あらかんゴルフ

スコアがまとまらないときは基本に返る

 人生に山や谷があるようにゴルフにも好不調の波があり、不調時にどう対処するかで、いかに早く脱出できるかが決まります。 明確なビジョンを持ち、原因を見つけて改善し、現状に適切に対応することが重要です。

◆クラブの飛距離

  • ボールは叩けば飛ぶという錯覚を捨てる、飛距離は遅れて降りるヘッドと腰の回転から
  • スコアはボールを狙ったところに運べるかが重要、どれだけ飛ぶかではない
  • 飛ぶと後が楽になるが曲がると難しくなる(難しいところから打てる技術が必要)
  • ボールのライを見て、どのクラブでどのような球を打つか、イメージが大事
  • 傾斜地では傾斜の強さで番手や振り幅、ボール位置、飛距離が決まる
  • 飛距離はグリップの長さやトップとフォローの振り幅で決め、振り切ると曲がらない

◆ドライバーセオリー

  • 一番グリップの力を抜いて打つクラブ、ライン出しのコントロールショットが曲がらず打てる人が一番強い。ドライバーは一番飛ぶクラブなので、セカンドが打てる場所に飛べばよい、OBが出やすいクラブなので、方向を重視する場合は右脇を絞め短くグリップやFW、UTを使用
  • スコアを作る競技ゴルフとドラコンを取るエンジョイゴルフは違う、どのゴルフか?
  • グリップは短く握る、プロも44.5インチくらいを使用している
  • クラブは体の正面でフックグリップに緩く握る、ヘッドをボール後方にセットすると、フェースは上を向くように見える
  • ボールの後ろでヘッドの中心に合わせ、地面に下ろすとボールがトウ寄りに見えるが修正しない
  • ボール位置は個人差があり、左踵から真ん中の間で、真っすぐ飛ぶ位置に置く
  • ティアップするドライバーは、回転軸が右に傾き右肩が下がるアドレス
  • テイクバックは肩の回転でボール後方に大きく引き、回転軸は右に傾く、右腕は腰の位置から肘をたたみ、トップはグリップが耳の横まで上がればよい
  • ダウンのタイミングは左足を踏み込み左腰を後ろに引く回転から、捻転差を利用して肩を回し、インパクトのグリップはアドレスの位置、ここから背筋と腹筋に力を入れて前傾のまま(卓球のラケットを返すように)フェースを返しフォローを低く目標に取る、飛んで行くボールは前傾のまま目で追う(起き上がるとスライス)
  • フォローでクラブを立てるとドロー、横に振るとフェードになりやすい
  • ドライバーのフックや引っかけはダウンから腰と肩を回し左足体重、ヘッドを押し込む、手打ちと振り遅れの中間が良い、テイクバックでは右足の角度を変えない、フェースが閉じたアドレス
  • ドライバーがスライスするときは、アドレスは少しオープン、肩は目標の左、フックグリップで右親指人差し指を離し(チョキ)、脇を絞めフォローまで前傾キープで普通に振る、または、軸を右に傾け、ティは高めに、両脇を絞め素振りのように振る
  • 左に行かない球は、ボールを左踵か靴1足右、グリップを左股関節から正面まで右に寄せ、よりハンドレイトに、スクウェアに構えるとフェースは上を向く、ティが高いと捉まりが良く右曲がりが少ない、ティの高さとボール位置で球筋は変わる
  • 右に行かない球は、ボールを左踵かボール1つ左、左脇を絞めるとフェースが立つ、曲がりはボール位置で修正、スパイスは右手親指を人差し指側に置く
    簡単なのはティーを高くして手打ちで肩の回転を抑える、極端にすると引っかけが出る
  • 方向を出す玉は、ボールを中央寄りに置き、上げる球はボールを左踵に置く、脇が開くと右にも左にも行く
  • 肩は開かず前傾のまま正面でインパクト、グリップ(手)よりヘッドを動かす
  • タイガーも左重心、センターで構えたグリップを左股関節まで体重移動
    タイガードライバー
    ※ 「テークバック定期点検」週間ゴルフダイジェスト2020NO.45参照

