1.デジタルカメラの基礎知識  1.5 絞りと被写界深度の関係

1.5 絞りと被写界深度の関係

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 絞りは撮像素子に入ってくる光の全体量を制御し、露出時間(シャッター速度)はその光が撮像素子に入ってくる総時間を制御します。光の入る窓の大きさ(絞り)と露出時間との積が一定であれば、撮像素子に入ってくる光の量が等しくなるため同じ映像が撮影できることが期待されます。実際には、前節で紹介した被写界深度などにより、映像の質はかなり異なります。本節では被写界深度を中心に絞りの効果について紹介します。
 絞り(F値)とは、レンズの焦点距離をレンズの絞りの孔の直径で割った値のことで、F値が小さいほど取り込まれる光の量が多くなります。同時に、ピントの合う範囲が狭くなります。逆に、F値が大きい(絞る)ほど取り込まれる光の量が少なくなり、ピントの合う範囲が広くなります。F値は絞り穴の直径の逆数ですが、取り込まれる光の量は開口の面積に比例し、面積が倍々に変化させるのが計算上は楽ですから、F値は一般に1,1.4,2,2.8,4・・・のように面積の逆数のルートで表示されます。撮影の際、絞りとシャッター速度を調整して、適正な露出を設定します。絞りを絞ると、取り込まれる光の量が少なくなるため、その分シャッター速度を遅くします。絞りを例えば4から5.6へ1絞ると光の量が半分になるので、露出時間を倍にして入ってくる光の量を等しくします。
 右図はレンズの絞りを開放(4)にした状態、図中右下は絞りを一杯に絞って開口を最小(32)にした場合の映像です。4と32では直径が1/8になり、窓の面積は1/64になります。一杯に絞ったときにロックがかかる機構がついたレンズが多くあり、絞りを開けていくときにロック解除をして回す必要があります。レンズの内部と絞りの板は光の乱反射を防ぐため通常はつや消し黒色をしており、複数の板を重ね合わせて孔の大きさを微調整します。F値が大きいときには孔はほぼ円形に見えますが、絞りをいちばん小さくした状態では多角形であることが目立ちます。絞りを小さくしすぎると光量が少なくなりノイズの影響を受けやすくなります。そのため鮮明な像を得るには、飽和しない範囲でできる限り多くの光量を確保することが必要です。このようにレンズの絞りは、撮像素子に到達する光の量を調整するのが、重要な役目ですが、それ以外にも、被写界深度を変えるという、大事な役目があります。下図に被写界深度を測定した例を示します。45度の斜面に水平方向から撮影した時に、ちょうど実寸となるように目盛りをつけた目盛りを撮影した例です。左端が絞り4.5、右端が絞り32で0.5段づつ絞るのと同時にシャッター速度を適宜遅くして撮影した結果です。絞りを解放した場合の被写界深度は10mm程度しかないのに対し、最大絞り(32)の時には40mm程度にまで広がっています。
 撮影目的によりピントを合わせるべき撮影範囲が決まり、その範囲全体がきちんとピントが合うように絞りの値を決めます。ここでは特殊な被写体を用いて被写界深度の例を示しました。実際のアーク撮影では、撮影対象である溶融池表面にメジャーを置き、その目盛りを基準にピントを合わせます。ピントの合う範囲はピント合わせの位置に関係するので、ピント合わせの対象も重要です。ピントの合う範囲は、ピントの設定距離から見て、後ろ側が広くなります。この特性があるため、通常は合わせたい範囲の中で前から1/3程度の距離にピントが合うように設定します。絞った状態で画面を見てピントを合わせると、実際にはピントが合っていないのに合ったと勘違いします。このため、ピント設定の際には、絞りを開放にして被写界深度を極力浅くしてピントを合わせます。
 右図に絞り値とピントの合い方とを比較した例を示します。左の絞りが4.5、右の絞りが32です。絞り開放では5mm程度の範囲しかピントが合っていないのに対して、一杯に絞った条件では画像全体(奥行き30mm)のピントがほぼ合っているように見えます。
 この映像を比較してもわかるように、被写界深度の大きさは、ぼけ具合の違いとしても捉えることができます。被写界深度が狭いほど、また、被写界深度の位置から離れるほど、大きくぼけてしまいます。ぼけ具合の違いでわかるように、絞りの値により、撮影した画質、例えば、細かな部分の写り具合(解像度やコントラスト)も変わります。「細かな部分の写り具合」とは、細かな部分をどれだけ再現できるかという解像度、被写体の明暗差をどれだけ再現しているかというコントラストの2点が、主な要素です。この2つは、絞りの値によって変化します。
 多くのレンズでは、絞り開放が画質の一番悪い状態です。それから、1段絞るごとに、画質が向上します。最初の1段で大きく向上し、次の1段でさらに向上し、その後はレンズの最高状態に少しずつ近付きます。さらに絞り込み最小絞り近くになると、画質が悪くなる傾向があります。このため、画質を最優先する場合には、開放絞りと最小絞りでの撮影を避けるよう留意しておく必要があります。
 一つ上の図では目盛り部分のみを比較しましたが、実際には上図に示すように画質を判断するための線模様も印刷された被写体を撮影します。絞りの違いで画像がどのように変化するのかについて紹介します。右図に白い無地部分の明るさの最高値をプロットした例について示します。絞りと連動して露出時間も調節して撮影した結果なので、絞りが異なっても輝度はほぼ同じになるはずですが、開放(F=4.5)の場合のみ全体的に明るさは低下しています。この図の横軸目盛は5mmで、白地部分の最も明るい値を表示した例です。白黒まだら模様の領域について、輝度の高いほうから5%の領域の平均輝度についてプロットした例を右図に示します。絞値が小さいほど輝度の高い領域が広くなります。輝度の最も高いところが合ピント位置となりますが、絞りすぎると見かけ上のピント位置がやや前に移動すること、および最高輝度値が少し低下することが分かります。
 右図は下限5%の黒領域輝度の比較を示す例であり、ピントが合うところで最も低い値となることが期待されます。ある程度絞りが開いている状態では、ピントが合っている領域で輝度は極小となりますが、絞りがきつい場合には逆にピントが合っている場合に輝度が増加する傾向が見られます。

