9.GMA溶接現象の解析

9.9 まとめ(Underconstruction)

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 前節で液滴領域を抽出するための閾値の求め方を紹介しました。本節では液的の時間的挙動を理解するのに必要な物理量に関して説明します。物理的な時間挙動を理解するには、(1)大きさと重心位置、(2)形状や明るさなどの物理量を知る必要があります。高速度ビデオのデータはX軸及びY軸でメッシュ上に区分された領域に明るさのデータ(輝度値)が記録されています。
 人間はぱっと見て全体の特徴を理解することができます。計算機による画像データの理解は、原則逐次的な処理となります。右図に画像データを処理する対象と物理量のポンチ絵を示しています。
 液滴はワイヤ先端が溶融し、その溶融量が増加して大きくなり溶的をワイヤ先端で保持できなくなったときに離脱し、母材へと飛行していきます。原則、上から下への移動となります。画像データの走査は、最初に左から右へと1行分のデータを処理し、次に下から上へと各画素の値を読み込んで処理をしていきます。以下処理手順ごとに順を追って説明をします。
   

 

先頭ページ   2017.7.1作成 2017.7.17改定

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液滴領域の同定

通常の画像処理では、対象となるグループに番号を割り振る処理をして、一つの液滴か異なる液滴かを判断します。このGMA溶接の移行現象で対象とする液滴の形状は比較的単純な球形が多く、各行の計測データ内に対象物の左端と右端の座標を含んでいるため、対象とする物理量が一つ下行のデータと同じグループに属するか否かを容易に判断できます。