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禁煙がむずかしい理由
それはニコチン依存症になっているからです。
タバコの煙には60種類の発がん性物質とニコチンが含まれます。
発がん性物質など体に入れたくないのに、ニコチン切れがタバコを吸わせる・・・。
ニコチンは麻薬にも劣らないくらい依存性の強い物質なのです。
そうなると・・・自分の意志や努力だけではやめられるはずはありません。
ニコチン依存症を薬でうまくコントロールするのが禁煙治療の根幹です。
健康保険をつかえるのは1年間に1回(8〜12週間)だけです。
禁煙治療Q&A
- 誰でも治療できる?
- 本気で禁煙しようと思う人はまずご相談ください。
簡単な問診票でニコチン依存があると判定され、一日の喫煙本数、喫煙年数などの基準を満たせば健康保険をつかって治療できます。 - 治療の内容は?
- 12週間で合計5回の診察を受けます。
診察のたびに息に含まれる一酸化炭素の濃度を計り、禁煙補助薬を処方します。
診察の間隔は、はじめの2回は2週間ごと、あとの2回は4週間ごとです。 - 薬はどのようなものがありますか?
- @ニコチン切れ症状を軽くする飲み薬(バレニクリン・商品名チャンピックス)
薬がニコチン受容体に作用してドパミン(快感物質)が分泌され、タバコを吸ったときの充足感が得られるためにタバコへの切望感が軽くなります。タバコを吸ってもおいしく感じません。
薬にニコチンは含まれないため、狭心症や不整脈などのある人でも使えます。
Aニコチン置換療法(ニコチンパッチ・商品名ニコチネルTTS 等)
タバコから摂取していたニコチンを一時的に薬から取り入れることによって、ニコチン切れによる離脱症状を軽くし、禁煙を助けます。
狭心症・不整脈のある人には使えません。@のバレニクリンで吐き気や精神症状が出る人はこちらが適しています。 - 費用はどのくらいかかりますか?
- 3割負担のかただと、はじめの2回は薬2週間分の処方なので3000円台、あとの2回は薬4週間分の処方なので6000円台です。12週間を通して19000円くらいです。 安価な治療ではありませんが、一日に煙草1箱400円を12週間続けると33600円も必要であることを考えると価値があると思います。
あなたとあなたの大切な人のために
なぜ、喫煙がいけないのでしょうか?
あなた自身ががんを発症しやすくなったり、肺の機能が低下したり生活習慣病を発症することで寿命を縮めてしまうことがひとつ。
それだけでなく、あなたの周囲にいる人たちの健康も損ねてしまいます。タバコ煙を吸ってしまうと2次喫煙といって、周囲の人も同じようにがんや慢性肺疾患になりやすくなります。
タバコのにおいを感じるというだけでも有害です。カーテンや絨毯にタバコのにおいがしみついていれば、3次喫煙をしています。赤ちゃんは絨毯に近い場所で生活していますから被害者になりやすいでしょう。ペットも被害者。喫煙者の家庭のネコに悪性リンパ腫が多いようです。
思いついたら即、禁煙治療を始めましょう。