幾度も春を迎えてきた
里を隔てる峠は霧の中
落ちる露は花の涙
大地を潜り泉となれ

草木を分けて昇る道
濡れているのは心だけ
吐く息はまだまだ白く
大地を踏む音が響く

百舌坂に山桜花
咲く頃に霧雨が降る
桜色の露に濡れて
あなたの後を辿ってゆく

ひとつ夢が叶う時は
ひとつ天に露を結ぶ

空に隠れて見えない宙
疾い銀河に私は居る