7.労働安全・感電・腐食

・水中作業の安全・感電・腐食は、陸上とは異なる認識が必要なので、労働安全・衛生管理に関係した事柄を紹介をします。

3.12 感電事故防止方策

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感電事故現場での対応
 電気は非常に便利ですが、目に見えず、臭いもなく、音も無いという存在です。外観からは、電圧がかかっているのかいないのかは全く判別できません。感電事故の多くは、電気のかかっている部分に、うっかり触ってしまうことにより起こります。しかも、さわりどころが悪ければ、20ミリアンペアという小さな電流で、死亡することもあります。また、皮膚近くの外傷はある程度元通りの状態に治癒できますが、電気による火傷は組織内部を損傷し、外傷に比較して相当治癒が困難です。
 もし、周りの誰かが感電した場合、あわてて感電した人の体に直接手を触れてはいけません。自分まで感電してしまい、ミイラ取りがミイラになる恐れがあります。最初にするべきことは、感電の原因を取り除くこと、すなわち、大元の電源を切ることしかありません。電源が切れない状況に遭遇した場合には、手のかわりに木の棒などの電気を通さないものを使い、原因となる電源コンセントや電気コードなどから、感電した人を引き離すことになります。手足が濡れた状態では絶対に電線や電気機器に触れないことが大切です。乾いた布、或は、衣服などを手に厚く巻きつける、あるいは、床面に電気が流れないように絶縁靴を履くか絶縁シートをしくことにより、自分自身が感電しない状態をまず確保します。その状態で、感電した人の衣服をつかんで引き離さします。感電事故の発生率は少ないが、24.4%が死亡に至るなど死亡率が高いため、特に二次災害に遭わぬようにきめ細かい注意が必要です。
 感電した人がやけどをしている場合は、安静な状態を保ちながら病院へ直行します。見た目の症状がひどくなくても、電気が体内を流れたことで、体の内部が損傷を受けている危険性があります。また、ショック状態の場合は、体温を下げないように毛布などでくるんで病院へ運びます。呼吸が止まっていたり、意識不明の場合も含めて、感電事故の場合にはすぐに救急車を呼ぶべきです。電撃を受け意識を失った場合、人工呼吸で蘇生する可能性が高いので、救急車を待つ間、人工呼吸や心臓マッサージができるように、方法を覚えておくことが大切です。

感電事故防止法
 重大事故の多くは、一寸した不注意によって起きます。技術的に未熟な場合はもとより、熟練していても疲労が激しい場合や睡眠不足で注意力が散漫な状態では、うっかり危険な操作を行うことがあります。ある意味、あらゆる機器類は潜在的に事故の可能性を有し、扱い方によっては危険なものであることを十分認識し注意をすることが重要です。感電事故を防止するためには、次に上げる感電事故防止の鉄則をよく理解・遵守し作業環境と手順に気配りしなければなりません。

感電事故防止の鉄則
(1) 濡れた手や素足に近い状態では、電気機器、電線等に触らない。
(2) 安全保護具の着用(保安帽、絶縁手袋、絶縁長靴)を義務付ける。
(3) 充電部分の露出防止を確実に実施する。
(4) 安全装置(ヒューズ、ブレーカ、漏電遮断器)をきちんと取り付ける。
(5) ケーブル断面積は安全を見て、異常電流が流れても焼損しにくいものを使う。
(6) 接触不良を回避するため、コネクターは必要最小限にする。
(7) ターミナルは規定に即したものを用い、端子が疲労破断しないよう注意する。
(8) ワイヤ間にスペーサ設置し、短絡事故防止を図る。
(9) 電線は検査しやすい位置に配置し、機械的に防護する。
(10) 配電盤内に湿気がこもらないようシールする。
(11) ここの機器ごとに配線し、共通のケーブル使用はしない。
(12) 有害ガスの出る恐れのあるプレートは用いず、各プレートは熱のかからない場所に設置する。
(12) 間違った操作ができない(フールプルーフ)システムにする。
(13) 危険を見過ごさない職場のムード作りに努める。
(14) 破損したプラグやテーブルタップ、端子類、古くなったコードは取りかえる。
(15) 水の近くで使用する電気機器や本体が金属の電気機器は、接地を確認してから使う。防水機能のあるものを使う。
(16) 水漏れなどの可能性のある場所では、フレーム接地を励行する他に、漏電遮断器を取り付ける。また、コネクタやテーブルタップは床に置かないこと。あるいは防水機能のあるものを使う。
(17) 電気機器は漏洩電流が流れないように、ゴミや油を清掃してから使う。
(18) コンデンサの端子にさわるときには、完全に放電させてから行う。コンデンサは電源を切っても、自然に放電するまでに長い時間がかかる。
(19) 電気器具に触る時には、まず検電器を用いて電気がきていないことを確認した上で、器具を持つ習慣をつける。手の筋肉は物を握り締める方向に動くことを意識する。
(20) 柔軟性のある電線ははんだ付けしない。疲労強度が低下する。
(21) 検査記録を残し、規則に合うかどうか常に確認する。
(22) 捕集や改修の都度、その作業内容と個所を記録しておく。
(23) 漏電遮断器などの動作テストを行い記録に残しておく。

次ページ 2016.04.02作成 2019.12.22改定

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タイムラグ
 最近は時間的な余裕が有ることもあり、読書やテレビだけでなく博物館・美術館にも良く足を運びます。海外の博物館では名品展示だけでなく、その製作過程や製作に使用した工具類、原材料などと共に、製作過程あるいはそれらの流通ルートなどについての紹介もなされています。
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 復興の祖としてたたえられていた功績が、実は罷免した前任者の努力がようやく軌道に乗ったおかげであることなど、今まで知識の欠陥と理解の間違いに気づき、社会の空気にあがらうことが日本以外の国においても如何に困難なのかについても考えさせられる作品でした。