水中アーク切断動画一覧

3.水中アーク切断の動画一覧

 連続的に供給する細径電極(ワイヤ)と母材との間でアークを発生させ、溶融した金属をジェット水で除去しながら切断する技術。十分な電流容量を有する電源を用いて、ワイヤ送りを早く、電圧を低く設定することにより、電極直径の2倍程度の切断幅の切断が可能となる。ジェット水でアークを緊縮させると同時に溶融した金属を吹き飛ばすためアークは上側から下側に移動する場合が多い。電圧が低い場合には、裏面部でアークは早めに消滅するため裏面の溝幅は広がりにくいが、電圧が高い場合には裏面に近づくほど広がる傾向を持つ。上側で溶融した切断屑は下方に移動する過程で再度ワイヤと母材との間で短絡して再溶融する場合もあり、肉厚が厚くなるほど切断効率は低下する。電圧が低すぎると短絡する危険性は高くなる。
1.軟鋼12mmtの切断、後方から白黒高速度撮影
arc-wj02 arc-wj03
(1)低電圧22V (2)高電圧29V
 一旦溶融したアルミは切断溝内部で再溶着しにくいため、軟鋼に比べて切断効率は高い。アークは上から下に吹き流されやすい傾向を示すが、中央部より下側で滞留する場合も多く見られる。側面からの観察では、電極ワイヤ直径と同じ程度側面側内部に電極ワイヤを設置して切断している、切断屑は手前側の開放された水域に放出されやすいために、切断溝内部での再アークが少なくなり、アークが滞留する確率は低下している。電圧が高いとアークは横方向に伸びやすくなり、低いと短いアークとなる。
1.arc-wj12:25mmt、白黒後方から、低電圧
2.arc-wj11:35mmt、白黒後方から、高電圧
3.arc-wj04:35mmt、カラー後方から、高電圧
4.arc-wj05:35mmt、カラー側面から、低電圧
5.arc-wj10:35mmt、カラー側面から、高電圧
2.アルミの切断、後方と側面から高速度撮影
arc-wj12 arc-wj11 arc-wj04 arc-wj05 arc-wj10 パイプの切断
(1)25mmt (2)35mmt (3)35mmt (4)35mmt (5)35mmt (5)パイプの切断
 電極ワイヤを連続して供給しながら切断する方式であるため、切断方向の制限が無く曲線など複雑な形状の切断が可能である。切断面はある程度荒いが、薄板では毎分5m程度の高速切断が可能である。水中で切断するため大きなひずみが発生しにくいという特徴を持つ。  500A以上の大電流を用いて切断するが、ジェット水によりノズルは効果的に冷却されるため、トーチは非常に小型であり、装置のサイズは走行装置とワイヤ供給装置によりのみ制限される。定電圧大電流電源を用いて、電極ワイヤは定速供給する方式であり、制御も容易なため、全没水式の自動化が容易である。切断姿勢による切断応力の変化も小さい。
1.arc-wj06:水平に設置した薄鋼板の自動切断
2.arc-wj07:斜めに設置した鋼板の自動切断
3.小型水槽での水中切断
小型水槽でのアルミの水中切断 プール内での没水式切断機による切断、水平に設置した薄鋼板 プール内での没水式切断機による切断、斜めに設置した鋼板 ステンレス鋼管の切断(直径1m、厚さ12mm) 高圧チャンバー内での切断実験(水深100m相当)
(1)アルミの水中切断 (2)薄鋼板 (3)斜め鋼板 (4)ステンレス鋼管 (5)35mmt
5.ステンレス鋼管の切断(直径1m、厚さ12mm)
 原子炉圧力容器と炉心の間にはステンレス製の熱遮蔽板(鋼管)が設置されている。圧力容器自体の寿命より熱遮蔽板の寿命は短く、原子力施設の長期使用のためには、この劣化しつつある熱遮蔽板を解体撤去し、新しいものに交換する必要がある。圧力容器本体には損傷を与えず、内部の熱遮蔽板のみを自動解体する技術を開発した。 6.パイプの切断:高速度撮影(白黒)
 一般的なパイプの切断は外周もしくは内周に沿って切断を実施する。連続ワイヤを用いたアーク切断では、上端の切断でワイヤがかなりな量溶け残る条件を選定すれば、下端でも切断が可能となる。鋸でパイプを切断する感覚でパイプの上下を同時に切断する技術を開発した。 7.高圧チャンバー内での切断実験(水深100m相当)
 ジェット水によりアークは緊縮され、切断溝幅(電極−母材間距離)が狭いことから、水圧の影響は比較的小さい。水深が深くなっても良好な切断が可能となる。水深が深くなるほどアーク温度は増加し、溶滴は小さくなる傾向を持つ。このため、条件を的確に設定すると、水深が深くなるほどシャープな切断面が得られる。
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2015.11.21作成 2016.8.4改定