4.4 マンセル表色系
RGB表色系は色知覚に対しては、良い近似となりますが、知覚できる色を完全に合成できるわけではありません。単一波長の色はRGB色空間の加色のみによっては再現することができず、RGBの係数に負の値を用いる必要があります。人が感じる色は、500nm前後の光では赤の成分がマイナスになるような色を感じています。しかしこのように負の値を用いるのは、取り扱いに不便です。国際照明委員会(CIE)は1931年にRGB表色系と同時にRGB表色系から単純な一次変換で負の値が現れないような変換式を導入したXYZ表色系を定めました。XYZ表色系は他のCIE表色系の基礎となります。こうして作り合わされた色は、スペクトルに実在する色ではなく架空のイメージされた光源なので、RGBの代わりに、XYZという三記号を使うこととし、三刺激値と呼ぶことになりました。XYZ表色系では、それぞれの数値と色彩との関連がわかりにくいのですが、Yは明るさを表し、Zはおおむね青みの度合いを表すと考えられます。
XYZの三刺激値X,Y,Z をX+Y+Zで除して無次元化した値x,y,z を新しい変数として利用し、1変数少なくした上でYを輝度として利用することもよく行われます。
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