IZUMINO-izm 22年06月号より
鳥の声を聴く

当院周辺の山々からホトトギスの声がよく聞こえてくる季節となった。テッペンカケタカとかトッキョキョカキョクというホトトギスの「聞きなし」について、ずいぶん以前の本欄(2011年5月)で書いたことがある。聞きなしとは、動物、ことに鳥の鳴き声を人の言葉に当てはめて聞くことだが、これがとても面白い。代表的な鳥の聞きなしを下表に示す。

1)2)3)は誰もが知る聞きなしである。4)などは、鳥の生態と聞きなしとがマッチしていて面白い。5)6)はなかなか風流。7)8)は、何か英語のようである。9)10)は少しやかましい感じ。11)12)は生々しいというか、なんというか……(^_^;)。そして、わが高知県の県鳥である13)。この聞きなしにはある由来がある。昔、宿毛にある老人が暮らしていた。白ペン・黒ペンとは、その老人が飼っていた2匹の愛犬の名である。ある日、山で大蛇に出会い、犬たちは老人を守ろうと大蛇と戦い、敗れて死んだ。老人は大蛇を討ち、河原に葬ったのだが、やがて河原に白ペン・黒ペンと鳴く鳥が現れるようになった。ヤイロチョウは、2匹の犬の生まれ変わりというわけだ。


さて、このように見て改めて思うのだが、動物や鳥の声を人の言葉のように聞きなし、耳をすます文化、そしてそうした生活を送ることができるということはなんと幸福なことか。かたや彼の地では、砲撃の音に日々怯えねばならぬ暮らしがある。彼の地の人々の困難に想いを馳せながら、このささやかな幸福を噛みしめるのである。

1)ウグイスホーホケキョ
2)カッコウカッコウ
3)キジバトデデポッポ
4)ツバメ土食って虫食って渋〜い
5)ノジコ源平つつじ、白つつじ
6)ホオジロ一筆啓上仕り候
7)サシバキッス、ミー
8)アカハラカモン・カモン・チュウー
9)コジュケイちょっと来い、ちょっと来い
10)エナガジィフンダァ、ジィフンダァ(地ぃ踏んだぁ、地ぃ踏んだぁ)
11)メボソムシクイ銭取り、銭取り
12)ヒバリリィトル、ヒィチブ(利取る、日一分)
13)ヤイロチョウシロペン、クロペン(白ペン、黒ペン)


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