 右図は絞りと上限5%と下限5%の差の関係を示した例で、ピークとなる位置が最もピントの合っているところで、絞りを絞るほどピントの合う位置が広がることがこの図から理解できます。
 右図は白地の多い目盛り部分の最大値と最小値の差を表示した例で、この場合には白地の部分が大きな割合を占めるために、映像がぼけても輝度の差は大きく、白地と黒地の面積が等しい前の図とは少し様相が異なっています。
 右図はピントが合っている位置における、上限5%の輝度平均、下限5%の輝度平均およびその差を、絞りに対して表示した例です。絞り開放では最高輝度は低く、最小輝度は高くなり、1−2段階絞った状態で特性がよくなることが分かります。逆に絞りすぎると暗い部分の輝度が徐々に増加するなどしてレンズの特性は若干低下することがこの図から類推できます。
 溶接現象のようにカメラからの距離が短く狭い領域を撮影する場合には、右図に示すように、カメラレンズの中心に比較して周辺部の光量が低下する(中央から離れるほど暗くなる)傾向が顕著になるという問題があります。図に示したのは、実際の撮影とほぼ同じ距離、同じ大きさの領域においた白い紙に照明をあてて撮影した例ですが、中心から周辺に行くほど輝度は低下しています。また、絞りが開いているほど明るさは相対的に低くなっています。厳密にはこのような位置による輝度の相違を校正した上で、被写界深度によるぼけの差や輝度について検討する必要があります。

・撮影方法
 以上のデータは右図に示すような配置で、カメラとチャートとの距離を一定にして、絞りと露光時間とを調整して撮影したデータの特性です。このため、レンズの特性と照明が結果に影響を与えている可能性があります。レンズの影響を小さくするために、ピント位置と絞りを固定して、カメラとDOFチャートの距離を変化させて同様に評価した結果について紹介します。下段に示した絞りが4.5の映像では被写界深度は5mm程度で被写体が5mm移動するのに伴い、ピントの合う位置も5mmずれていく様子がはっきりしています。一方、絞りが32の場合には被写界深度が30mm程度に広がることが分かります。

