5. 画像の圧縮と画質     5.2 bitmap/pixel/boxel

5.2 bitmap/pixel/boxel

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 ビットマップ(.bmp)画像は、画像を格子状に多くの細密な点(ピクセル,pixel)に分割し、その点の色や濃度をRGB等の表色系を用いて数値として表現しています。元々は、白黒2値(すなわち各点の色は白か黒のいずれか)の画像情報をVRAMに展開したもの、具体的にはメモリ上の1点1点に2進数の1ビットに対応させていたもの(マッピング)を、ビットマップと呼んでいました。ビットマップファイルはWindowsでの標準画像ファイル形式となっており、特殊な圧縮を掛けていません。ファイルサイズは大きくなりますが、構造が単純で、多くの画像アプリケーションでサポートしており、極めて高い汎用性があります。画像情報をそのまま維持しているので、取り合えずBMP形式で保存しておけば、次にどんな形式に変換するにしても対応可能です。二次元平面上の点と色(RGB)が直接対応しているため、各種計算にすぐ使えるという利点があります。白黒画像の場合には、最初の54ビットに画像の質や大きさなどの情報を埋め込むヘッダーと次の1024ビット(=4x256色)にRGBなどの輝度表示情報を埋め込んだルックアップテーブルがあり、その次に(x,y)座標の輝度情報が記録されます。カラー画像の場合にはルックアップテーブルが不要となり、最初の54ビットのヘッダーに続いて(B,G,R)の順序で個々の座標の色情報が書き込まれています。記録の順番は左下から右へと記録され、最後が右上の座標の色情報となります。
 ほぼすべての画像表示装置や印刷装置が、画像を上方から右へと処理します。モニタ表示の場合には、走査線は上から下へと移動するため、左上を原点にします。bitmapは機械独立のファイル形式として設計されており、幾何学的なX軸、Y軸方向に座標を指定する形式となっていいるために、注意が必要です。
 ピクセル(pixel)は、コンピュータで画像を扱うときの、色情報(色調や階調)を持つ最小単位、最小要素。しばしばピクセルと同一の言葉として使われるドットとは、後者が単なる物理的な点情報であることで区別されます。例えばディスプレイにおいて320×240ピクセルの画像を100%表示すれば320×240ドットですが、200%表示ならば640×480ドットとなります。
 ピクセルは、一般的に、「写真の要素」を意味する英語の「picture element」からの造語、または「写真の細胞」を意味する英語の「picture cell」からの造語とされています。コンピュータでは連続的な値を扱えないため、例えば、640×480ピクセルの画像は、横640個、縦480個の点を並べて表現されています。表示装置などのデバイスは、ピクセルを単位として画像を表示します。
 ボクセル(voxel)体積の要素であり3次元空間での正規格子単位の値を表します。「ボクセル」という用語は「体積 (volume)」と「ピクセル (pixel)」を組合せてできました。ボクセルは、医療や科学データの可視化や解析によく使われます。体積型ディスプレイは例えば、512×512×512ボクセルと、解像度をボクセルで表すこともあります。ピクセルと同様、ボクセル自体は空間内の座標を持ちませんが、他のボクセル群との位置関係(すなわち、1つの立体イメージを構成するデータ構造内のそれぞれの位置)で座標を推測できます。

次ページ   2014.10.10作成 2017.1.25改定

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ビットマップ

・初期のコンピュータはモノクロ2値でしかCRTに表示できませんでした。余白を含めて8×16ドットでデザインされていた英数フォントをディスプレイ上に80文字25行表示するには、640×400ドット(画素)が必要でした。

・1画面をモノクロで表示するには、各画素が光るか光らないかの情報さえあればよく、フォントの1ドットをそのままバイトデータの1ビットに割り当てるのが好都合でした。その割り当て表が「ビットマップ」と呼ばれていました。。

・1バイトに8画素分輝度情報が記録されるので、800/8×400=32,000バイトあれば十分でした。