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視察目的
 1、秋津コミュニティ
 2、秋津小学校コミュニティルーム
 3、学校と地域の融合教育研究会フォーラム、について
(秋津を楽しくする地域の特徴と、学校と地域の融合教育研究会との関わり)
1、秋津コミュニティについて
 秋津地域は、人口約7.500人/約2.400世帯/60歳以上の「高齢化率」は約7%と全国平均よりはるかに低い「若い世帯の多い」地域である。
 秋津コミュニティとは、この秋津地域における生涯学習を推進する任意団体である。学校・幼稚園・PTA・町会などが集まり、1992年1月に発足した「秋津地域生涯学習連絡協議会」がその前身である。
 1995年9月の秋津小学校の余裕教室を地域に開放し、そこを使用する住民による<自主・自律(立)・自己管理>で運営する「秋津小学校コミュニティルーム運営委員会」の発足に伴い、名称を現在の「秋津コミュニティ」に変更した。
 その発足のきっかけの1つとして、秋津小学校が1990年度から3年間、習志野市教育委員会の「生涯学習研究指定校」となったことが大きい。
 その3年間には、(1)子どもたちが、生涯学び続けるための研究を学校が行ない、(2)教師や保護者や地域の大人は、大人にとっての生涯学習の研究を行なった。
 その成果の発表の1つに「創作・秋津オペレッタ」を幕張メッセで披露した。主題は、その前年度に学校に創った[お父さんたちによる手造り飼育小屋」から得て、子どもから教師・地域の大人まで約420人が参加して、音楽と歌と踊りの見事なオペレッタに仕上がった。当時の秋津小学校の教頭・宮崎稔さんも出演。
 秋津コミュニティは、秋津小学校と地域の交流・研究の上に成り立っている。

2、秋津小学校コミュニティルームについて
 秋津コミュニティ活動を土台として、学校長の承認のもとに市の教育委員会に要望書を出して、1995年9月に開設された。
 全国的にも珍しい「使用者による自主管理の学校施設の開放事例」である。
 1階の4室と畑用の敷地約50平方メートルと陶芸用窯を借りて、学校の休校日を含めて朝の9時から夜の9時まで、合唱・コンソート(縦笛)・陶芸・劇団・大正琴・工作クラブなど26サークルが使用し、活発に活動をしている。

3、学校と地域の融合教育研究会フォーラムについて
 宮崎稔・秋津小学校長が、1997年度の読売新聞社主催「読売教育賞・地域社会教育活動部門」に、18年前に東京湾の埋め立て地にできた秋津小学校と地域のさまざまな交流史を、交流過程における「失敗」も含めて論文にまとめて応募して『最優秀賞』を受賞した。それをきっかけにして、「学校と地域の融合教育研究会」が発足した。
 その賞金50万円を元手にして、秋津コミュニティのお父さんたちのサークル「工作クラブ」を中心に、校庭に人工の池や植林などをして学校を改造しようとする「秋津小学校コミュニティガーデン(仮称)」構想に着手しはじめた。
 学校は、この造成過程に、子どもたちのなんらかの教育上の参加や完成後には子どもたちの「環境教育教材」にしようと、教育課程としての計画を練った。
 また、受賞をきっかけにして「秋津の事例を全国に発信しながら、ほかの地域の優れた実践からも学ぼう」との思いで、昨年1997年8月1日に宮崎さんや秋津の仲間が集い「学校と地域の融合教育研究会」を発足させた。
 今年1998年8月1日に、「学校と地域の融合教育研究会」を発足、1周年記念フォーラムを開催した。
 基調講演は、文部省生涯学習局生涯学習振興課長の寺脇研氏「21世紀の生涯学習と学社融合」であった。
 ゲストスピーカーはブライアン・アシュレイ氏であった。
 彼は、スコットランド出身の社会学者、教育学者であり、エジンバラのモーレイ・ハウス教育大学コミュニティ・スタディ学部長として、長年に亘りソーシャルワーカー、ユースワーカーの育成に携わった。福祉事業促進および青少年対策に関する政府のいくつもの委員会や研究会に関わっていて、国際的な子どもの遊びや権利の確立の促進に積極的に関心を持ち続けている。
 パネルディスカッション「学社融合への具体的方策」においては、次の方々が発言した。
(1)世代間をつなぐコミュニティ活動として、
千葉県市川市サンシャインクラブの瀧野英一氏

 19年前か脈々と続く、市民からの盛り上がりによる「草の根的な」コミュニティ活動は、単に子どもを育てるだけでなくそれに関わる青年や大人も育つことを理念にしている。さらに活助の企画・運営のほとんどが青年スタッフに任されており、大人はそのサポートに徹している。したがって、成長し青年期を迎えても活動を続ける若者が多い。
(2)高齢社会と学校・社会の融合として、
 仙台市シニアネットクラブ庄子平弥氏

 高齢化社会の社会構造の変革に備え、新しい時代の高齢者の生きがいづくり、生涯学習の在り方を模索し、高齢者を『情報』についての弱者にしないための活動を実践しているユニークな事例を紹介。学校開放と地域融合教育への取り組みと、これを実現させるまでに関係者の理解と協力をどのように取り付けたか等、具体的な体験を語りながら具体策を提言した。
(3)学校・社会の融合と行政の役割として、
 栃木県鹿沼市教育委員会の越田幸洋氏

 『教育行政』からの発信は、とかく上からの押しつけになりがちだが、地城に積極的に受け入れられ、生涯学習社会の建設に寄与している事例をもとに、成功の背景にある配慮点や現在の課題などについて提言した。
(4)過疎化地域における学校・社会の融合として、山梨県早川町立早川南小学校PTAの望月利和氏
 とかく『へき地は情報も通疎地』と思われがちだが、パソコンを備えた学校図書館の充実により、読書・学習情報センター的機能を持ち、世界に開かれた学校として地域文化の発信地の役割を持つようになっている。文化の発信・受信を核とした学梳と地域の融合のありかたは、他の通疎地のモデルとして注目されている。
(5)学校と地域との融合による町づくりとして、
 習志野市秋津コミュニチィの野口陽 一氏

 「読売教育賞」最優秀賞受賞の事例を元に、その後の学校と地域の融合の進展とその理念や留意点を提言した。
(6)施設見学として、ラムサール条約登録湿地「谷津干潟」、
 および習志野市立秋津小学校コミュニティルーム

 都会のビルの谷間に残された野鳥の飛来地として、ラムサール条約で世界登録湿地に指定されている「谷津干潟」と、同地を学区にし、一年中の朝9時から夜9時まで学校の余裕教室を地域開放している「秋津小学枝コミュニティルーム」の見学。

平成10年(1998年)8月1日〜8月2日視察にて
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