石の綿と煙の草 part27月号の本欄で、アスベスト(石綿)の恐ろしさをタバコと比較して書いた。
アスベストによる健康被害のニュースは6月末以来、この2ヶ月あまりの間、マスコミでもすっかり定着し、もはやアスベスト=石綿と、わざわざ注釈をつけなくても良いようになった。だが、アスベストが及ぼすヒトの肺呼吸器系への被害の大きさと、メーカーや行政当局の責任、被害者への救済策などが取り沙汰される一方で、健康被害の源という点でもう一方の雄であるタバコの問題が、アスベスト問題と絡めて報道されることが、私の知る限り一向にないのは、私からするといかにも不自然だ。
本年1月号の本欄でも紹介した通り、米ハーバード大の調査によれば、喫煙により世界で年間483万人の人が死に、それは世界の死因全体の12%を占めているのである。
「おいおい、忘れるな」と声を大にして言いたいところだ。
マスコミも含め、どうも世間はタバコ会社にいいように煙幕を張られ(タバコ会社だけに?)、深刻な被害を見えなくさせられているような気がしてならない。それはつい昨日までのアスベスト問題と同じ姿ではないのか?
さて、ひるがえって。当院では敷地内に2ヶ所あった喫煙所の内1ヶ所(職員用)が今月1日、ようやく撤収された。敷地内禁煙に向けての一歩前進である。これを後退させてはならない。