IZ-News 06年08月号より
医療費明細書発行義務化の先取りとしての医療区分・ADL区分評価票

ご存知の通り、今年の診療報酬改訂(7月実施分)により、医療療養病床では医療区分・ADL区分を用いた新たな点数体系にかわっている。これにともない、7月から厚労省が定めた「医療区分・ADL区分評価票」という帳票が使用されるようになっている。
この帳票は、37項目ある医療区分項目と4項目あるADL区分項目、それに認知機能障害のスコアを加え、患者の状態を日毎に評価し、療養病棟入院基本料算定の根拠を示すものとなっている。そしてこの帳票は、カルテに綴じるとともに毎月患者に交付し、内容について説明しなければならないこととなっている。

さて、ここで想い起こされるのは、今年の診療報酬改訂に向け、中医協で激しく交わされた医療費明細書発行義務化の議論である。この議論は結局、医療費明細書発行については医療機関の「努力義務」ということで、一応の収束を見た。

だが、今回の医療区分・ADL区分評価票を見ると、部分的(入院基本料部分のみ)ではあるが、実質的には医療費明細書発行義務化が実現していることがわかる。厚労省がどさくさまぎれに(?)作ったこの“実績”は、近い将来再発する明細書発行義務化論議のさい、義務化の突破口になるかもしれない。そういう意味では、厚労省に「天晴れ」と言ってやって良いかもしれない。

医療費についてであれ何であれ、患者への情報提供を推進する。このことを拒絶する理由は何もない。と、私は思うのだが……。

参考)医療費の内容の分かる領収書発行の義務付け(湧水06年03月)

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