・被写体位置の変化によるピント位置の移動
 下図は上段F32,下段F4.5、左から5mm刻みで遠方に移動させ、ピント位置が異なると画像にどのような影響があるかについて検討しました。

 次に、画像の中央部の輝度情報とピントとの関係を調べます。下図に被写体位置の変化により画像中央部(20x20画素の領域内)の輝度情報がどのように変化するのかについて示します。極大となっている位置がピントの合っているところです。現在比較している領域は大半が白字で細い黒線が少し含まれている状態ですから、このような画像では、領域の中の最小値をプロットした曲線上で、極小値となる位置が正確にピントの合っている距離となります。最大値が極大となるのは1mm手前、平均値および中間値が極大となるのはそれぞれ5mmと3mm手前となっています。最大値から最小値を引いた値は最小値と同じ位置で極値となっています。輝度の低い方から5%の輝度の平均はほぼ最小値と同じ、高い方から5%の平均は最大値とほぼ同じ傾向となります。また、上下端それぞれ5%の輝度を除いた平均値は中間値とほぼ同じ数値です。全体の平均値は極小値の影響を受けており、この曲線の最大となる位置はピントの合う位置より5mm手前となっています。
 ピントが合っているかいないのかを判断する指標には何を用いるのが効果的なのかについて検討してみます。ピントが合うと明るい点は明るく、暗い点は暗くなると考えられます。最大値から最小値を引いた値が極大となる位置を調べた結果を右図に示します。雑音誤差やレンズの付着物による影響を除去するため、上下5%の平均値を用いた結果も併記していますが、この指標がピントを調べるのに適しているようです。また平均二乗誤差も指標として用いることができそうです。×印で記しているのは、隣り合う画素の差の最大値でピントが合うと白と黒の境界が鮮明に区別されることから、有意な差があると考えて表示しましたが、有意な差は認められませんでした。
 右図は平均二乗誤差を平均値で割った値(誤差率)をプロットした例で、この場合もピントの指標として有効と考えられます。上下5%のデータを除いて同様に計算した結果からは、ピントに関する情報は認められない結果となり、最大値と最小値がピントに関して有効な指標となることが確認できます。以上は20x20画素の領域での結果です。
 右図は500x500画素の広い領域で計算した結果で、この領域の広さは奥行き方向に5mmの差があります。結果として5mm分幅広の特性となり、ピントの確認にはあまり有効でないことが分かります。当たり前のことですが、正確にピント位置を計算するにはカメラから等距離に存在する領域の計算が必要であることが分かります。
 次に絞りを32にして被写界深度を深くした場合について検討します。計算する領域は20x20画素です。右図に示すように被写体位置と輝度情報の関係は不明量となり、幅広い範囲でピントが合うことが理解できます。
 右図は平均二乗誤差を示した結果ですが、この場合は平均二乗誤差を用いてピントの調節をするのが好ましいようです。ここまでの結果からもピントを合わせるときには、絞りを開放にしておくほうが効果的であることが分かります。
 右図は白黒の縞模様の領域について、被写体位置と輝度情報の関係を計算した例で、白黒の領域がほぼ同等な被写体でも同様な結果が得られています。
図6.1.2.4.21 被写体位置と輝度情報の関係(8)
・撮像素子サイズと被写界深度の関係
話を簡単にするために、レンズから被写体までの距離(L)が200mm、撮像素子サイズが1インチ、倍率(m)が1を基準として素子サイズとレンズの焦点距離およびレンズから撮像素子までの距離との関係を考えていきます。
m=l/L=1
ですから
f=D/4=L/2
となりf=100mmのレンズが必要となります。ここで、撮像素子のサイズがa倍のカメラに変更した場合に、レンズと被写体の位置を同じにしたままで、前のカメラと同じサイズの映像を撮影することを考えます。撮影された画像データがもとの1インチの素子と等価となるためには、倍率もa倍となる必要があります。この素子で撮影するときの倍率をmx、新しいレンズの焦点距離をfx、レンズから素子までの距離をlxとすると以下の関係が成立しなければなりません。
mx=lx/L=a
fx=(L+lx)/(2+a+1/a) =(1+a)L/((1+a)^2/a) =aL/(1+a)
この式からすぐわかるように、レンズから新しいサイズの素子までの距離は倍率aに、レンズの焦点距離はa/(1+a)に比例します。この関係を表にすると以下のようになります。
被写体とレンズ間距離が200mmで等倍に撮影する時の条件
素子のサイズ(インチ)  1 2/3 1/2 1/3 1/4 1/5
レンズ−素子距離(mm) 200 133 100 67 50 40
レンズ焦点距離(mm) 100 40 33 25 20 17
 この表から明らかなように、撮像素子のサイズが小さくなると必要なレンズの焦点距離が短くなり、撮影に用いるカメラの全長も短くなります。
 次に被写界深度について考えます。ピントの合っている位置LからdLmm手前位置に存在する被写体について考えてみます。レンズと被写体との距離はL-dLですからカメラ側では撮像素子からdl奥側でピントが合い、撮像素子の位置からのずれ(dl)は
dl=f(L-dL)/(L-dL-f)-l
となります。ここで、図0601026に示した奥行き方向の位置ずれとぼけの関係(レンズの絞り開口半径をcとします)を用いると、ぼける半径(c')はcに比例し、
