所ばかりでなく、商品としての信頼性が日本の市場においてまだまだ確立できていないという短所もあり、患者にとっての最善を考えた場合、ジェネリック医薬品使用を手放しで進めれば良いというわけにはいかない難しさがある。

だが一方、今回の処方箋の書式変更には別の側面があることも忘れてはならない。
つまり、代替調剤の仕組みは、処方から調剤にいたる流れを考えてみれば分かることだが、医療上の選択に対する患者本人の参加が処方〜調剤の流れそのものに組み込まれている仕組みなのだ。「患者にとっての最善」を考える時、患者自身が自らの価値観に照らし、自身で選択するということがとても重要であることは論を待たない。

今回新たに設けられた欄は、1×数センチほどのほんの小さな欄にすぎない。だが、この小さな欄は、ともすれば「お任せ」になりがちな医療への、患者本人の参加を進め、医療現場の文化を変える大きな一歩となるかもしれないのである。


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