仕事風景

■これぞ職人の技・仏壇編

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製作の工程について
伊川彫刻店 三代目 彫昌(ほりまさ)にきく!
社寺彫刻や看板、兜製作ではまず粗彫りをしてから、仕上げ彫りをします。
製作の工程について、彫昌がお答えします。

かん、かん、かんっっといい音が作業場に響いています。えー、彫昌さん、なにをしているんですか?
粗彫り(あらぼり)です。
なるほど、のみと木槌でするんですね。で、あらぼりのポイントを一言で言うと?
大胆に、繊細に
ほお、なかなか深いですね。では、もっとも気を使う点は?
木の目を見る、というか気の性質を読みとりながら作業を進める点です。木によって目が違っていて、堅いところと柔らかいところがあるので目を見ながら力のいれ具合を調整するのです。力の入れようで欠けたりとれたりすることもあるので気を使います。


次は何を?
仕上げ彫りです。
さくさくと小気味いいですね。私にも出来そう。
6年間ほど滝にうたれて来なさい。
はは、冗談ですよ。では仕上げ彫りのポイントを一言で言うとなんでしょう?
刀を切らす。刀を切らさないとこのような艶やかな面にしあがりません。
そう言えばつやつやしてますね。
もちろんペーパーなどかけませんよ。これはちょっと修行しないとできませんねん。こうしてつややかに仕上げると木がいたみにくいのです。ペーパーがけでは木が腐ってしまいます。
ほう。刀の種類もずいぶんと多いですね。仕上げ彫りで気を使う点は?
木の目を見る。力の入れ具合も木の堅さ軟らかさによって加減しているわけです。まあ、つねに
木と対話しながら彫りを進めているわけですよ。
なるほど。





伊川彫刻店 三代目 彫昌 プロフィール

1961年 創業昭和7年の伊川彫刻店 二代目佐和吉の長男として生まれる。
幼少の頃より木彫刻師を志す.

18才の時、京都の京仏具伝統工芸師のもとへ修行に出る。

修行6年後、徳島に戻り、父より徳島の地場産業である唐木仏壇彫刻師としての指導を受ける。

現在三代目として社寺彫刻、仏壇彫刻、文字彫刻、インテリア小物などの彫刻に取り組む。京仏具の技法と唐木仏壇彫刻の技術をもって芸術性の高い個性あふれる作品を手掛け、代々の職人技をまもりつづけている。



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