c'=cdl/(l+dl) =cmL(L-dL-f)/(f(L-dL))
となります。ここで重要な数値はc'そのものではなく、素子サイズに占める割合(c'/h[h=mH])です。
c'/h=cmL(L-dL-f)/(mHf(L-dL)) =cL(L-dL-f)/(Hf(L-dL))
元々の素子サイズに対して大きさがa倍になったときのぼけ度合いの比k(=c’xh/chx)は,
k=cxL(L-dL-fx)/(Hfx(L-dL))/(cL(L-dL-f)/(Hf(L-dL))) =cxf(L-dL-fx)/(cfx(L-dL-f))
Cとcxは同じとし、f=L/2と考えると
k=(1-(1+a)dL/L)/(a(1-2dL/L))
となります。
 レンズと被写体の距離を200mmと一定にして、撮像素子のサイズを小さくし、画像データとしては同じになるような焦点距離のレンズを利用して撮影する時の、被写界深度について検討します。被写体の位置がdL手前に移動したとき、画像データとしてのぼけ具合は、表のように変化します。素子のサイズが小さくなるほどぼけ度合いは大きくなります。その逆数が被写界深度の深さに比例することになり、素子が小さいほど被写界深度が浅くなるという結果が得られます。
被写体とレンズ間距離が200mmで等倍に撮影する時の条件
素子のサイズ(インチ)  1 2/3 1/2 1/3 1/4 1/5
ぼけ度合いの比k  1 11/8 17/8 13/4 35/8 11/2
被写界深度 1 8/11 8/17 4/13 8/35 2/11
 一般的に、被写界深度はレンズの焦点距離が短い(広角レンズ)ほど、深くなるとされています。以上の結果はこれと矛盾しているように感じられます。同じ撮像素子を用いて、使用するレンズの焦点距離を20mmから320mmまで倍々にして無限遠を撮影する時の画角を考えてみます。画像の高さが24mmとした時、図6.1.2.4.22に示すような画角となります。鉛直方向の画素数が480としたとき、1画素あたり0.05mmの大きさとなります。絞り(F値)とは、レンズの焦点距離をレンズの絞りの孔の直径で割った値のことですから、すべてF=4とすると、絞りの直径はレンズの焦点距離の短い順から、5, 10, 20, 80, 160mmとなります。計算で使う数字としての絞りの半径(c)は、2.5, 5.0, 10, 40, 80となります。距離Lの位置にある像がピントを結ぶ位置lは
l=Lf/(L-f) 
となり、絞りの半径がcの時、中心軸上での最大ぼける半径dは、以下の式であらわされます。
d=(l-f)c/l  =fc/L
図6.1.2.4.22 無限遠に焦点を合わせた時の画角 0601020422_focal_length.gif
 この値の倍(直径)が1画素あたりの大きさ以内であれば、見掛け上ぼけていないということになります。この限界値を計算すると、無限遠に焦点を合わせた時に、ぼけずに撮影できる距離は焦点距離の短い順に、2m, 8m, 32m, 256m, 1024mとなり、レンズの焦点距離が短いほど被写界深度が深くなることが分かります。ここの値はレンズの焦点位置を無限遠に合わせた時、どの程度近くまでピントが合っているように見えるのかという指標です。注意しておかなければならないのは、レンズの焦点距離が半分になるごとに、撮影される領域が半分になる(面積では1/4)ということです。具体的には焦点距離20mmのレンズで撮影された1画素の領域は、320mmの望遠レンズでは16x16=256画素となります。望遠レンズでは拡大された画像を見るために、奥行き方向の違いも明瞭に区別できるために。被写界深度が浅くなります。一方、広角レンズでは広い範囲を圧縮してみているために、奥行き方向の違いが気にならないという風に考えることもできます。
 このことを整理するために、320mmの望遠レンズと同じ画角となるような素子について考えます。具体的には、図6.1.2.4.22と同じ位置で焦点を結ぶ系について、焦点距離が半減するごとに画像サイズを半減した素子について検討します。素子のサイズが小さくなっても画素数は480のまま一定という条件がここで必要になります。この場合、1画素あたりのサイズも半減していきます。このため、この系で無限遠に焦点を合わせた時に、ぼけずに撮影できる距離は、撮像素子が小さく、レンズの焦点距離が短い順に、 32m, 64m, 128m, 512m, 1024mとなり、素子のサイズが同じ場合より範囲は狭くなりますが、被写界深度は深くなっています。
 以上はあくまで大まかな傾向を理解するために仮の数値を用いて計算した結果なので、実際のカメラの被写界深度とは異なる数値となります。風景や人物の撮影では、カメラから撮影対象までの距離が長い場合が一般的です。広角レンズを使うと被写界深度が深くなり、撮像素子のサイズが小さくなるとレンズも広角となることから、被写界深度が深くなるという結論は遠くのものを撮影する場合には当てはまります。しかし、アーク現象の撮影のように至近距離での撮影で、なおかつ拡大率も大きく、被写体からカメラの距離を一定にしなければならないなどの制限がつく場合には、事情が異なり、広角なら被写界深度が深いとは限りません。正確な計算は結構複雑となりますが、傾向を事前に確認するために、代表的な条件で大まかな数字を算出し、できるだけ単純な系を用いて計算する習慣をつけることが重要です。

