水中裏波溶接

11.水中裏波溶接

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水中で構造物をつなぎ合わせるときに、裏側に金属を貼り付ける溶接では、疲労やさびなどが発生し構造物の強度信頼性が低下します。メガフロート技術研究組合との共同研究の時には摺動銅板を用いた裏波溶接技術を確立しました。この方法より構造的に簡単な防水セラミックを裏面に貼り付ける湿式アーク溶接技術を開発しました。この技術はJOIA(日本海洋開発産業協会)の委託を受け三井造船と協力して完成させました。

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局部乾式ボックス内の進入水の挙動観察。裏当に用いるセラミックは多孔質の材料であり、水分を内部に取り込みやすい性質を持っています。湿気を含んだセラミックは、溶接に悪影響を及ぼし、実用上は湿度管理に気を使っています。三井造船が開発した、超撥水性塗料をセラミックに塗布することで、水中溶接に問題なく適用できるようになった。っ適正なシールドガスを流すと内部の水を容易に排除できる。 (mes_s01, 256×200, 5秒) 158)
超撥水セラミックを用いた局部乾式水中溶接時のアーク溶接現象。撥水塗料はシリコンが主成分であり溶接結果に悪影響を及ぼすことは無く、アーク条件にもほとんど影響を与えない。このため、水中溶接に適している。局部乾式溶接中の映像で、ビデオの露出が過剰な条件で溶融金属の観察ができる。 (mes_s02, 256×200, 10秒) 159)
超撥水セラミックを用いた局部乾式水中溶接時のアーク溶接現象。露出を少なくし、ウィービングにより溶融金属がどのような挙動をしているのかを観察。通常のビデオカメラを用いている。溶融金属表面に微細な波面が見られる。 (mes_s03, 256×200, 20秒) 160)
超撥水セラミックを用いた局部乾式水中溶接時のアーク溶接現象。電流を増加させるとアークからの光は強くなり、溶融金属の挙動も変化する。セラミック裏当の場合には、溶融金属がアーク部より先行することが重要となる。 (mes_s04, 256×200, 20秒) 161)
超撥水セラミックを用いた局部乾式水中溶接時のアーク溶接現象。不適正条件の例。電極の送求速度が速すぎ、ワイヤがセラミックに突入した状態でアークが発生している。銅裏当では銅の部分で短絡するが、セラミック裏当の場合には短絡せずにアークが持続する。ワイヤは湾曲しウィービングとアーク部とが一致せず、溶接は不良となる。 (mes_s05, 256×200, 16秒) 162)
超撥水セラミックを用いた局部乾式水中溶接時のアーク溶接現象。適切に溶接条件を設定すると、水中でも安定に裏波溶接が実施できる。この場合にはアタールガス(Ar=80%+CO2=20%)をシールドガスに用いた。 (mes_s06, 256×200, 15秒) 163)
JOIAと三井造船が開発した小型水中溶接装置。水中での装置の取り扱いを容易にするためと、実際の溶接状況を確実に観察したいことの2点から、溶接部を小型のボックスで覆ってシールドする乾式法を採用した。小型カメラをトーチの後方に設置し、溶接中の状況を観察した。 (mes_uw1, 256×220, 20秒) 164)
裏当ての取り付け作業。水中の溶接部裏面に溶接に先立って超撥水塗料を塗布したセラミック裏当を貼り付けている。溶接材料の熱変形を防止するための拘束板は裏面に取り付けてあり、この拘束板を利用して裏当を固定する。 (mes_uw2, 256×220, 20秒) 165)
湿式水中溶接工法による裏波溶接作業。小型溶接装置を用いた水槽内でのデモの様子。ビデオカメラのケーブルの制限で溶接装置の上にシュノーケルのようにカメラ本体を取り付けてある。実際の適用では、カメラ部分は溶接装置内に組込み長いビデオ信号ケーブルで操作室に伝送する。 (mes_uw3, 256×220, 10秒) 166)

次ページ 2017.05.13作成 2017.05.13改訂