1.デジタルカメラの基礎知識  1.8 カメラ用語

1.8 カメラ用語

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 最後に、本文中ではあまりでてこなかった用語を簡単に解説しておきます。

・画素数 = センサを構成する微小な受光素子が縦・横に何列配置しているかを表す数字で、多ければ多いほど高解像度の映像が得られます。センサ上にある全ての受光素子数を表す「総画素数」と、実際の映像表示に関係する素子数を表す「有効画素数」の2通りがあります。有効画素数は総画素数から約10%少ないのが一般的です。
・水平解像度 = 被写体をどれだけ細かく表現するかを表す数値。数字が大きいほど高画質となります。ただし、カメラの解像度が高くても、再生するモニターの解像度が低いとカメラの性能どおりの画質は再現できません。高画質でモニター再生したい場合は、モニターの解像度にも気を使う必要があります。
・信号方式 = テレビの信号方式には、秒間フレーム数(1秒間に映像を描き換える回数)や走査線(信号をモニターで映像として再現するために構成される水平線の集合)の本数などの違いにより、さまざまな方式があります。日本が採用しているのはNTSC(カラー)、EIA(白黒)という方式で、日本のほかに韓国、アメリカ、中南米などで採用されています。信号方式には他にPAL(カラー)、SECAM(カラー)、CCIR(白黒)があり、お互いに互換性がありません。電子データとしてパソコン上で扱う場合にはNTSCやPALの両方に対応したソフトが多くあります。
・最低照度 = 撮像素子が明るさを感じる一番低い明るさの目安です。ただし、どれだけはっきり映せるかということについては統一の基準はないので、メーカーによって最低照度で映せる映像の鮮明さの基準は異なります。また、レンズ交換型のカメラの場合、レンズのF値(レンズの明るさを表す値)により最低照度の数字が変わります
・同期方式 = センサ面上の電荷を走査して映像信号をカメラからモニタへと転送する際、1画面の開始時期よ一つの水平線から次の水平線へと移動するタイミングなどの一連の動作を正確にするために、カメラとモニターで動作のタイミングを合わせる(=同期させる)方式をいいます。
・内部同期 = カメラに内蔵された同期信号発生回路でタイミングを取る方式です。 ・外部同期 = 外部の同期信号発生装置を使って同期を取る方式です。
・電源同期 = カメラに入力されている商用電源の周期を利用して同期を取る方式です。
・映像出力信号 = カメラから転送される映像信号の種類を指します。一般的には色信号、輝度信号、水平・垂直同期信号、カラーバースト(色基準)信号を1つの信号に合成した複合映像信号(コンポジット信号)が使用されます。また、信号の振幅値、抵抗値は規格で定められており、「1Vp-p 75Ω」などの数値で示されます。
・AGC:自動利得調整回路(Automatic Gain Control)) = センサに入る光が多いときには信号レベルを下げ、逆に少ないときには信号レベルを上げて、映像出力レベルを一定に保つ機能のことです。AGC機能が内蔵されているカメラは、周囲の明るさが若干変わっても一定の絞りで撮影することができます。
・ホワイトバランス = カラー映像の色再現性を良くするため、白映像を偏りのないように調整する機能です。 ・逆光補正 = 逆光の状態で撮影しているときに、オートアイリス機能などが画面の明るい部分に反応して明るいと判断し、自動でアイリスが絞られて被写体が見にくくなる現象を補正する機能です。 ・固定焦点レンズ = 焦点距離は固定されているレンズで、絞りとピントを手動で調節します。 ズームレンズ = 焦点距離をかえることにより、1つのレンズで画像の拡大率を選択できるレンズです。 ・ピンホールレンズ = 小さい穴を通すことにより結像させるレンズで、レンズ径が1〜4mm程度と非常に小さく、カメラ全体の小型化したい場合に役立ちます。
・自動絞りレンズ(オートアイリスレンズ) = 被写体の明るさによって絞りを自動で調整する機能が付いたレンズをいいます。DC駆動とビデオ駆動の2つの方式があります。

次ページ   2014.10.10作成 2017.1.22改定

小川技研サイト
情報センシング

・情報センシングでは、画像とその関連する空間情報の入力と処理に関わる技術を対象としています。この10 年の間に、CCD からCMOS へと転換され、高感度化・多画素化・デジタル化・高機能化が劇的に進みました。

・中でも、イメージセンサは、スマートフォンカメラ用の小型の光学フォーマット(1/3.2 インチや1/2.8 インチ)から、コンパクトカメラ用(1/2.3 インチや1/1.7 インチ)、さらには大型カメラ用のAPS-C や35mmフルサイズまで、撮像受光面積として実に50 倍以上異なるものが使用されるなど、大幅な多様化が進んでいます。

・小型イメージセンサは、画素サイズが1000nm角程度まで縮小され、光導波路構造や裏面照射構造が導入され量子効率がほぼ100%に達しています。

・最近では,受光部と信号処理部を別チップとした積層型イメージセンサも登場し、レンズ一体型実装技術の進化と併せ、ますます撮影ユニットの体積を縮小させています。