  • ボールは最下点から左踵の間、最近のクラブはフェースをスクウェアに合わすとトップが開いたように見える
  • グリップはフック、左手はかぶせ気味、右手はスクウェアにして親指の力を抜く
  • スイングの中心は首の付け根、腰と首の軸がブレない左体重の一軸スイング
  • テイクバックはボールの右側が見えるまで肩を回すとストレートボール
  • 方向を出すときは、指三本分短くグリップ、ティは低めでボールを中央寄りに置き、脇を絞め低く目標に振り抜き、高いフィニッシュ
  • 急に曲がりだしたときは、1インチ短く握り左肩を右股関節まで回し振り抜く
  • 男子のスクラッチゴルファーは250Y、ボギーゴルファーは200Y飛ぶ
    (2オン可能距離はスクラッチゴルファー470Y、ボギーゴルファー370Y)

◆フェアウェイウッドセオリー

  • フェアウェイウッドは運ぶクラブ、狭いホールや打ち上げ、ドライバーに自信がないときのティーショットに有効、悪いライはアイアンがミスが少ない
  • FWを地面から打つ時は、ソールせず浮かせて構えるとダフらない
  • ボール位置は、ティアップしても最下点前後、肩を水平に回し掃くように低くヘッドを滑らせる
  • 3Wはライが良いとき、左足下がりやつま先下がりは5W、7W、UTを使う
  • 3Wは短く持ってトップを大きく取り、ゆっくり大きく振るとタイミングが合う
  • 5Wは打ち上げで威力を発揮、グリーン周りはヘッドを滑らせランニングアプローチも可能
  • 5Wはラフでも浮いていれば使えるが、沈んでいるときはUTやアイアンを使う
  • ウッドやアイアンは回転軸(腰)を動かさず、肩を水平に回すとダフらない
  • 腰を落とし、バックスイングは右ひざを固定し下半身が右に動かないよう気を付ける
  • インパクトはボールの右側に頭を残して肩を水平に回し、下手投げで芝を履くように払い打つ
  • 軸(腰)が右に残るとダフリやトップ、引っ掛け、左に突っ込むとスライス
  • 方向が悪いときは、スタンス方向、グリップ、肩を回すに注意して体の正面でインパクト
  • 不調時は、左足かかとを上げずベタ足で、軸を動かさず打つ

◆ロングアイアンセオリー(ロフト30°以下)

  • ヘッドスピードが遅い人はボールが上がらず距離が出ないのでFWやUTが良い。また、林や木の下から転がすときに有効
  • ラフに沈んだボールは、フェースを開きミドルアイアン以下を使う
  • アイアンはボールの左上が見えるくらい左重心、最下点前にボールを打つ
  • アイアンはインパクトでヘッドがグリップを追い越すように打つと方向が良い
  • インパクトは体重を左足に乗せ、ボールを潰すように体重を乗せる
  • フォローはヘッドの勢いでクラブが上がり、腰を回してヘッドを目標に縦に上げる
  • 右肩が前に出るとダフるので肩を水平に回し出る前のタイミングで打つ
  • ロングアイアンはウッドと考え、サイドブローで遠心力を生かすゆったりスイング
  • フェースは気持ちクローズが捕まりが良い(ウッドとアイアンはグリップが違う)
  • クラブを鞭のように使いターフを取らない払い打ちで、ヘッドがボールの赤道より下に当たれば飛ぶ

◆ミドルアイアンセオリー(ロフト30°から40°)

  • ボール位置はスイング最下点を知ることが大事、また、最下点は傾斜で変わる
    (素振りでヘッドが芝に触れる前がボール位置、ヘッドが土に付く前に打つ
  • グリーンを狙うのは7I以下のクラブでセンターの距離に打つ
  • ダウンブローは伸ばした左腕と手の角度をキープし、軸を動かさずスイング
  • 左腕を伸ばして両脇を締め、左肩を右股関節まで回し、トップで右耳の横でクラブを立てる
  • 縦に降りたクラブヘッドがインパクトでグリップを追い越すライン出しショット
  • 剣道の「袈裟懸け」の感じで左腕で引き下ろし、インパクトから腰の回転で押す
  • アゲンストは番手を上げ、スイングを小さくし、コンパクトに(指2本は短く握る)

◆ショートアイアンセオリー(ロフト40°以上)

  • 両脇を胸に付け8割ショットで方向を最優先、距離は振り幅で調整する
  • ショートアイアンは捉まりが良いので右足をボールに少し近づけオープンスタンス
  • 左体重でインパクトは体の正面、腕の三角形が崩れないよう両肘を締め、体の回転で打つ
  • べた足で右足を踏ん張り、腰から下を動かさず脇を締め、左手甲が折れないよう注意
  • バックでクラブを立てる(写真のようにトップで左手甲がフラット
    ベタ足のパンチショット

