1.デジタルカメラの基礎知識  1.2 Cマウント

1.2 Cマウント

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 Cマウントはねじ込み方式であるため、焦点合わせや絞りを自動化するには別の信号伝達機構が必要となることおよび目盛り位置が不定となることなどの欠点があります。自動絞り機構のあるカメラの場合には、ケーブルでカメラとレンズの信号を伝達する場合も良くあります。アーク撮影で不便なのは、接写リングの厚みによっては、絞りや距離の目盛りが背面側になり、目盛りが読めなくなることです。右に実際にレンズをねじ込んだ例を示します。ピントと絞りの目盛りが側面に来ている例です。
 1眼レフデジタルカメラは35mmカメラとの互換性の問題もあり、大きく引き伸ばした写真が鮮明であることが重要なため、撮像素子サイズも比較的大きい機種が大勢を占めています。ビデオカメラの場合には素子サイズは小さいものが多く使用されています。
 右写真に素子サイズが小さい例を示します。右端はCSマウントのカメラで、5mmの接写リングを用いることにより、Cマウントカメラと同じレンズが使用できます。素子の大きさが異なりますから、撮影した映像の倍率(拡大率)は当然異なります。
 右写真にさらに素子サイズの小さいカメラの例を示します。右端のカメラのように小さくなると、レンズ自体もさらに小さくなり、光量を素子側で電子的に調節する方式が主流となります。
 高速度ビデオでは2/3"及び1/2"の素子が良く使われますが、小型のビデオカメラでは、1/3"と1/4"の大きさの素子が良く使われています。モニタ画面の大きさを表現するのに、画面の対角線の長さを用いて、その長さをインチ示した数字が良く使われています。カメラの撮像素子でも同様な表現が用いられています。しかし、それらの数字は大まかな数字で、例えば右図に示すような大きさとなっています。
 このセンサは、光を電気信号に変える機能を持ち、撮像素子(イメージセンサ)と呼ばれています。カメラには、CCDとCMOSの2種類の素子がよく使われています。CCD(Charge Coupled Device)の直訳は電荷結合素子で、受光部分、蓄積部分と転送部分の3成分で構成され、受光部に入った光を電荷に変えて蓄積部分に一時的に蓄積し、転送部分に順次転送して電気信号を出力します。CCDは、高感度高画質ですが、画素出力速度が遅くなります。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)の直訳は相補性金属酸化膜半導体で、受光部分と、受光部分で発生する信号電荷を順序よく読み出すためのMOSトランジスタスイッチの組み合わせで構成されます。CMOSはMOSの動作速度を向上させたもので、安価に大量生産できることから、デジカメなどで広く利用されています。構造はCCDに比べ単純なので、CCDに比べ高速で動作し消費電力も少ないのですが、特に暗い場所ではCCDに比べノイズが発生しやすく画質が劣るという課題がありました。最近では画質面の欠点も改良され、携帯電話にはすべてCMOSが登載されています。

次ページ   2014.10.10作成 2017.1.22改定

小川技研サイト
レンズのサイズ

・高速度カメラの主流もCMOSです。素子の値段は面積が小さいほど安価となり、特に携帯電話のように構造的な制約が強い場合には小型軽量化が重要となり、小さな素子に大量の画素を詰め込むようになってきています。

・小さい平面に大量の画素を集約すると、1画素あたりの光の量は少なくなるため、感度や色の分解などに制約が生じます。一眼レフカメラの場合には、35mmフィルムに近い大きな素子サイズが一般的なので、高価ですが鮮明できれいな映像が得られます。

・各撮像素子のサイズには適合するレンズのイメージサイズがあり、サイズが合わないと画面の周辺が暗くなったり、隅が映らなくなったりします。撮像素子のサイズと同じか、それよりも大きいイメージサイズのレンズを選ぶ必要があります。