メガフロート建造

9.メガフロート建造

前ページ

メガフロート技術共同研究組合が実証試験を行い、浮体式洋上空港の建造と洋上施工技術を取りまとめた映像を紹介します。この研究により洋上空港を実際に建設するために必要な技術課題を抽出し、安全にかつ経済的に建造と運営補修を行うノウハウを蓄積しました。水中溶接と水中切断についても考えられる手法のすべてについて、問題点や経済性を検討し、実用化に必要な知識と経験を蓄積しました。

Click image to watch movie
メガフロートの水中ガス切断(まとめ)。1000mのフェーズ2フロートを実際に水中切断(全長1000m以上)し、解体、撤去も経済的に行えることを実証しました。自動ガス切断の利点は、きれいな切断面を経済的に得られる点にあります。切断開始前には水が無い状態なので、解体後の使用計画に合わせて内装(切断後は外装になる)を行い、切断したままの上体で新しい目的に供用できるようにした。問題点は二つあり、開始直後に切断穴から海水が逆流してくること。この条件でも安定に切断が持続できるよう工夫をした。次は、外壁に付着した生物付着で、このような付着があっても問題なく切断できる技術を実用化した。 (mega_cut, 256×200, 46秒) 203)
メガ(フェーズ1=全長300m)の建造(メガフロート技術共同研究組合ビデオ)の概要。まず300mLx60mWx2mDの浮体を9つのユニットを洋上接合で建造した。洋上で確実にかつ経済的に接合を行うためのノウハウを蓄積した。 (mega_00, 200×156, 20秒) 204)
メガ(フェーズ1=全長300m)の建造。3年計画の2年目(1995年)に横須賀の住友重機械工業の横に完成させ、最後の接合作業を公開した。 (mega_01, 200×156, 12秒) 205)
メガフロート浮体ユニットの引き寄せ作業。機械的なフィッティングを行い、接合部がきちんと設計の範囲内で組み合わせる技術を完成させた。この状態が構造的には最も不安定な状態であり、引き寄せ作業を短時間で完了し、仮固着した後、本溶接により構造物を完全に仕上げる技術を実証した。 (mega_02, 200×156, 24秒) 206)
メガフロート建造の手順(浮体ユニットの結合と周辺施設の建造)。各地の造船所や鉄工所で建造した個別の小さい浮体ユニットを、現地に集積し一気に組み立てて洋上飛行場を建造する。時間のかかる埋め立て作業のないプレハブ方式であり、極めて短期間で現地建造が終了する。また、各浮体のバラスと調整などでクレーン作業なしで建造できる特徴を持つ。浮体への波浪加重を軽減させるため、外側に防波堤が必要となる。 (mega_03, 200×156, 40秒) 207)
メガフロート(洋上空港)での離着陸のアニメーション。洋上空港の概念を示す。浮体式では、周辺特に生態系への影響が少ない。 (mega_04, 200×156, 30秒) 208)
メガフロート浮体ユニットの結合手順。洋上接合では、各浮体への拘束力が非常に少なく、構造物は溶接による熱加重で変形する。それぞれの溶接過程で構造物がどのように熱変形するのかを計測し、完成時に所定の精度を保障するための技術を確立した。 (mega_add, 200×156, 7秒) 209)
造船所でのメガフロート浮体ユニット建造作業。各地の製造所で、そこの施設規模に合わせた大きさの浮体ユニットを建造し、それを現場海域に曳航して組み合わせる。このような大きな構造物は、日射による変形が無視できず、現場でのを精度を保障するための計測と建造手法を確立した。 (mega_const, 200×156, 28秒) 210)
メガ(フェーズ1全長300m)の建造時の上甲板の溶接。現場での接合工事では想定外の状況も発生する危険性があること、機械的な固着過程で多くの固着ピースを使用することと建造のノウハウを蓄積したいことなどから、現場接合では熟練作業士による溶接を中心に実施した。 (mega_wg0, 200×156, 27秒) 212)
メガフロート建造のための水中溶接工法(圧気式による水の排除)。浮体ユニットは多くの隔壁で小さい空間が多数ある構造であり、上端を溶接で塞いだ後、内部を加圧し海水を除去して乾いた上体を作り溶接作業を行う方式を確立した。 (mega_wg1, 200×156, 12秒) 213)
メガフロート建造のための水中溶接工法(圧気式による水の排除の概念と実際の状況)。初回の接合ではまずデータを取得することと不測の事態を回避するため、安全策として底部の突合せ箇所は大きく間を開け、実際の固着作業で底面がどの程度の精度で組み合わされるかについて調査し、現場で底部の溶接に適した部材を間に設置して溶接を実施した。このときのデータをもとに、各ユニットをそのまま溶接するために必要な建造精度を明らかにした。 (mega_wg2, 200×156, 29秒) 214)
圧気式による水排除の状況と溶接。底面から確実に海水を排除するためのノウハウを蓄積した。 (mega_wg3, 200×156, 17秒) 215)
ワークベッセルによる底面の溶接。大きな風呂桶のようなワークベッセルを開発し、フライ接合部下面に設置して溶接部の水を排除して溶接する方式を検討し、その経済性について検討した。この方式では裏面に余分な部材を仕様説、裏面からの溶接と後工程である塗装作業が行える。 (mega_wg4, 200×156, 23秒) 216)
サイドチャンバーによる側面の溶接。接合部側面の溶接に用いる。側面部は溶接線近傍の塗装作業が必要となり、このようなサイドチャンバーを用いることが効果的である。腐食防止のためのチタンライニングについても、自動溶接装置を開発し、技術的なデータを蓄積した。 (mega_wg5, 200×156, 36秒) 217)
メガ(フェーズ1全長300m)の建造時の水中溶接実施状況。初層を海水中で実施し、初層溶接完了後に水を排除して完全な溶接を実施する手法も確立した。大型水送電モックアップ試験で性能を確認した後、実際にメガフロートの建造に現場で自動水中溶接を適用した。 (mega_uw1, 200×156, 40秒) 218)
上向き姿勢による水中補修溶接。浮体式洋上空港が実用されると、巨大の構造物の船底部の補修が必要になる場合もある。また、これらの構造物は改造や増築も必要になることがある。この作業を効率よく実施するために、海中で浮体裏面を上向き姿勢で溶接する技術を確立した。 (uw-ovhd, 320×240, 30秒) 219)
解体撤去作業の手順。浮体式空港はその用途が終了したときに解体して取り除くことが簡単に行え、もとの海域に戻すことができる。切断部は直線的な構造が多く、自動化に適している。 (mega-subt, 200×156, 7秒) 211)

次ページ 2017.05.13作成 2017.05.13改訂