水中溶接 7.メガフロート=巨大(メガ)浮体(フロート)式海洋構造物

・メガフロート技術研究組合と共同して実施した研究の経過で経験した事例を紹介しています。溶接・水中作業以外の写真は、メガフロート技術研究組合から提供していただいたものです。

7.5 フェーズ1組立手順の概要

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 右図はフェーズ1で実施した組立て手順の概要です、まず、2個の浮体ユニットの短軸同士を接合し、次に側面に順次浮体ユニットを接合しています。その次に、短軸部分に順次接合し、その側面に1個の浮体ユニットを接合してL型の浮体を建造しています。最後に別途、最初に2個接合したものと同様な2個の浮体ユニットを現地で接合し、最後に開口部分にそのユニットを接続して、溶接により一体化しました。
 右の写真は第4段階での増設工事直前の引き寄せ作業の映像です。既設の3ユニットを接合した浮体は、側面と前面に設置した係留ブロックに係留されているのが分かります。4個目の浮体ユニットは3隻のタグボートで組立て場所に移動させられています。係留ブロックの浮体とは反対側に防波堤が見えています。この防波堤は連続していないため、防波堤の途中から一部の波が入ってきます。その波が波浪応答のシュミレーションに若干の影響を与えてしまいました。
 右下のポンチ絵は、フェーズ1組立て工事の最終局面を示しています。この設置工事の最終局面では、固着作業と溶接作業の状況を公開し、メガフロート研究組合の研究目的やその意義などを紹介する公開行事が行われました。この時の様子を次節で紹介します。
 フェーズ1で実際に実行した溶接手法の一覧を下図に示します。将来の実機の製作を念頭に起き、各種の作業が実施され、各手法の特長の比較がされています。図面中央部が、各浮体ユニットの配置図です。赤色で示してあるユニットが1995年度に組立てたもの、黄色が1996年度に組立てたものです。
 周囲に示してあるのが、フェーズ1で検証した各種溶接法の概要を示しています。個別の内容については次節以下で紹介します。

次ページ  2016.3.12作成 2018.9.7改定

全体目次
水中溶接目次
1.はじめに
2.水中溶接環境
水中溶接切断を実施する環境の特徴を記述しています。
3.基礎知識1
 気体関連の話題を中心に記述しています
4.基礎知識2
 固体関連の話題を中心に記述しています
5.GTA溶接
GTA(Gas Tungsten Arc)溶接技術の特徴を記述しています。
6.GMA溶接
GMA(Gas Metal Arc)溶接技術の特徴を記述しています。
7.メガフロート
7.1 概要
7.2 海洋構造物の様式
7.3 建造工程の検証
7.4 実海域での問題点
7.5 フェーズ1概要
7.6 公開実験状況
7.7 溶接準備作業
7.8 大気圧溶接
7.9 圧気溶接
cut_メガフロート解体
8.湿式水中溶接
8.1 湿式水中溶接とは
8.2 局所乾式法
8.3 水カーテン法
8.4 メガフロート対応
8.5 水カーテン効果
8.6 現地実証試験
8.7 開先精度
8.8 確性試験結果
8.9 裏波溶接
9.その他の溶接法
その他の溶接技術の特徴を記述しています。
瓢箪から駒
瓢箪から駒の成句は、西遊記の中に玄奘が乗る白馬を取出す場面が会ったことから始まったと思い込んでいました。最近西遊記を読み返しましたが、その場面は無く、金角銀角の獲物を飲み込み溶かしてしまう瓢箪しか出てきませんでした。
気になって調べたところ、唐代の仙人張果が白驢に跨って1日に数万里を行き、休息時には白驢を瓢に収め、出立するときには白驢を瓢から出したという故事からきていました。
日本に瓢箪が伝来したのは奈良時代(唐の時代)で、携帯容器として珍重されたが、浄土宗を広めた空也が、鹿角の杖に瓢箪をかけて南無阿弥陀仏を唱えて教宣したとのことです。