IZUMINO-izm 13年07月号より
リスペクトの四位一体

先月の本欄で、個人情報保護研修の講義を行うときに私がいつも「情報へのリスペクト」ということを訴えていると書いた。実は、これには続きがある。「情報へのリスペクト」はWHO(世界保健機関)のウースタン氏の講演で出会った言葉なのだが、ここから敷衍して私の講義では、さらに3つのリスペクトを加えている。それは、次の3つだ。

記録へのリスペクト 情報はカルテなどに記録されなければ、それきりで終わってしまうが、記録され、保存されることによってさらに大きく活用される。精確で過不足のない記録はとても重要である。そうした記録へのリスペクトもまた、重要。
患者へのリスペクト これは説明不要だろう。患者へのリスペクト、すなわち患者の個人としての尊厳に対する畏敬・尊重の念なくして医療はあり得ない。
同僚(スタッフ)へのリスペクト この場合の同僚とは、同職種・異職種を問わず、同じ医療スタッフという意味。 現代医療はチーム医療であり、チームのメンバー間を結びつけるのは情報である。無論、その情報は多くの場合、記録によって介されている。また、チームの求心力とは、患者が直面する問題にともに向き合おうという意志に他ならない。

つまり、「情報へのリスペクト」とこれら3つのリスペクトは、相互に関連し合っている。これを私は「リスペクトの四位一体」と呼んでいる(図参照)。 こんなものは私の勝手な造語に過ぎない。だが、このリスペクトというのは、案外と大事なキーワードではないかと、内心思っているのだ。私は常日頃からこの4つのリスペクトを意識するようにしていて、自身を振り返ったり、他者の振る舞いを評価するさいの基準にしている。「○○へのリスペクトを欠いてはいないか?」という具合に……。もし良ければ、皆さんも一度試してみたら如何だろう?


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