水中溶接 8.湿式水中溶接

8.6 メガフロートの水カーテン式水中溶接実証試験

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 水カーテン式水中溶接法の実用性を検証するために、1996年7月のメガフロート公開試験において、水カーテン式水中溶接を実施しました。
 溶接を実施する水深が60cm程度と浅いことから、溶接装置の本体部分は海面上に設置し、溶接トーチのみを海中に没する方式で溶接を実施しました。溶接ワイヤのねらい位置は約0.1mmの高精度が要求されるために、機械的な倣い装置を用いて溶接線を特定しました。実際の作業海中は溶接前の準備作業のために非常に濁った状態となり、視覚的な位置制御が困難なため、機械的な倣い装置を用いています。
 事前の実験は、産総研四国センター内の実験水槽で実施しています。水道水の中では溶接中の状況を明瞭に視認できますが、実際のメガフロート組立て工事現場では、写真に示してあるように内部の海水は非常に濁った状態となっており、溶接中の状況はほとんど観察できていません。
 日本鋼管、三井造船及びサノヤスと事前に周到な実験を行い、現場作業に適した自動溶接装置を開発し、最適条件を用いて溶接を実施しました。
 右に示している写真類は、公開日に実施した水中溶接のデモンストレーションの状況です。この時は、裏波用の当板を設置していましたので、一旦内部から水を排除することができました。内部が乾いた状態で装置類をセットし、カーテン水の状況が良好であることを確認した後、デモンストレーションを実施しました。実際に湿式溶接を実施する場合には、このような準備は不可能となります。このプロジェクトでは水カーテン式水中溶接の実用性と、実際に空港に使用するメガフロート作成時に向けて、どのように改良すべきかを検討する意味合いもありましたので、安全サイドのデモンストレーション溶接を実施しました。
 水中溶接全然の超音波検査を、公開デモンストレーション終了時に実施し、良好な溶接が実施できたことを確認しています。また、2000年12月にメガフロートを水中解体した際には、水中溶接部を切り出して各種の非破壊及び破壊試験を日本海事協会が実施して、陸上の溶接と同等の性能を有することを確認しています。
 下の映像をクリックすると、メガフロートプロジェクトで水中溶接の実用化を目指して実験した水中溶接の映像(各映像30秒)が再生されます。特に(1)の映像は、実際にメガフロートを現地で溶接している映像です。

Underwater welding for Mega-float
1)pool 2)overhead 3)handy 4)fullpene 5)Cu back 6)fullpene
(1)pool (2)overhead (3)handy (4)fullpene (5)Cu back (6)fullpene

次ページ  2016.03.15作成 2016.09.03改定