徳島市八多町の五王神社では毎年11月3日、
秋祭りの日に境内の犬飼農村舞台で、神に奉納するための舞台があり、
大勢の観客で賑わいます。

上演されるのは地元の人形座による「人形浄瑠璃」と氏子たちによって
継承されてきた「襖からくり」と呼ばれる見世物です。
犬飼農村舞台の位置
所在地:徳島市八多町八屋67-3 【五王神社境内】

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犬飼の農村舞台
徳島市の南南西、勝浦川流域に現存する18の舞台のなかの一つで、名勝「五滝」の上り口にある五王神社の境内にあります。初めて舞台を建てられたのは江戸時代だそうですが、現在の舞台は、明治初年に建てられ、構造・形式は、木造寄棟造り茅葺でした。しかし、現在は屋根を鉄板で覆ってあります。

舞台右側の斜め前方に「太夫座」が、舞台後方には「千畳敷場」が敷設されていて、平成10年12月に坂州の舞台とともに国の重要文化財に指定された舞台です。
(神社本殿との位置関係)
  
舞台の特徴
ここの舞台の特徴はなんといっても『船底楽屋』と『ふすま)からくり』です。
『船底楽屋』は徳島県下でただ一つ残っているもので、舞台の床はフラットではなく、4段になっています。奥に行くに従って、だんだんと床が上がり、一番奥の奥千畳の下は地面を40センチほど掘り下げて造った船底型の楽屋になっています。こうした工夫によって、舞台に奥行きを持たせ、狭い楽屋を有効に活用しているのですね。

『襖からくり』は人形芝居の背景になる襖絵を、中央から左右に開けたり、回転させたり、上へ引き上げたりして瞬時に別景色をつくり出し、見る者を最後まで楽しませてくれます。

130余枚の襖が42景の景色・動物・花・文様などに変化するのは阿波独特のもので『船底楽屋』とともに全国的にも珍しく貴重なものです。からくりが始まる頃、観客の熱気は最高潮に達します。
  


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