敢えて希望を語る(2)先月の本欄で、医療経済学者二木立氏の論文「世界の中の日本の医療と今後の医療改革」を紹介した。その中で、氏が医療者の自己改革の重要性について語っていることを述べたが、紙幅の関係で、氏が提唱する医療者の自己改革の内容についてまでは紹介することができなかった。そこで今月はこの点を少し補足しておこうと思う。
二木氏が提唱する、個々の医療機関レベルの自己改革とは、次の3つである。
(1)個々の医療機関の役割の明確化また、個々の医療機関の枠を超えたより大きな制度改革としてさらに次の3つを挙げている。
(2)医療・経営両方の効率化と標準化
(3)他の保健・医療・福祉施設とのネットワーク形成または保健・医療・福祉複合体化(4)医療・経営情報公開の制度化これら医療者の自己改革が、必要と思われる国民医療費の総枠拡大を社会に許容してもらうための条件であり、ひいては危機に瀕しているわが国の医療を守ることにつながるのだと氏は訴えている。
(5)医療の非営利性・公共性を強化する医療法人制度改革
(6)医療専門職団体の自己規律の強化当院に即して考えてみればどうだろう。(1)からは、例えばDPCデータを利用したマーケティング、(2)では、様々なコストマネジメントやクリニカルパス、EBM推進など。(3)だと、地域医療連携や防治会各施設間連携の推進など、様々な課題が浮かんでくるのではないだろうか。こうした活動の積み上げが、医療における品質向上と効率化につながり、地域・社会に対する貢献へとつながっていくと考えられる。
それぞれの現場で、自分たちに何ができるのか、あらためて考えてみたらどうだろう。