2100年の世界地図 (2)先月の本欄からの続きである。
先月は、人口規模を面積カルトグラムで示した世界地図を紹介し、2100年にはアフリカの存在感が今よりも格段に増すことを示した。一方、「2100年の世界地図※」には、世界各国のGDPを同様に面積カルトグラムで描いた図も載っている(左図上・略)。こちらは2014年時点の現状を示したもので、2100年の予想は示されていない。とはいえ、人口規模のカルトグラムとは対照的に、アフリカの小ささが際立つ。もうひとつ、本書ではとても興味深い図表として、世界の所得分布について、近年の変化を描いたグラフが示されている(左図下・略)。これを見ると、ここ四半世紀の間に、世界各地で富裕層、中間層、貧困層がどのように増減しているかが窺えるのだが、サハラ以南アフリカはやはりグラフの重心が左方向(=貧困方向)へ移っている。もっとも、「インドと中国を除くアジア」(=日本も含まれる)も同様の傾向だ。
こうした状況をふまえ、峯氏はアフラシア(=アフリカ+アジア)が今後2100年に向けて歩むシナリオとして、分裂と収斂の二通りを想定している。分裂とは、アフラシア内部で勝ち組と負け組が生じ、格差が拡大するシナリオ。収斂とは、より平等で水平的な関係が構築されるシナリオだ。そしてこう述べる。アフリカとアジアはいずれもかつて西洋世界からの侵略と植民地支配に晒されてきたという、共通の経験を持つ。アフリカとアジアの内部において、「かつての西洋人のように」傲慢に振る舞ってはならないという原則を確認するべきではないか、これがアフラシアを結ぶ共通の理念たり得るのではないか、と。なるほど納得である。
※)峯陽一:2100年の世界地図、岩波新書、2019年