◆ウェッジセオリー

  • ウェッジはグリーンに乗せるクラブ、距離を出す必要はないので、スタンス幅は狭め、ボール後方で素振りをし、芝の抵抗分距離を調整する
  • 距離の打ち分けは、振り幅は10時2時、9時3時、8時4時、グリップ位置は普通、中間、シャフト際、振り幅とグリップ位置を組合せると9種類打てる
    例:PWのグリップ位置と振り幅の違い
    区分フルショット
    10-2時
    ハーフショット
    9-3時
    クォーターショット
    8-4時
    普通グリップ1008060
    中間グリップ907050
    短くグリップ806040
  • スタンスは狭めのクローズ又はスクウェアで腰を左に寄せた左体重、グリップはシャフト際、バンスを使うときはフェースを開きグリップは体の正面、下半身を動かさず体の回転でヘッドをU字に動かす(左体重は最下点を左にずらし、地面より先にボールを打つ)
  • テイクバックはヘッドを外に上げる(ボール後方)くらいのイメージでちょうど真っすぐ
  • インパクトのグリップは腰の前をキープ、ボール手前からソールを滑らせ、フェースのヒールからトゥにボールを滑らせU字を描くようにゆっくり打つと、高く上がりスピンで止まる
  • ギアの進化で最近はクローズスタンス、履くようにアウトサイドインに抜き、ヘッドを返さない(オープンに構えプレーンに振るとアウトに上げているように見える)
  • 逆目や短い距離はうまく寄せようとするとダフるので、小さい振り幅でポンと打つ

◆アプローチセオリー

アプローチの考え方

 難しいライからの打ち方は、優しいライでも使える。無理をしないでここから集中力を高め、3打又は2打で上がると上手いと言われる。

  • アプローチは、1ピンによれば最高、グリーンに乗れば良し、乗らなくてもパターで打てれば良い
  • グリーンはエッジまで行って傾斜を確認、距離や風、傾斜から落とし所を決め、カップインの確率が高いラインを読む(エッジから数ヤード先のグリーンに落とし、ピンまで転がる番手)
  • アプローチの転がす、上げる、止めるは、ボールが芝の上に浮いているか土の上かボールの後ろに芝がかかる逆目かなどボールのライで決まる、順目の花道はどの打ち方もできる、逆目の花道であればランニングが優しい、逆目の下り傾斜は半ロブ、次のホールに行く逆目のラフは芝を起こすように打つ、奥の法面の下り傾斜はフェースを開き低く振り抜く、グリーン奥の逆目のラフはヒールを浮かせたトゥ打ちなど状況に合わせた打ち方
  • ラフも浮いていれば普通に打てる、芝が噛めばスピンが効かないので転がし
  • 受けグリーン・アゲンスト・逆目はピン寄り、下り・フォロー・順目は手前に落とし転がす
  • 雨の日や重いグリーンは上げるアプローチが距離が合う
  • 大きいグリーンやアンジュレーションのあるラインは、上げてピン手前に落とす
  • アプローチの時にボールの転がりを見ておくと、次のパットラインが読みやすい
  • 池越えやバンカー越えのショットはリスクと相談(自信がないときは遠回り)

どう打つか

 ボールのライでどのクラブが使えるか決まり、そのクラブでどのような球を打つかで、落としどころが決まる。球筋と落としどころから振り幅や打ち方が決まる。ライが良ければグリーンに直接落し、転がすのが簡単、番手毎の距離やミス対策は、トラブル編のショートアプローチにあります。

