6.3ex. GMA movies data sheet

6.6 MG50, 1.2mm, Extension=25mm, Welding speed=30cm/min

前ページ

 このページではアルゴンとヘリウム及びその両者を50%づつ混ぜた3種類のシールドガスでの溶接アーク現象を紹介します。最初が電極ワイヤがプラスの場合、次いで、電極ワイヤがマイナスの場合の映像を紹介しています。電源の設定目盛はほとんど変化させていなかったはずですが、結果的に計測された電圧・電流値は極性及びシールドガス組成により変化しています。
6.6(A) Comparison of shielding gas (Ar,He) DCRP on SUS304
Horizontal, DCRP, SUS304 Vertical, DCRP, SUS304 Vertical, DCRP, SUS304
Horizontal,DCRP, 24V, 160A Vertical, Ar on SUS304 Sound,V(V),I(A) (1)gma03w32
Horizontal, DCRP, Ar50%+He50% SUS304 Vertical, DCRP, SUS304 Vertical, DCRP, SUS304
Horizontal,DCRP, 23V, 170A Vertical, Ar/He on SUS304 Sound,V(V),I(A) (2)gma03w13
Horizontal, DCRP, He15L/min Vertical, DCRP, SUS304 Vertical, DCRP, SUS304
Horizontal,DCRP, 28V, 120A Vertical, He on SUS304 Sound,V(V),I(A) (3)gma03w14
 最初は電極ワイヤがプラスの場合の比較です。電極ワイヤプラス母材SUS304は共通です。
(1)Ar24V160A:すでに紹介した映像です。グロビュール移行とスプレー移行が交互に生起しています。
(2)Ar/He23V170A:ArとHeを50%づつ混合した条件です。電離電圧の高いヘリウムが50%含まれていることから、見た目には、溶滴は小さい状態で母材に接触を多数かい繰り返す、短絡移行形式での現象となっています。詳細に見てみると、小径の溶滴の短絡によるグロビュール移行と、それ以後の非常に短いアーク長でのスプレー移行と見ることもできます。
(3)He28V120A:ヘリウム100%の場合には、短絡移行と考えるべき移行形態を示しています。溶滴が母材に接触せずにワイヤから離脱する映像は撮影時間範囲では視認できません。
6.6(B) Comparison of shielding gas (Ar,He) DCSP on SUS304
Horizontal, DCSP, SUS304 Vertical, Ar onSUS304 Vertical, DCSP, SUS304
Horizontal,DCSP, 28V, 180A Vertical, Ar on SUS304 Sound,V(V),I(A) (4)gma03w21
Horizontal, DCSP, SUS305 Vertical, Ar/He on SUS304 Vertical, DCSP, SUS304
Horizontal,DCSP, 28V, 120A Vertical, Ar/He on SUS304 Sound,V(V),I(A) (5)gma03w22
Horizontal, DCSP, Mild steel Vertical, DCSP, He on SUS304 Vertical, DCSP, Mild steel
Horizontal,DCSP, 27V, 160A Vertical, He on SUS304 Sound,V(V),I(A) (6)gma03w23
 次は電極ワイヤがマイナスの場合の比較です。電極ワイヤプラス母材SUS304は共通です。
(4)Ar28V180A:すでに紹介している映像です。電極マイナスの場合には、電極ワイヤ固体側面でのクリーニング作用が見られます。アーク長は長く一応スプレー移行ではありますが、溶滴サイズは比較的大きいままでの移行になっています。
(5)Ar/He28V120A:ほとんど短絡の伴わないグロビュール移行となっています。映像の前半部分ではアーク電流は非常に低い状態で記録されていますが、後半のアーク映像とほとんど相違がないので、この記録が正しいのかどうか半信半疑の状態です。カソード領域が激しく動くのと、時折ワイヤ固体表面のクリーニング作用が目に付くのが特徴です。
(6)He27V160A:電離電圧が高いヘリウムシールドらしく、非常に短いアーク長でのスプレー移行となっています。時折溶滴が母材溶融池に接触(短絡)する場合もありますが、私はスプレー移行に分類すべきだと思っています。

次ページ   2016.7.1作成, 2016.8.20改定

小川技研サイト
水中溶接目次
溶接動画一覧
動画の再生法
・右端の画像をクリックすると、2画面(右カラー:左熱画像)同期の映像が再生されます。
・画像下の下線付き文章をクリックすると、4500fpsの左側カラー画像のみ4分30秒再生されます。
・カラー画像のみの別タブ再生には、観察した所見を説明として付けています。
・2画面同期映像は、左右を見比べればある程度分かるので、説明は省略しています。
・図をクリックすると別タブで少し大きな画像が表示されます。