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絞りとピント

・広角レンズを使うと被写界深度が深くなります。撮像素子サイズが小さくなるとレンズも広角となることから、被写界深度が深くなるという結論は遠くのものを撮影する場合には当てはまります。

・アーク現象の撮影のような至近距離での撮影では、拡大率が大きく、被写体からカメラの距離を一定であることなどの制限がつきます。この場合には、広角なら被写界深度が深いとは限りません。正確な計算は結構複雑となりますが、傾向を事前に確認するために、代表的な条件で大まかな数字を算出し、できるだけ単純な系を用いて計算する習慣をつけることが重要です。

思考力のデザイン

・「むし(虫)」は「湿度が高い=むしむしする」ために発生したものと言う意味
・鹿児島地方では菌類病であるタバコ疫病をボタンムシと呼んでいた。
・江戸後期の篤農家である小西篤好は著書「農業余話」で「病と虫とは始末の違いである。気が腐って病となり、病が終わって虫となる」と記し、病と虫とが一体のものと考えていた。
・かなり長期間(ギリシャ時代から19世紀にパスツールが微生物が空気中に存在することを培地により証明するまで)、病害は植物が変化したものと考えられていた。
・後付で考えると「まぐれ、超ラッキー!」としか考えられない発見も多々あるが、前向きに必死で追求する姿勢には脱帽です。
・デザインする思考力 / 東大エグゼクティブ・マネジメント, 東大EMP, 横山禎徳/編, 東京大学出版会, ISBN 978-4-13-043052-4