  • カップまでの距離を歩測し、カップ際の曲がり、ボールと落としどころのライを見て球筋を決める
  • 転がしはグリーンの2、3Y先に落としピンまで転がる番手、キャリーが同じでも番手により転がる距離は異なる、目標は落とし所の距離で打ち、テイクバックはアウトサイドに上げるとダフらない(左足上がりはインサイドアウト)
  • ベアグランド等の悪いライは、ボールを最下点、左足体重でクラブを吊るように持ち、首の後ろを支点に肩の上下動で、パターのようにトゥで打つと落ちて転がらない
  • カラーや枯芝はパターで転がすのが寄る(芝の抵抗分強め)
  • ディポットに沈んだボールや後方に芝がかかる状態では、ボールを右に置き、ポンと打ちフォローを取らない(取れない)打ち方が簡単
  • 花道やベアグランドからは、PWや9Iでヘッドが円を描き掃くように、インサイドアウトに低く払うとダフらない
  • 順目の花道から左上りのアプローチは、カラーから2m以上先のグリーンに落とし場所を決め、左上がりになるので少しオープン、エッジは5度くらいの傾斜があるのでPW(1:1)や9I(1:2)のピッチエンドランでグリーンに落とす
  • グリーンに近い逆目の花道の登り傾斜は、芝に刺さりショートしやすいので、刺さらない(鋭角にならない)7Iくらいのランニングアプローチで手首を使わずパッティングのように打つ
  • 逆目の下り傾斜は、SWでオープンスタンス、左手ストロンググリップで手首を使わず回転で打ちグリーンかカラーに落とす半ロブが寄る
  • 次のホールへ行く踏まれて芝が寝た逆目のラフはショートしやすいので、インサイドアウトっぽく芝を起こすイメージで、体ごと持ち上げて払うように2倍の距離感で打つ
  • 奥の法面から左足下がりのラフは、AWやSWのシャフト近くをかなり短く握り、左体重でフェースを開き少し右に向け、球は真ん中か少し右に置き、膝が動かないようアウトサイドインにコックをほどかず体の回転で低く振り抜き、柔らかい球で転がす
  • グリーン奥の逆目のラフは、転がしが良いように見えるが、グリーン近くの出だしが逆目のラフに食われるので、AWをパターグリップで短く握り、ヒールを指が入るくらい浮かせ、パターのつもりで打ち柔らかい球で寄せる、死に玉を打つときはフェースの先でトゥ打ち
  • ラフに潜っているときは、ハンドファーストの左重心でボールは右、フォローは取らず上からポンと打つ
  • 上げる玉は、オープンスタンの左足体重、ボールは左寄り、フェースを開いて短く持ち、脇を絞め大きくゆっくり振り、U字を描くようにフォローでクラブが立つ
  • ライが良く低く出て止まる玉は、オープンスタンスでボールを右足前に置き、フェースを開き少し強めにボールを運ぶように打ち、フォローはフェースが上を向く
  • 傾斜面のボール位置は傾斜の高い方に置く(右に置き円を描くようにアウトに振る人もいる)
  • 砲台グリーンの傾斜面はPWで平らなカラーに落とし転がす、ライが悪ければAWでピンの距離に上げる
  • 2段グリーンの奥転がして上の段に乗せる、SWはバックスピンで下の段に戻る
  • ピン奥でもグリーン奥のライが良ければ、奥からの寄せも考える
  • 木越えの高さはクラブのフェースを靴で踏み、グリップ方向に枝がないことを確認
    (木に当たる場合は下を転がす、7Iで50Yに落とせば70から80Y転がる)
  • ラフでボールが浮いていれば払い打ちが可能、ボールが沈み手前に芝があるときはコックを使い払い打ちが良い
    (芝の抵抗分振り幅を大きくし、30Yを50Yの振り幅等調節する)

アプローチスイング

  • アプローチは、転がし(チップショット)、ピッチエンドラン、スピン系(ピッチショッ ト)を状況に合わせ選択
    (転がし:8I=1:3、9I=1:2でスクウェアに構え、ボールは右足の親指の前付近
    ピッチエンドラン:PWかAWでボールセンター、フォローでヘッドが上を向く
    ピッチショット:AWやSWでボールを左に置き、スイングはゆっくり大きく振る
  • 下半身は動かさず、グリップを体の中心に保ち、肩の回転でアウトに上げ、コックを使い手はゆっくりヘッドは速く動かし、振子のようにゆっくり大きく振る、距離はバックとフォローの大きさで調整
  • ボールを右に置き、左体重で手首の角度を変えず掃くように打つと低く出て良く転がる
  • ボールを左に置き、コックを使いゆっくり振ると、高く上がり転がらない
  • 方向を出すときはフォローでトゥを上に向け、止める場合はフェースを上に向ける
  • ピンを見てアドレスすると左肩上がりの右肩下がりで、ダフリやトップが出る
    肩を水平に回し、ブランコのように遠心力で打つ
  • 澁野日向子プロが青木翔コーチと取り組むアプローチ
    青木コーチ
    ※ 2020 No29 週刊ゴルフダイジェスト
    (しぶこのロブに挑戦だ)

