第三回北川舞台公演
UA・能役者with人形ジョールリ


  

2009年10月18日 18:00〜20:00

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所  在  地 徳島県那賀郡那賀町木頭北川字船谷口18 
建 築 概 要 切妻造り波トタン葺き
神 社 名 称 八幡神社
建 築 規 模 間口6間、奥行2間半


高知県との県境に位置する那賀町木頭。その中でも最奥の北川集落にある農村舞台で、第3回北川舞台公演がありました。

この日は同じ那賀町の川俣農村舞台でも公演があり、終了後北川に駆けつけるという予定で、徳島市を早朝出発しました。

当初計画では、18時の開演までに十分間に合う予定だったのが、川俣舞台と駐車場とのアクセスが悪く、想像以上に時間がかかり、北川舞台に到着したのは、残念ながら能ワークショップが終わった後でした。


古い木々に囲まれた、幻想的にライトアップされた農村舞台への道
    

舞台の特徴
社殿に向かって右側に6間×2.5間の舞台があり、右側に神社に向かって「太夫座」が敷設されており、舞台前面には、2連の蔀帳(ぶちょう)があります。蔀帳とは板戸の上部を上に吊り上げ、下部は前方に倒して、付属の脚を支えにしてステージを広げる装置をいいます。

北川舞台の内部の板壁には、来訪した人形座が墨書きした昔日の公演記録が今も残っています。そこには天保、弘化、安政といった江戸後期の年号が見てとれ、「義経千本桜」など大人数を要する外題も書かれている貴重なものです。

  

 演目 
 能ワークショップ 大江信行
  難解と思われがちな能を演劇として楽しむための鑑賞入門。

 素浄瑠璃[壷坂観音霊験記] 竹本駒之助 鶴澤津賀寿 鶴澤津賀花
  浄瑠璃や歌舞伎でお馴染みの演目。盲目の夫と美しい妻との愛の物語。

 あしたのために UA 大江信行 吉田勘緑+木偶舎
  
能と人形が演じる白拍子と、義経の平和を望みながら闘うしかない葛藤、
  そしてお互いを信じ合う心をUAの歌と音が美しく奏でる、平和への即興劇。


         


鳥居をくぐって中に入ると、山奥のしかも冷え込む夜間だというのに、広場は人でいっぱい。目を凝らしてみると、杉の間伐材を使って特設された山の斜面の上の方まで人がいる様子にまず驚きました。(主催者発表400人)

真っ暗やみの中を手さぐりでやっと座る場所を確保して、これまた手さぐりでおにぎりをほおばる。

舞台は「壺坂観音霊験記」を勘緑さんが熱演中。八幡神社を壺坂観音に見立て、深々とした山の冷気と荘厳な神前での演技が私たちを幻の世界にいざなう。

最後は歌手のUAさん、能の大江信行さん、人形の勘緑さんのコラボレーション。UAさんの衣装がまるで巫女さんのよう。時間遅れで見えなかったお能、会場を照らし出す照明と、舞台を取り巻く周囲のすべてが幻想的、神秘的で素晴らしく、熱い思いがこみ上げました。


街の中では絶対に見ることのできない、満天の星を眺めながら深夜の
R195を一路徳島に向かいました。

こんな凄いステージを味わえるなんて・・・。夢のような一夜でした。