土佐錦魚参考
一、見方(上見を基本とする)
(1)土佐錦らしさを持つ
(2)品格を重んじ、味を尊ぶ。
(3)風格、力強さを持つ。
(4)筋が通り、素直さを持つ。
(5)渡りがあり、極まっている。
二 、尾
(1)水平を基本として、たわみ、ひだ、重なり、尾先の上下等なく、もしくは軽度のもの。
(2)尾芯が通り左右対称にして、袋尾、ねじれ、つまみがないもの。
(3)三つ尾が最良にして、桜尾の軽度なもの。
(4)渡りがあり、親骨が太く、付け根がせり出し、先に余裕があるもの。
(5)金座が大きく尾をしっかりと押え、尾付けのよいもの。
(6)反りは一文字が最良、及び折り舞。
(7)朝顔の華麗なもの。
三、尾筒
(1)尾筒は伸びがなく、つまりすぎないもの。
(2)太くして、ふらつかないもの。
(3)おれのよいもの。
四、体
(1)卵形を基本とし、後腹がはり、腹形のふくよかなもの。
(2)尾筒・顔及び尾とのバランスのとれたもの。
(3)骨格の太いもの。
(4)鱗は細かく整然と並ぶもの。
(5)背は高低すぎず、中を得ているもの。
頭背びれにかけて素直に伸び、盛り上がらず、尾筒にかけてしまりのあるもの。
五、顔
(1)口が小さく上品なもの。
(2)目先があり、目幅の適度なもの。
(3)肉りゅうがでないもの。
(4)えらがこけていないもの。
六、鰭
(1)大きめで、素直で、曲がりのないもの。
(2)かじびれは2枚が最良及び1枚のもの。
七、色
(1)濃いものが最良。
(2)色と模様の名称を次の如く大きく分ける。
黒 の 部 黒
白 の 部 白
赤 の 部 素赤、猩猩
更紗の部 更紗、多赤更紗、多白更紗、背赤、背白、尾赤、尾白、腰白、面被り、面白、丹頂、窓
口紅、六鱗、大しぼり、小しぼり
八、泳ぎ
(1)素直で左右及び上下にくせのないもの。
(2)静止時によく決めるもの。
九、手術
(1)手術を要さぬ魚が理想である。
(2)手術を施してまた芸実的魚を作出する。
(3)術後痕跡が目につかなければ最良。
(4)治癒していれば差し支えない。
名称の説明
金 座 …尾付けに広がっている鱗の部分をいう。
大きい程尾をよく押え安定する。
渡 り … 親骨の左右先端から先端までをいう。
長い程反転が大きく魚が鮮やかになる。
またこれは金座と共に鑑賞や種親の重要なポイントである。
折 舞 …親骨から一枚置いて二枚目から始まっている反転
一文字 …親骨から直接始まっている反転。
前 …親骨、渡り、反転を一括した尾の前の部分。
後 …尾芯を中心に左右に広がった後方の部分。
板 前 …反転が板のように平らなのでついた名前。当歳時は反転も小さいが親になるに
したがい、よく極める大器晩成型。
深 前 …横から見て水平より下に下ろしている前。これは渡りを狭く見せ、且つ力強さに欠ける。
浅 前 …深前に対して逆に水平より上げている前。これは親になるにつれ、下がり気味になる傾向がある。
抄(すくい)…後の尾先をすくうようにあげること。
図表説明
A 口―小さく、細く見える。(両脇に瘤が付かない)
B 目―出ない。くぼまない。(給餌過多、太りすぎ)
B〜B―目幅、広くなく、適度に狭め(希に狭すぎを見る)
C 頭―肉りゅうが出ない(歳を取ると出ぎみになる。
全て大きい魚は太くなる)
D エラ―こけない。捲かれない。開放さない。
(病気、青水、高温、給餌過多)
E 背―骨格太く、背幅ある。(盛り上がり過ぎない)
E1の背と頭とのつながりは段差なくなだらかに。
F 腹―豊かに。後腹が張る。(形が極まると出しにくい)
G 尾筒―太く、締り折れが良い(伸び、詰まり過ぎない)
H 金座―大きく、〔裏も〕。水平に。
I 尾付―N、尾芯の上下に関する付(立ち、下がり)
M3〜M3尾幅の上下に関する付(山也、谷なり)
I、前の極めに関する付(尾と親骨との角度)
J 親骨―尾先は水平、垂直から見て少し下がる。
K 反転〔袋〕―大きく包むような余裕(ベタッと返さない)
L〜L1渡り―A〜Nと同じ長さが標準。(希に勝る血統を
見る)
M 後―水平。尾幅広く。厚みがある(薄くても素晴らしい
魚がある)
M1後と袋とのつながりに余裕がある。
M2尾の先端のくびれ(朝顔)が大きく華麗。
N 尾芯―真直。太く。(口先より一筋に通る)
前極め―親骨のせり出し、押さえ、付きの角度、反転
を複合した前に関した極め。
極め―前極め、尾付け極まり方を個々に又は総称