その他のライ別チップス

  • グリーン周りバンカーの
    10Yはカットに小さく速く振ると寄る、フェースを開いて大きくゆっくりは上がる
    30Yは少し開きフルスイング、肩から肩で20Y、ハーフで10Y
    40YはAWでSWの30Yと同じスイング
    湿った砂は飛ぶ、ボールを右足前、左足に体重を乗せアプローチ感覚で打つ
  • 花道からのアプローチは
    左足体重で腰から下は動かさず、腕の三角形を保ち、フォローも左脇を絞め開かない
    10度から20度くらいアウトに引く感じでも肩が回ると真っすぐ後ろ(谷プロ)
    ヘッドの重さで上下に縦振り、腹筋を使い体の回転でフェースを滑らせU字軌道に打つ
    肩を回してゆっくり振り、フィニッシュは胸が正面、フェースが顔に向く(谷プロ)
  • ピッチエンドランは肩の回転で打ち、フォローでトゥを上に向けると方向が良い
  • グリーン際のラフは、パターをハンドレイトに持ちロフトを寝させて打つとラフを飛び越え転がる
  • カラーとラフの境は、ウェッジの刃でボールの赤道を打つとよく転がる
  • ウェッジの刃で打つときは、オープンスタンスでフェースを寝かせ(フェースは開かずハンドレイト)、パターのように打つと刃に当たらなくても下のバンスに当たりまっすぐ飛ぶ
  • 左足上がりの傾斜面は、斜面に垂直に立ちインサイドアウト、左足下がりはアウトサイドイン、逆目は引っかかるのでほうきで掃くように払い打ち、打ち込まない
  • ダフるときは左腕を伸ばし左体重、ハンドファーストで最下点を左に、両足をそろえると軸が動かない

◆パター・テクノロジー

  • パターを選ぶときは、距離感を合わせやすいものを選ぶと間違いがない、同じパターもでも見え方が異なるものがある(使用ボールに合った打感でOKに寄せられるパター)
  • ヘッドは、ストレートに動きやすいタイプ(フェースバランス:マレットタイプ等)と、イン・トウ・インに動きやすいタイプ(ノンフェースバランス:ピンタイプ等)がある
  • パターは、ショットのように体の回転で打つタイプはピン型やL字、肩の上下動で真っすぐ振るタイプはマレットやネオマレットなど打ち方で選択する
    打ち方等については、中井学著「ゴルフ パットシングルになる!」、 選び方については、パターの選び方9つのポイント、 どのようにすればパットが良くなるかの攻略法はパットお悩み解決道場が参考になります
  • ホーゼルタイプは、一般的に打点(インパクトエリア)が高め、ホーゼル無しは低め
  • シャフト・オフセットの度合はネック形状により変わり、アドレスでボールをどこに置くか、どんなミスを防ぎたいかによって、 オフセットの度合を選ぶ
    (フルシャフト・オフセットは、ボールを真ん中か右寄りに置くタイプ)
  • オフセットがあるパターのボール位置は右寄り、左目下は引っ掛けやすい
  • オフセットがないパターのボール位置は左寄り、真ん中あたりだと右に押し出しやい
  • シャフト長は、短いとリストが使いやすくストロークが不安定になる。違和感がなければ、ある程度長さのあるものが安定する
  • ソールした時、シャフトが左から入っているものは、ハンドファーストに構えやすく、つかまりが良くプッシュアウトが出にくい
  • シャフトが右から入っているものは、手元をヘッドより中に入れて構えるのに適しており、引っかけを嫌う人に最適
  • シャフトが真っすぐに入っているタイプは、スクエアに構えやすい
  • フェース素材の硬さはボ-ルによって決め、硬いボールは樹脂製のやわらかいもの、やわらかいボールは金属の硬いフェースがフィーリングが合う
  • フェースが固い(反発係数が大きい)程よく転がり、シャフトが長いほど、ヘッドが重いほど良く転がる
  • パターヘッドの中心はボールを落としたとき、高く上がり振動が少ない位置が中心
  • パターのマークがボール位置ではない、トゥやヒール寄りで打ち、真っすぐ転がる位置を探す(所有のニューポート2はマークの少しトゥ寄り、ミューレン2はマーク位置が真っすぐ転がる)
  • パッティングは、頭・手首・下半身を動かさず、頚椎を支点とした肩の上下動又は胸椎を支点とした体の回転で打つ

