平成21年10月10日・11日 |
『阿波人形浄瑠璃月間 ジョールリ100公演』(平成21年10月3日〜11月3日)と銘打って、阿波人形浄瑠璃の祭典が、県下一円で開催されています。 そんななかで、今回は今山農村舞台の一日目を観劇しました。 今山の舞台は、農村舞台が僻地に多いのに対して、徳島市内からごく近い、勝浦川流域にあります。我が家からだと車で20分、JR徳島駅からでも35分位。周りは田圃とミカン畑に囲まれたのどかな里山です。 |
所 在 地 徳島県勝浦郡勝浦町大字沼江字山路 今宮神社境内 建 築 概 要 木造平入・切り妻造り本瓦葺き 舞 台 形 式 仮設船底舞台形式 建築年月日 大正4年(1915年) 神 社 名 称 今宮神社 建 築 規 模 桁行4間 梁間3間 舞 台 構 成 太夫座・大臣柱 |
今山舞台と本殿との位置関係 本殿に向かって右前方右に横向きに舞台が建ちます。徳島県に今なお残る舞台のうち、59棟と半数近くがこの形式です。 見物客が横向きとなりますが、人形座の代表である太夫の座が本殿の方を向き、農村舞台の位置としては一番優れているため、本県の主流になっていると思われます。 |
ここから3つの鳥居を くぐって本殿へ。 舞台へは直接続く 坂道もあります。 |
今山農村舞台の特徴 農村舞台には、大きく分けて、床全面が平らな平舞台と、人形芝居上演向けの、床面に上段、下段の段差(2尺8寸)をもつ舟底舞台と呼ぶ形式があります。 今山の農村舞台は演劇や歌舞伎などの際は床全体が平らな平舞台ですが、人形芝居時には、遣い手が人形を操るスペースを備えた舟底舞台に転換できる「仮設式船底舞台」になっています。 |
演目 |
第1日目13:30〜 | 開演式 恵比寿舞 壺坂観音霊験記 恋女房染分手綱 |
第2日目 13:30〜 |
開演式 恵比寿舞 傾城阿波の鳴門(巡礼歌の段) 傾城阿波の鳴門(十郎兵衛内の段) 生写朝顔話 |
あらすじ | |
恵比寿舞 | |
縁起の良い、めでたい出し物として、五穀豊穣、無病息災などを祈願し、秋祭りや社日祭などで三番叟と同時に祭儀的に上演されます。 | |
壺坂観音霊験記(沢市内の段・山の段) | |
幼いころの病気が元で盲目となった沢市の目を治そうと、女房のお里は毎朝、壺坂の観世音に参拝していました。 事情をしらない沢市は妻の不倫を疑うが、妻の貞節を知り、苦労をかける自分を責めて壺坂の断崖から身を投げます。 それを知ったお里も主人の後を追うので悲劇を想起するが、そこへ観世音が現れて…。 |
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恋女房染分手綱(重の井子別れの段) | |
幼い姫につかえる乳母重の井は、むずかる姫をなだめようと呼び込んだ馬子の三吉に「そんならわしのかかさまじゃ」と抱きつかれてびっくり仰天。 よくよく話を聞くと、たしかにその昔余儀無く別れたわが子だったが、立場上親子と名乗れない。泣きながら去っていく三吉を断腸の思いで見送る。 |
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傾城阿波の鳴門(巡礼歌の段) | |
阿波の国の家臣、十郎兵衛は主家のために娘お鶴を残して、妻のお弓と共に国を出る。その仮住まいに巡礼となって親を探すお鶴が現れ、お弓は娘と分かりながら、身に危険が迫っているので名乗ることもできず娘を返してしまう。 |
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傾城阿波の鳴門(十郎兵衛内の段) | |
お弓と別れた後、お鶴と十郎兵衛が出会う。金策に行き詰まっていた十郎兵衛はわが子とも知らず、金欲しさにお鶴に手をかけ殺してしまう。 子が哀れ、父の哀れもひとしおの場面です。 |
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生写朝顔話(宿屋から大井川まで) | |
深雪(後に朝顔)と阿曽次郎(後に駒沢)の出会い、愛し合う若い男女が皮肉な運命に翻弄される物語です。五段続きの時代物。 「宿屋から大井川まで」は、役目を終えた阿曽次郎と島田の宿で出会いながら、目を泣き潰し盲目になっており、目の前にいるのが彼だとはわからない深雪。阿曽次郎も相役の手前名乗らない。この後でそれと知った深雪は半狂乱になって後を追う場面です。しかし、ここでも・・・。 あなたは、目が潰れてしまうほど、恋のために泣けますか? |
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