IZUMINO-izm 14年04月号より
DPC調査とデータ提出加算

本年の診療報酬改定について先月の本欄で書かせていただいた(アウトカム改定)。今回もまた改定ネタ。退屈と思われる方もあるだろうが、ご容赦を。
さて、今回の改定点の中であまり目立たないが、実は重要な項目がひとつある。それは「データ提出加算」に係る次の改定だ。

データ提出加算とは、厚労省のDPC調査に参加することによって算定することができる点数。全国のDPC病院(DPCによる1日当包括支払で医療費を算定する病院)にはDPC調査への参加が義務づけられており、データ提出加算が算定できるが、DPC病院以外でもDPC調査に参加し、同加算を算定することができる。

従来はDPC調査の対象病棟は、基本的には急性期の病棟であった。なぜかというと、もともとDPC調査とは、DPCにもとづく1日当包括支払という急性期病院に導入された支払方式が妥当なのかどうかを検証することが目的の調査だったからだ。だが、個々の入院患者について入退院経路、診断名、手術等を含む治療内容、転帰などといった詳細な情報を標準化された形式でもっており、しかも全国の調査参加病院から大量に集まるこのデータの使い道は、単なる支払方式の検証にはとどまらず、臨床疫学などの医学研究をはじめとした広範囲での利用が可能である。

データ提出加算の対象病棟がすべての病棟へと拡大されたことは、DPC調査が上述のもともとの目的を踏み越え、新たな役割が与えられたことを意味する。実は、今年のDPC調査には、調査項目の変更や追加がいくつかあるが、特に目立つのは入退院経路情報の精緻化、入退院前後の在宅医療の有無別など、地域包括ケア関連ともいうべき変更である。このことと、7対1や地域包括ケア病棟等でのデータ提出加算の必須化と併せて考えると、厚労省がDPC調査を地域包括ケア推進などの政策の検証目的に使用しようとしていることは明白だ。

さて、厚労省の目論見がどうあれ、せっかくのデータをわれわれもまた利用しない手はない。DPC調査の対象が全病棟に拡大されたということは、当院にとってもこれまで入院患者の一部しかカバーしていなかった自院のDPCデータが、今後は全入院患者を網羅する悉皆性の高いデータベースにグレード・アップするということだ。工夫次第で有用な統計が色々作成できそうだ。各部門・部署からアイデアを出していただけると有難い。


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