 運動量保存の法則 m1v1 + m2v2 = m1v1' + m2v2'
355gのパターで止まっている45gのボールを反撥係数 e=1で打つ場合、
パターは、v1'=(m1-m2)/ (m1+m2)*v1で0.78の速度に減速し
ボールは、v2'=(2m1)/ (m1+m2)*v1で1.78の速度で転がりだす。
∴ 反発係数が同じものは、重いパターほど良く転がる

フェース面と出玉の関係

フェース面と出玉の関係 (週間ゴルフダイジェスト2015 No.38「ギヤ裁判」参照)

 「フェースミーリング」はフェースの接地面が少ないため打感が柔らかく、ボールを点で押すためボールが凹み振った方向に転がる
インサートタイプ」はボールを面で押すためボールが凹みにくく、フェースが向いた方向に転がる
フェース面をきれいに削っているが溝が入っていない「ファインミーリング」は球の伸びが良くとろとろと転がり最後のひと転がりでカップに入る球が打てる
パターはインサートの種類やミーリングの有り無し、溝の深さなど、フェース面の違いによって玉の転がりが違う

◆パットスイング(これが入ればスコアが変わる)

  • ボールの直径は約42.67ミリ、パターフェースは約25ミリ、ヘッドを10ミリ浮かせて打つと中心に当たり、転がりが良い
  • グリーン手前から全体の傾斜をつかみ、歩測しながら足裏でラインの傾斜を感じる
  • 芝目を見るのはカップまわりだけ、1m以内は真直ぐ打つ
  • スイングは首の付け根を軸に肩の上下動で打ち、下半身を安定させ振り幅で距離を出す
  • 方向はカップを見ず、頭を動かさずに見える目印の上を転がす
  • 標準的な「スティンプメーター=9フィート」のグリーンの速さの場合、上り(+30%)下り(―30%)の距離感
  • 代表的グリップは、両手の生命線に沿って握り、左手のひらを支点、右手のひらを力点に右手のフィーリングで打つ逆オーバーラッピンググリップ
    右手が上、左手を下に握り、右手指側を支点、左手指側を力点に右手の動き過ぎを抑制するクロスハンドグリップがある
  • グリップは正面、ボール位置はパターオフセットによる
  • ボールを利き目の下に置き、アッパーに赤道を打つと直進性が良い
  • 左体重か右体重の軸が動かないスタンスで、体重移動せず打つとミート率と方向が良い
  • 短いパットは左体重、フォローで押し込むように打つ
  • ショートパットの強さはカップ奥までの距離で打ち、カップではない
  • パットのバックは小さくフォローは大きく、押すようにフォローで距離と方向を出す
  • スイング中下半身(腰)を動かさない(腰が動くと左右に散る)
  • パットの距離や方向が合わなくなったときは、パットの距離感・方向性の向上を参照

◆ロングパット(2m以上はジャストタッチの距離重視)

パッティングラインの考え方

 傾斜の強さに応じ、曲がる分だけ実カップ上方に仮想カップを設定し、そのカップ方向に打つ
距離感は、実カップと仮想カップの距離分を上に伸ばした位置に届く強さで打つ。
プロは「足の裏で傾斜を感じ取る」、景色に惑わされると傾斜や距離感を誤る。

※ 週間ゴルフダイジェスト2013No34 90は頭で切ろう!参照
自分の距離と振り幅の基準を作ることが重要

区分1歩2歩3歩4歩エイムポイント
0.5度:曲がりそう3cm6cm9cm12cm指半分
1度:少し曲がる6cm12cm18cm24cm指1本
2度:だいぶ曲がる12cm24cm36cm48cm指2本
3度:大きく曲がる18cm36cm54cm72cm指3本

 スティンプメーター9フィート位の標準的なグリーンで、カップ(直径108ミリ)まで2歩の距離から少し曲がる1度傾斜であれば、12㎝上が仮想カップ(エイムポイントでは指1本分)

