4.2 RGB表色系
異なった色に見える複数の光を混合して、与えられた任意の色と同じ色に見える色を作ることを等色といいます。ここで重要なのは、任意の色光を3種の原色で等色できること、そして、3原色はそれぞれ独立でどの1原色も他の2原色で等色されてはならないように決めることです。知覚的には赤・黄・青の三原色が自然です。しかし、物理的には赤・緑・青(RGB)が自然なので、波長435.5nm(青色:B), 546.1nm(緑色:G), 700.0nm(赤色:R)の3つの単色光を3原色としたものが用いられました。これをRGB表色系と言い、右図にRGB色空間を展開した例を表示します。基準(原色)が三つあることで、その配列は自然に三次元の立体的な空間配置になり、これを色立体と言います。
3原色RGB光の強度を調節して、テスト光Cと一致させた等色実験において、RGBそれぞれの光の強さをr,g,bとすれば、C=rR+gG+bB と表わすことが出来ます。観測者の個性によるバラツキを解消するために多数の被験者で等色実験して平均化をしています。また、目の構造からの制約として、物を見る時の視野角が変化すると色の見え方が異なります。
等色実験の過程で、三原色[R],[G],[B]光の混合では等色出来ないスペクトル光が見つかりました。具体的には、550nmより波長の短い緑色や青色のスペクトルの色は、原理的にはGとBの混合で等色ができるはずですが、実際にはどんなに混合割合を変えてみても等色することが不可能でした。 その一方で、スペクトルにない光の色を、RGBの混合でつくることができます。 例えば、赤紫色は虹の色(スペクトルの色)には無い色ですが、RとBを混合すれば、つくることができます。
このような経過から、光学原理で考えられる三原色と、感覚で捉えられる三原色との間にはズレがあるということがわかりました。人間が赤を感じる器官が、実際には青の波長にも若干反応することがその原因と考えられています。
次ページ 2014.10.10作成 2018.4.24改定