3気圧でのGTA溶接

7.3気圧でのGTA溶接

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水中溶接では水深が深くなると周囲の雰囲気圧力が高くなり、電離度や熱伝導度などアーク放電に関わる重要な熱輸送量などが変化し、プラズマの状態が変化する。また、シールドガスは圧縮性であり雰囲気圧力により、その流れ方も変化する。このページでは3気圧におけるアークの状況を紹介する。

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3気圧でのGTA(Ar)溶接のカラーCCD映像、アークは緊縮し、上半分は非常に細くなる。母材表面近傍では横方向に広がる。電極先端部近傍のリムは大気中より形成されやすくなる。 (0220_20hp, 200×200, 17秒) 132)
3気圧でのGTA(Ar)溶接のカラーCCD映像。周辺空気の巻き込みによる電極の異常消耗と、磁気吹きによるアノード位置の異常変動が生じやすくなり、ビードは蛇行。高気圧雰囲気では、シールドガスの流れが変化し、大気中とは異なる様相を示す。的確にシールド条件を設定しないと、このようにアークが不安定になり、電極が異常消耗する危険性が高くなる。 (222_6hpx1, 256×128, 11秒) 133)
3気圧でのGTA(Ar)溶接のカラーCCD映像(クイックモーション10駒/秒表示)。圧力チャンバー内での溶接であり、母材裏面部に存在する水の蒸発によるチャンバー内部の曇りにより映像はぼけてくる。シールドガス条件の選定は難しく、大気中での溶接より電極リムの成長が早くなる。 (28_3hp-fume, 200×200, 04秒) 134)
3気圧でのGTA(Ar)溶接のカラーCCD映像。シールドガスが不足して電極が異常消耗する例。水冷銅板上への静止アーク溶接。シールド条件が悪化し内部に酸素が入り込むと電極は酸化反応により消耗する。シールド条件の悪化に伴い、アークプラズマもさまざまに変化する。 (301_8hpx, 200×200, 64秒) 135)
3気圧でのGTA(Ar)溶接のカラーCCD映像。安定な溶接が行われるが、電極先端部のアークプラズマのすぐ上の領域で、タングステンのデンドライト結晶が次々に成長している。デンドライト生成部(リム部)の上で酸化タングステンが蒸発し、蒸発した酸化タングステンはプラズマ内部で解離し、リム部で再結晶化する。 (n28hp-dnd, 200×200, 13秒) 136)
3気圧でのGTA(Ar)溶接のカラーCCD映像、安定な溶接が行われるが、電極先端へはリム(タングステンのデンドライト結晶成長)が次々と発生、成長位置は少しづつ上に移動。アークは電極先端部に集中して発生し、電極の明るく撮影される領域が大気中よりかマリ上に移動する。これは、高気圧中のほうが電極温度が高いことを示唆する。 (n29hp-dnd, 200×200, 12秒) 137)
3気圧でのGTA(Ar)溶接のカラーCCD映像、安定な溶接が行われるが、電極先端へはリム(タングステンのデンドライト結晶成長)が発生、成長位置はほかの場合より上で発生。溶接の進行と供にリムが形成される位置は変化する。ある程度伝とライトが成長すると根元付近で折れ曲がり、先端部は下方に移動し溶融される。 (n30hp-dnd, 200×200, 12秒) 138)
3気圧でのGTA(Ar)溶接のカラーCCD映像、安定な溶接が行われるが、電極先端へはリム(タングステンのデンドライト結晶成長)が次々と発生、成長位置は少しづつ上に移動。 (n31hp-dnd, 200×200, 12秒)

次ページ 2017.05.13作成 2017.05.13改訂