  • 歩測して距離を確認し、他のプレーヤの転がりを参考に速さを確認する
  • カップ下1~2m以内に付ける距離感でラインを読む(カップの上と下からは強さ、左右は曲がり具合)
  • ロングパットは距離感が重要、歩測した距離を傾斜に合わせて調整し、カップ下に寄せる
    (ヘッドを振り子のように使い、
    腰の高さから落とすと30Y、
    その半分は15Y、
    グリップが太ももは10Y、
    靴幅3つで8歩、
    靴幅2つで6歩、
    靴幅2つで4歩、
    マレットのヘッド幅で2Yくらい転がる)
    ショートするのは、ボールが近いとき
  • カラーから転がすときは1割増し、ハンドレートで芝を越え転がす
  • 下りは7割(傾斜大:50%、中:70%、小:85%)の距離感で打つ
  • 上りは2割増し(傾斜大:130%、中:120%、小:110%)の距離感で打つ
  • 逆目は2割(6mが5mに)ショートする
  • 芝の種類による速さの違いは、同じ条件なら高麗が9フィートに対してベントが11フィートくらいになる
  • 高麗グリーンは勾配がきついことが多く、上りと下りでタッチの差が大きくなる
  • 高麗芝は、カップ際の芝目で曲がるのでベントより1歩強めに打つ
  • 長い距離は手のフィーリングでイーチ、ニーのリズムでゆっくり大きく打つ
  • 上りのグリップはしっかり持ち、オーバーは50cm以内(アマは、ジャストタッチが良い)
  • 上りは速度が落ち止まる直前までほとんど曲がらない
  • 下りの横傾斜は最初から曲がり、斜面の低い方向に転がる
  • スイング中お尻が動かないよう下半身を固定し、左肩を上げカップの方に押すように肩の上下動で打つ
  • グリーンの砂や小さい雨粒がボールに着くと転がりは重くなる、大きい雨はグリーンが柔らかくなりショットは止まるが、雨は染み込みパットの転がりは同じ

◆ショートパット(2mまでは30cmオーバー狙い)

ショートパット
※ 週間ゴルフダイジェスト2012No47 100切りならプロキャディにおまかせ!参照

ショートパットの秘訣

  • 打ち方は、ヘッドを吊るようにシャフト近くを持ち、左脇を締め左肩を上げるように縦振りで打つと順回転で直進性がよい
  • ショートパットは方向が重要(50センチ以内の狙ったスパットを通す練習を連続50回)
  • スパット(目印)は頭を動かさず目の動きで視野に入る範囲で見つけ、スパットから目を離さずボールがスパットの上を転がるようバックの倍のフォローを取る
  • 上りラインはカップ奥の壁に当てる強さで読む
    プレー後半はカップ際が曲がる、カップ周りはボールを拾うとき靴で踏み凸凹する)
  • 右か左に曲がる微妙なラインは真ん中狙い、横から入っても良い
  • フックラインが苦手な人は、いつもよりボール1個右に置き、ハンドファースト強め
  • スライスラインが苦手な人は、いつもよりボール1個左に置く
  • お先パットもマークし、フェース方向を合わす、スタンスが悪いときはお先パットをしない
  • ショートパットを外す時は、左体重で脇を締め、左手でクラブを吊るようソフトに持ち、ゆっくり引きポンと打ちフォローを取らない
  • 押し出しや引っ掛けは腰が動いているので、ソフトに握りヘッドの重みで振り子のようにポンと打つ(マットの上でも、お尻が動かない練習が大切)
  • ボールを追って右肩が出る(カップを見る)と引っ掛け
  • 平らな場所で50センチ先のボールを狙って打つ、曲がるときは手首の角度をキープ、フォロースルーを低く出す
  • バックを取らずフォロースルーだけで打つ練習はショートパットが入る

◆グリーンの基本

  • 日本のベント芝は7割がペンクロスで10度から25度で成長し、寒さに強く回復力も旺盛
  • 芝の成長が止まる冬が1年で一番速い(冬10フィート、春9フィート、夏8.5フィート、秋9.5フィート)
  • 芝目は水の流れる方向(山から谷)、太陽の方向、人が歩く方向に向きやすい
    桜のころまでは短く刈り込まないので芝目があることも
  • コース側は芝目が出来ないよう日替わりで違う方向から刈り込み、短くして立たせている
  • ベント芝は順目と逆目はあるが、傾斜が最優先
    傾斜と芝目が逆方向ならショートパットはカップ内側を狙う
  • 午後からのグリーンはピッチマークや足跡でグリーン面が荒れるので少し強いタッチが必要
  • 雨の日のグリーンは重く曲がり幅が小さくなる

◆パット格言

  • 道具はむやみに替えない、クラブを大事にする
  • 迷いこそが最大の敵、一度決めたら信じて打つ
  • 届かなければ入らない
  • 1パットを狙うなら3パットを恐れるな
  • 5mが入るのは少しの運かまぐれである